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僕のヒーローアカデミア No.341 『皆がヒーローになるまでの物語-①』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.341 皆がヒーローになるまでの物語-①」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 今回のサブタイは「皆がヒーローになるまでの物語-①」。前回いよいよ心操くんのターン来るか…!?と期待させてからこの扉絵とサブタイはズルいわ〜!

 タイトルロゴぶっ壊したヴィラアカ編もそうでしたが、こういう敵側の乗っ取りのような演出は背徳感あってゾクゾクすっぞ!

 

 これ次回以降はどのように話進むんですかね?-①→④→-②…とヒーロー側と同時並行なのか、-①→-②→-③…ともうヴィラン側一直線なのか。

 そして「皆がヒーローになるまでの物語」編の次はもう最終決戦?だとしたらまだヒーロー側の描写も全然足りないし前者だろうか。

 

 ヒミコちゃんの背後にいくつか描かれた花は彼岸花

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 何本も長く伸びたおしべが彼岸花の特徴と一致する。

 何より彼女の初期設定には後ろ髪のラフの下に「彼岸花」と書かれてたんですよね。

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 今は両サイドに移ったこの少し髪が跳ねてるお団子はその形状を模したものだと思われます。

 

 トガヒミコin渡我家。うっわ──…マジで刃牙の家みたいになってやがる。ドン引き。

 まあキュリオスがインターホン越しにインタビューしてた回想の時点でズタボロだったので察してましたが。

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 「咎人トガ」の上手い事言ったったwww感がまたムカつくな!間違っちゃないけどな!

 

 「親の責任放棄するな」とか「産んだ責任」とか所々エンデヴァーに刺さりそうな言葉があるのが面白いです。いや笑えないんだけどこの惨状だともう笑うしかないというか。

 こんな無関係なところでも連想されるエンデの存在感がデカすぎる。まあ罪が罪だからね、しょうがないね。

 

 家の中には「ヒミコ 2才」「ヒミコ 3才」とその時点の身長が刻まれた柱が。4才以降の身長が刻まれてないのは"個性"の発現が4才までだから?

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 ヒミコちゃんの血啜り癖はその"個性"由来のものなので、

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 まだ「変身」が発現する前は両親も身長を測ってくれるような普通の親だったと。

 

 「ヒミコちゃんの顔コワーイ!」もそうですが彼女が下の名前で呼ばれてるとなんか新鮮ですね。ってデフォでヒミコちゃん呼びしてる僕が言うのも変ですけど。

 でも作中でも読者からも「トガ(ちゃん)」呼びされてる印象が強いからなあ。まあ幼児を名字で呼ぶ人はあまりいないか。

 

 こうして誰もいない廃れた家の中探索してるとバイオみたいなサバイバルアクションプレイしてるようで楽しいです。

 ナイフで自分の部屋の扉に貼られたテープ切ってたのがまさにそれ。暗い屋内を一人で黙々と調べてるのが自分がそこにいるような臨場感があって没入できるのです。

 

 捨てられた家具があった箇所を見ながら昔見た夢を思い出すヒミコちゃん。グロい内容なのにそこに添えられたセリフがポエミーで不思議と嫌な気分にはならないですね…

 悍ましいのに無垢な少女の詩にちゃんと聴こえる。カオスではあるけどその表現が秀逸で聴き入ってしまいます。

 

 「ケイちゃん」は幼少期のヒミコちゃんのお友達でしょうか。中学の卒業式で彼女が刺した斉藤くんと同一人物…とは限らないか。

 名前だけなら男の子にも女の子にも聴こえるなあ。お茶子や梅雨ちゃん𝓛𝓞𝓥𝓔…なヒミコちゃんならこの頃から女の子が好きでもおかしくないですし。

 

 ちょっと思いついたのはこの「ケイちゃん」って現見「」ミ「」先輩じゃね?

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 8/7生まれで現在17歳のヒミコちゃんは高校2年生の先輩と同学年だし、彼女に「変身」したのも元々好きだったからじゃないかと。

 いやまあ今の先輩に笑窪らしき特徴はないし根拠としては弱いですが。

 

 赤いスズメが「おへそをついばみだして」「(アタシ)の中で踊り出す」のはこの前ネタにしたキビヤックじゃねーかwww

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 このための伏線だったの!?

 ヒミコちゃんの体内で踊りながら内臓啜られるの待つ鳥師弟とか想像しちゃいましたよ!ポエムの妖しげな雰囲気台無しすぎんよ!

 

 この血が溢れ出した真っ赤なお腹の背景にも彼岸花が描かれてるんですよね。

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 毒のあるこの花を口にすれば当然「彼岸」=あの世行きなのが名前の由来という説もある通り、

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 失血死不可避なこの絵ヅラにはピッタリのチョイス。彼岸花といえば血と同じ赤い色のイメージが強いですし。

 

 夢の中とリンクするように現実のヒミコちゃんも手首噛んで出血。痛々しいのに本人は恍惚としてるのが不気味というか…

 これを目にした親御さんがゾッとするのは正常な反応だろうと。でもこの満足げな表情を見てるとただ一方的に否定だけするのも違うよなあと躊躇われるのです。

 

 「(私の私物は)全部捨てたんだね」からの笑みは未練断ち切ったって表現?

