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僕のヒーローアカデミア No.267 『炎』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.267 炎」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【Cカラー】

 「万の人、月を見む毎に此の菟の事、思ひ出づべし」は今昔物語集に収録された、炎でその身を焼いた兎が自分を食べ物として老人に捧げる物語の一節らしいです。

 兎であるミルコはもちろん、その自己犠牲の精神や炎といった要素も何となく本編とのリンクを感じさせる…。

 

【本編】

 女性ファンの飛ばしたハートをキャッチするホークス、あざといちょうあざとい。彼ってチャラくはないけどサービスを疎かにするタイプでもないんで、この対応はイメージ通りですね。

 あとこのハート、単なる比喩表現じゃなくそういう"個性"で作られたガチの実物って可能性もあるな…。

 

 複数人同時に格納できるファッタクシー、めちゃくちゃ父性に溢れてる…!なんかだんだん人をダメにするソファみたいな扱いになってきてない!?

 これは一家に一台欲しいやつ、上鳴くんたちも早速ダメにされかけてるし。しかもこれで痩せたら実はイケメンってちょっとあざとすぎんよ〜。

 

 インターン生が自らプロに貢献しようとしてるのは有難いっすね!特にギリギリまで怯えてた上鳴くんが「俺らまだやれますぜ!!」と言ってくれてるのが嬉しい…!

 もう完全に緊張は解けた様子でこっちまで肩の荷が下りたような気分だ。耳郎ちゃんとの以心伝心の効果がデカすぎる…!

 

 ただ、プロの方からこれ以上学生を頼りにできる訳はなく…。ファットが学生たちを無事に送り届けるつもりだったのは頼もしかったです。

 彼らは何かとヴィランの危険に晒されてきたからね…。今度はそうはさせないと、大人として子供の身の安全を保証する姿勢を示してくれて安心できた。

 

 ファットたちの背後ではMt.レディが💢マーク浮かべながら荒ぶってて草。彼女の"個性"も広域制圧に向いてそうだけど巨大化しないんですかね?

 まあ常闇くんたちが粗方済ませた以上、これ以上の広範囲攻撃はファットの言う通り「却って味方の足を引っ張ってしまう」のかもしれないけど。

 

 常闇くんがホークスを目撃したのは…先回りしてトゥワイスを封じるために一旦外に出た直後のことだろうか。

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 炎の軌道が放出された窓の裏側へ向かってますし。

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 「出される前に」「討つ」と対策を語ってた彼が、全力で放たれた炎に追い回されてるのを見たらそりゃ不安にもなるよな…。

 

 今回ははっきりと描かれたトゥワイスの死体とハンカチ。つまり前回ヒミコちゃんに抱きしめられたのは分身だったのね。

 本物が刺される直前に出した分身が羽を喰らって落下し、その後何とか仲間の元に辿り着いたと。

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 今までぼかされてたものを映されるとより重くその死を実感できるな…。

 

 荼毘の顔は愉悦に歪んでますが、「涙腺が焼けて泣けねえんだよ」は彼の皮膚のことを思うと安易に嘘とは断定できないセリフです。

 ただ荼毘がもし泣いても大丈夫な体だったとして、トゥワイスのために涙を流してくれたかというと…答えは恐らくNOでしょう。悲しいけど認めざるを得ない。

 

 一応No.264の「トゥワイス お前は悪くない」「悪いのはいつだってクズ共だ」は本心だったと思うんですよね。

 ただ今回の物言いからすると正直トゥワイスに強い仲間意識を抱いてたとは考え難い。もっと利己的な、自分にとって利用価値のある存在と見做すような視点だったんだろう。

 

 前回の「おまえ一人いればヒーローなんざ蹴散らせる」「暴れろみんなが待ってるぜ」も、今聴くと全然心がこもってないように感じるしなあ。

 まあトゥワイス自身は仲間の期待に応えられて満足そうだったけど…。ただ客観的にはやっぱり最期まで良い様に利用されたようにしか見えない。

 

 さらに言えば前々回トゥワイスもいるのにお構い無しに炎放ってきたからねコイツ!一応ホークスが救けるのを見越してたとは言ってたけど、それにしたって危険な攻撃だったのは変わりない。