 また彼岸花の話で恐縮ですが「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」「情熱」などの花言葉がありまして、

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 ここは幼い頃の「悲しき思い出」を振り返って親から真の「独立」を果たした…ってシーンに見える。

 

 人様の家の窓に腰かけてこちらを見下ろす荼毘はカッコつけてる風でジワりますが、実際様になってるから悔しい。

 ヒミコちゃんの幼少期振り返った後だと「イカレ女」に対する「フツーです」って返しが切実ですね…まあ荼毘は彼女には元々こんな態度だし責める気はないのだけど。

 

 「誰が泣こうが笑おうが〜」は病室で一人情けなく泣いてたエンデヴァーを思い出すセリフ。エンデが泣こうが荼毘が笑おうが「明日は平等にやって来る」。

 そして「世の中笑ってる奴が一番強い(by菜奈さん)」。だからこそエンデを強引に立たせてくれた冷さんには頭が下がります。

 

 「蒼炎」に照らされた荼毘の笑顔…からの渡我家ファイアーは超爽快だな!鬱屈としたヒミコちゃんの回想を見た後だから派手に燃え上がる光景がシンプルに気持ちいい。

 まさか荼毘の気紛れみたいな行動に救われるとは…って意外な感動があります。家たん…燃え〜…と眺められる。

 

 転弧も父親が建てた家をぶっ壊して痒みが止まったと語ってましたが、

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 親に生き方を縛られてたヴィランにとって「」というのはやはりその象徴なんだなあと。

 分かり易く描かれてる。これでエンデが今独りで住んでる家まで荼毘に燃やされたらちょっと笑ってしまうかもしれない。

 

 「人は」「笑う為に生きている!」も前向きにさせられる一言。

 実の親に自分の笑い方を「不気味な顔」「異常者」呼ばわりされたヒミコちゃんにとってこの言葉は救いだったんじゃないかと。

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 ダビダンス踊って以降いつも愉しそうに笑ってる印象の強い荼毘が言うから説得力がある。

 

 マキア襲来時には「荼毘くん」だった呼び方が「燈矢くん」に変わってるのは何か新鮮!

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 まあトゥワイスを「仁くん」呼びしてた時点で本名公表した荼毘もこう呼ばれるのは自然ですが。

 そうなると死柄木のことを「転弧くん」呼びしてるヒミコちゃんもいずれ見られるかもしれない。

 

 「優しいのはっ───エンデヴァーに苦労して欲しいからさ!」は連合を「どうでもいい」と言ってた頃から一貫したスタンス。

 馴れ合うつもりはなくあくまで動機はお父さんであると。その上で己の利益のために気落ちした仲間を笑わせるくらいの図らいはできても違和感ないです。

 

 着地寸前に地面に「蒼炎」放って落下の衝撃和らげてるのは地味に巧いですね。そういやホークス抱えて逃げる常闇くんを追いかけてた時に同じ使い方してたなと。

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 まだハッキリしてないけどどの程度自由に飛べるんですかね?最終決戦ではエンデやショートとの空中対決も実現する?

 

 ヒミコちゃんが腰のポーチからトゥワイスの血液取り出してたのはウワアアアアァァァァ…/(^o^)\!?

 いやこれ大袈裟でも何でなく今の死柄木やらマキアやら顔金玉やら量産できたら詰みじゃん!いやそこは本物じゃないってことで何かしら「二倍」に制限かかるかもしれませんが!

 

 「トゥワイスがいりゃあ俺の夢はより確実に叶ってたんだ!」と荼毘は語ってましたが、

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 まだそれ諦めてなかったのね…。

 確かに本物のトゥワイスの死体は荼毘の近くにそのまま放置されてたので、

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 常闇くんとホークスが逃げてからマキアが現れるまでに血を回収する余裕は充分ある。

 

 荼毘は実に憎たらしいんですが、一方で死して尚トゥワイスの"個性"が活かされるのは嬉しくもあります。

 荼毘は単に利用しただけでトゥワイスの死は無駄にしねえ!みたいな精神はないと思いますが、どんな形でも再びトゥワイスにスポットが当たったのは事実だから憎みきれない。

 

 死者に「変身」するとか死者を「二倍」に増やすとか本来クッソ冒涜的なんですよ、でも肝心の死者本人があのテンションだから全然気にならない…!

 何なら本物のトゥワイスもあの世でよくやった荼毘!やったれトガちゃん!!とまた仲間の役に立てた事を喜んでいそうですらある。

 

 いやあ実に良いなあ荼毘とトゥワイスの関係…荼毘はただ利用してるだけなのにトゥワイスがとにかく仲間の役に立ちてえ!!