 邪魔したのも自分にとって利用価値のある奴が失われるのが惜しいから…以上の理由はなさそう。

 

 「トゥワイスがいりゃあ俺の夢はより確実に叶ってたんだ!」ってことは、逆にいえばトゥワイスは絶対に必要な存在ではないのか。

 つまり荼毘個人の目的に二倍を役立てられるという訳ではなく、単に二倍で解放戦線に貢献してくれればそれが荼毘の目的の達成にも繋がるってことなのかな。

 

 死柄木の素性が調べても判らなかったのは恐らくAFOが何か手を加えたからだとして、荼毘の方はなぜだろう。それが意味するところはやはり=燈矢なんだろうか。

 だとすれば燈矢の遺体を利用して造られた精巧な脳無とか?ただ黒霧と同じパターンになるのは避けてくるような気もする。

 

 子供のヒーローへの憧れを利用して「この名前とは今日限りでさよならだ」と要求する公安も中々無茶だよな…。

 一応承諾は取ってるので理不尽とは言えないですけど、この頃から重い使命を背負わされてたと思うとやっぱキツい…。そりゃ「ヒーローが暇を持て余す社会」を求めたくもなる。

 

 エンデヴァーへの憧れを語る啓悟くん可愛すぎィ!確定でエンデヴァーさんのコト好きじゃん。

 今の戯けた印象が強いせいか、やや内気ながらもストレートにその憧れを口にする姿がいっそう眩しかった…!もうめっちゃ庇護欲煽られたよ!お腹いっぱいになるまで焼き鳥食べさせてあげたい。

 

 気になるのは「俺を救ってくれたみたく」って部分。ホークスがエンデヴァーに救われたのはやはり例の窃盗事件のことなんだろうか…?

 あるいはそれ以前からエンデヴァーの存在自体が救いだったとか?少なくとも公安に引き取られるまでに何か関わりがあったのは事実だと思うけど。

 

 あり得るのはホークスは幼い頃「鷹見」という窃盗犯(=父親?)にネグレクトを受けてて、そいつをエンデヴァーが捕まえてくれたことで救われた、辺りかなあ。

 ゴミが散乱してたのを見るに鷹見家の家庭環境は良くなかったみたいだし、彼が家族から離れるのを望んでた可能性は充分にある。

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 炎はホークスにとって弱点であると同時に、自分を明るく照らしてくれる希望の象徴でもあったんだな…。そして今、そんな彼が炎によって追い詰められてるという皮肉よ…。

 なんかもう悉くホークスの希望が打ち砕かれる形で話が進んでるとしか思えなくて、全然救いを見出せねえ…。

 

 「誰だおまえは」「」ぐぅ〜〜…!良いところでぼかすなあ…!その内容の最有力候補はやはり「轟燈矢」ですが、ここまで引っ張られると別の答えである気もしてきました。

 既出の人名ではなく、読者はまだ知らない、けれどホークスにとっては因縁深い相手の名前って可能性もあるしなあ。

 

 荼毘は元から個人主義的な面が目立つ行動が多かったので、「連合も死柄木も」「最初からどうでもいい」は今回のトゥワイスの件より前から薄々察してたことではあります。

 ただ本人の口から明言されるとやっぱショックでかいっすね…。連合の仲間意識を丸ごと否定されたような気分だ…。

 

 「この世界に本物の英雄なんていやしねえ」「俺はステインの意志を全うする者だ」は正直どうなんだろうな…。

 少なくともステインはオールマイトのことは本物の英雄と崇めてたので、その一点だけは彼の思想と明確に異なるはず。荼毘にとってはその点は重要じゃないってことか…?

 

 意味深に映されるマキアとラジカセ。もし大人しくさせるのとは逆に、録音されたAFOもしくは死柄木の声でマキアを起動させられるとしたらかなり厄介だな…。

 少なくとも前にその様子を見たスピナーはその発想に至ってもおかしくないはず。

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 もしそうなったら一気に戦況がひっくり返るぞ…。

 

 場面移って蛇腔病院。現役No.1&2が2人がかりでやっと倒せたハイエンドを3体も同時に相手にすればこうなるのは必然ですが…やはり痛々しい。

 ただそれでも「私が削がれたから……じゃねえ」と確信できるのはすごいよな…。プロとして自分の実力に絶対の自信を持ってるのが伝わってくる。

 

 頭部を伸ばせる個体は以前は「蹂躙せよト」「ソそそういう指令ダ」と片言でしたが、今回は「また博士の元へ」「バカな女」ともう普通の人間と変わりない喋り方ですね。

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 戦闘力だけでなく知能も覚醒してきてる。しかもこの短時間で…ってことは、安定しても片言だったフードより高知能?

 

 ハイ出た!園長と同じ「脱兎の如く!」!

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 まあこのセリフ自体はチームアップの方ですでに言われてたんですが、それでも本編でも聴けたのは嬉しかったです!

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 これって単なるサービスじゃなく、やっぱミルコは園長と何か関わりあるんじゃね…?どうも今後出演する前振りに思えてならない。

 

 「死ぬなら達成して死ね」「ミルコ!!」は前回のトゥワイスと重なるセリフだな…。ヒーロー側もヴィラン側も自分を犠牲にして仲間に貢献するやつがいるのは同じ、ということが集約されてる。

 にも関わらずミルコの方は全然破滅的に見えないのは、やはりそれまで送ってきた人生の差か…。

 

 安定の際どすぎる大開脚で迫るミルコ。それ見て大量に涙と鼻水噴出させる殻木は完全にギャグ漫画のキャラのリアクションだな!

 いつしか雨はやみ、そこには虹がかかるんだよなぁ…いやこんな汚すぎる虹イヤだわ!デクといい(元)無個性だと体液の量が凄まじい法則でもあるんですかね…。

 

 右耳や左脇腹、右脚を貫かれたり、髪を引き抜かれたり左脚を噛みちぎられたりと散々なダメージのミルコですが、こうして勇ましく突撃してると全く絶望しないな!

 むしろ見てるこちらが励まされる。堀越先生のお好みはボロボロになっても心の折れない女性キャラだと深く理解できたよ…。

 

 ギリギリで駆けつけた常闇くん、カッコよすぎる…!明るい炎に照らされてたホークスを救けに来たのが暗い影って対照性がね…!

 まるで物理的な明るさだけが希望じゃないぞと証明するかの如き助太刀。有難すぎて仮に常闇くんの独断だとしても責められないですよ、ファットには悪いけど。

 

 車田さんとエンデヴァーには「まったく闇は消えねェな!」「だが」「光もまた消えることはない」と会話されてましたが、闇がヴィランで光がヒーローとは限らないんだよな…!

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 今回常闇くんが闇で光は荼毘の方だったけど、今のホークスにとって常闇くんは紛れもなくヒーローだったよ!

 

 涙目になりながらマントで炎を消そうとしてる黒影えらい!よい子!ヨシヨシしてあげたい!

 「ヒーローがマントを羽織るのは!」「痛くて辛くて苦しんでる女の子を」「包んであげる為だ!」とはルミリオンの言葉ですが、その対象は成人男性であっても構わないと主張するような光景だ…!

 

 光が苦手な黒影は蒼炎と相性悪いし、なるべく早くファットもしくは他のプロヒーローに参戦してほしいんですけどねー。深手を負ったホークスを抱えた状態じゃさすがにハンデ大きすぎますし。

 ただもう少し常闇vs荼毘を見ていたくもあるんだよな〜!それくらい今回の救援は眩しく映った。

 

 病院サイドもエンドヴァーがハイエンドに拳を叩き込んで到着!!上からいきなりヂートゥをワンパンで潰したシルバみたいな構図だな!

 散々フードに苦戦させられただけあって今度はちゃんと一直線に頭部を狙ってる。これで残るハイエンドはクラストと戦ってる個体も含めてあと3体…!

 

 死柄木の入った培養器は粉砕される寸前だし、もうこれ殻木に勝ちの目なくね…?考えられる最悪の展開はギリギリで定着が済んでた死柄木が出てきてミルコの脚を掴んで崩壊、ってパターンですが…。

 ただここまでフェチを詰め込んだミルコを堀越先生がここで殺すか?って疑問はあるな…。

 

 

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