 ってキャラだから結果的にはWIN-WINと言いますか。荼毘もそう思わせておいた方が都合いいからわざわざ否定はしないんですよね。ある意味ベストコンビ。

 

 この血液を活かした戦いで恐くもあり愉しみでもあるのがトガ(※トゥワイスの姿)vsホークスです。

 いやあもうこれホークスの罪悪感グッサグサ刺激しそうで最高の地獄展開じゃないっすか!トゥワイスと最も仲良かったヒミコちゃんがホークスと戦うのは仇討ちになるし期待できる。

 

 「笑おうぜトガヒミコ」と言われたヒミコちゃんがトゥワイスの血見ながらちゃんと微笑んでるのもエモいです。

 彼女にとってトゥワイスが「心から好意を寄せた対象(もの)」だと荼毘が解って渡したのもグッとくる。仲間意識薄い彼から見てもトゥガイスは仲良しだったんやなって。

 

 まあ壊れ性能すぎるから退場させたのに擬似復活させて「二倍」扱いきれるのか!?って不安も多少はありますが!

 かと言ってショボい使い方で終わってもそれはそれで物足りないんですよね。なのでここは「新秩序」の脅威を存分に描いてから退場させた堀越先生を信じるしかない。

 

 場面移って連合のアジトの洞穴。這いつくばりながら声漏らしてる死柄木の姿は…正直また本誌の印刷粗すぎてよく見えないぜジャンプ編集部!

 いや何やら悍ましく変形してるのは分かりますが!退いた後も左手の形がおかしいのは視認できるのであの巨大な何かはどうも左腕っぽい?

 

 このシーン、異形型ゆえに虐められてたスピナーが異形なりかけの死柄木に驚いてるのが印象的ですね…それほど異様な姿なんだなと。

 でもスピナーは露骨に気色悪がったりしない。落ちた菜奈さんの手(仮)を拾ってくれる。何故なら自分がされて嫌だった反応を仲間にはしないから。

 

 スピナーによって高まる異形型"個性"の者たちによる反社会運動の熱。ヤミクモ回で非異形の人々を襲ってた暴徒たちが皆異形だったのはやっぱ意図的な描写だったんだな…

 言われてみればバンダナやら目隠しやらの装備がスピナーっぽくもある。

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 ステインのパクリのパクリって訳か。

 

 意図せぬ方向に神輿を担がれたって点ではリスペクトしてるステインと同じなんですよね。この行き当たりばったりな流れは実に敵連合らしい。

 まあステ様はスピナーと違って狂気と呼べるレベルの信念がありましたが、スピナーに期待する異形たちはそんな違い知る由もないですし。

 

 スピナーがスケプティックに渡されたのは異形の暴徒たちに指示を出す為の装置でしょうか。何かもうスピナーの意志は実質尊重されてないって感じだな…。

 救いなのはスピナーに死柄木の為って動機が残ってることですね、おかげでまだ彼の選択を彼自身の意志によるものと思える。

 

 で、スピナーの下に集う異形型"個性"の暴徒たち…の中にNo.1のヘドロヴィランいるうううぅぅぅぅ!!?

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 うわわわわこれはちょっと…本作の悪に走った〝異形〟のモブ代表として相応しすぎる存在じゃん…!かっちゃん襲わせる単なる舞台装置から一気に格上げして動揺を隠せない。

 

 こんなんもうヘドロヴィランの台詞全て哀しく聴こえちゃいますよ…!かっちゃんに対する「良い"個性"の」「隠れミノ」もさあ、

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 非異形でヒーロー向きの"個性"を羨んでたんじゃないかって。改めて考えてみれば常にヘドロ塗れの状態で過ごすとか人生ハードモードすぎるもんな…。

 

 デクとかっちゃんはこのヘドロヴィランと再会したりするのかなあ。スピナー率いる異形の軍団と戦うのは同じく異形の障子くんたち説推してたんですが、

 幼馴染がかつて自分たちを襲ったこの敵の心を救う展開も見たくはあるんですよね。今後目が離せないヴィランと見做せました。

 

 左斜め下にいるのは〝VIOLET〟のNo.3の隊長補佐ですかね?

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 ギザギザ頭とスーツが一致してる。

 所属はスピナーの隊ではありませんが、隊長の外典が捕まった今異形として彼に従うのは当然か。

 他のモブは見憶えありませんが今後活躍が描かれるネームドに格上げされたりするのかな。

 

 「誰もが誰かの」「ヒーローになれるんだ!」ハイ出た!顔金玉お得意の台詞パクリ!!

 今回パクったのは『2人の英雄』のスピンオフ読切『きっと誰もが誰かのヒーロー』!

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 いや〜最早シリーズ化してるし、今度はどの台詞やらフレーズやらパクるのか逆に楽しみになってきましたよ!

 

 この台詞丸パクリもあってか今まで希望だった「皆がヒーローになるまでの物語」が一気にネガティブにも聴こえてしまったな…

 まあヒーローもヴィランも表裏一体の存在と描いてる本作らしくはある。事実スピナーが異形の暴徒たちのヒーローと化してるのは否定できないもんなあ。

 

 いやでも!やっぱスピナーにはこんな形じゃなく…!AFOの支配から逃れてなお死柄木にとってのヒーローと呼べる存在になってほしいっすよ!!

 真の「皆がヒーローになるまでの物語」を描いてほしいっすよ!!無理やり担がれただけの単なる小市民じゃないと証明してみせてくれ…!