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僕のヒーローアカデミア No.305 『緑谷出久と死柄木弔』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.305 緑谷出久と死柄木弔」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 デクの気持ちに先代達は「呼応する」…となれば確かに「死柄木弔を殺せるか?」は問わねばならない最重要事項。

 最後の継承者(仮)として戦う以上、OFAの内部で意志は統一する必要がある。それを真っ先に訊いたのが菜奈さんなのが…祖母としてもヒーローとしても覚悟が重すぎる。

 

 「あんな状況でもアレの眼は」「憎しみしか宿しちゃいなかった」は厳しくも客観的見解…!事実死柄木はデク個人に救けを求めた訳ではないんでしょう、

 それはNo.1のかっちゃんと同じ。ここで先代達が中立に意見を述べてくれたのは有難いです、だからこそデクに問う意味がある。

 

 AFOが弟子の肉体と精神を求めるのは「ワン・フォー・オールを手に入れる為」。肉体を乗っ取りたいだけなのになぜ精神まで育てたか永らく謎でしたが、

 漸くその答えが出たな…!今まで憎しみの重要性を説いてたのは単なる観念的な話ではなく、OFA強奪の具体的条件だったからか。

 

 以前「黒髪の青年」と表されてた6thの本名は「(エン)」。

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 苗字か下の名前か不明ですが片仮名表記からしてアジア系の外国人なのかな。

 そして"個性"はやはり煙系??もしスモやんみたいに身体を煙化できたらまさに「崩壊」に対するメタ"個性"だけど…都合よすぎるから逆にないか?

 

 AFOにOFAを奪われかけたのは5th&6thの所有時、計二回。逆にいえば初代から離れて2nd〜4thが保有してた間、OFAの所在は特定されなかったのかな?

 特に四ノ森さんは生前人里離れた山林で暮らし死因は老衰、とくればAFOの手が及ぶ前に万縄さんに託し生涯を終えたと考えるのが自然。

 

 ライジングでナインがOFAを奪えなかったのも容量不足だけが原因じゃなさそうだな…。OFAをただのパワー系"個性"としか認識せず、

 AFOほどの執着もなかったナインに奪えないのはもはや必然。色々な面で死柄木の前座的ムーブが多かった彼ですが、この失敗もその一部だったか…。

 

 「所有者の意志でしか動かせない」も伏線だったんだな…自力の強奪に失敗したからAFOはその原則を知ってたと。

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 だから今度は継承者の孫に15年以上もかけて憎悪を募らせた…とか遠回りすぎますけど、手段としてはそれしかないわなあ。事実AFO+死柄木の憎しみで侵食はされてたし。

 

 AFOによる強奪には憎しみが必要…って条件は実はOFA限定じゃなかったりしないですかね?つまりOFA以外の"個性"を奪う際にも憎しみは必要なんじゃないかと。

 まあ正直憶測の域を出ない話ですけど、だとしたらまさに全てを憎んでる死柄木にこそ相応しい"個性"だと思うんだよな〜。

 

 AFOにとって死柄木がOFAを奪う為の単なるアバターで、魔王の座を譲る気がないのは正直残念…なんですが、一連の話はあくまで初代の考察ってことは一応意識しておこう。

 強い憎しみが条件なら乗っ取りは必須ではないし、今後死柄木自身にOFA強奪を託す可能性もなくはない…はず。

 

 「"逃げられない"という話の後に言うのは卑怯なやり方」はその通り。殺せるor殺せないって訊き方なら実質答えは一択な訳で…だからこそ「救ける」って答えが期待される。

 その自覚があるだけ菜奈さんのことはやっぱ責められないな…可能な限り誠実にデクと向き合ってくれてる。

 

 「失敗し続けた大人が」「16の子どもに負債を押しつける」は轟家にも通じる台詞。まあ幼い頃からOFAを有してた訳じゃないデクは焦凍くんよりはまだ選択の余地あったか。

 AFOと戦う運命なことは元々予言されてたし、この点もやはり先代達を責めるって選択肢は浮かばないなあ。

 

 禍々しい蝶のような羽根を生やした死柄木はNo.246で描かれた姿と同じもの。

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 そして最終形態のナインも同じ形に紫色のエネルギーを背から放出してました。

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 つまりこれは単なるイメージではなく定着率100%の死柄木に近い姿であり、ナインはそのプロトタイプだった…と考えられる。

 

 「赦すことも」「わかりあう事も叶わない」はかっちゃんに対する印象と重なる台詞。少なくともデクは過去のノート爆破自殺教唆…etcは許せないよなあ、常識的に考えて。

 けれどそんな相手でももう何度も救けてきて、だから死柄木にも救けたいと思い得る。デクはそういう主人公。

 

 「"救けを求めているように見えた"人間」が「救いようのない人間」だった…は秀逸な言い回し。No.1から一貫されてるデクのヒロイズムを根本から否定する問いで…

 改めて死柄木の罪の重さを痛感する。OFAでそれを成し得るのであれば殺しを手段として意識するのは無理ないよなあ。

 

 未だに壁を向いてる2ndは…髪にトーンが貼られてる!?

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 いや前回の冒頭でも貼られてたんですが影の表現かと思ってたんですよ。

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 髪の色が違うならやっぱかっちゃんとは別人じゃね…?正体隠してた荼毘と違って彼は特に髪を染める理由もないしなあ。タイムスリップ説は却下だ却下!

 

 デクが死柄木の奥に感じたのは「泣いてる子ども」…即ち志村転弧。表情のみで判断した訳じゃないなら「救けを求めてる」と感じたのも納得だし、

 現実ではなくOFAの世界ならそういう現象も起こり得る。デクが抱いた印象に説得力を持たせる内容です、自然にその動機に共感できる。

 

 タルタロスから脱獄したヴィランたち…デクが「(彼らがどうして〜知らなかった)」と考えてるなら、今後彼らと再び対峙したりもするんですかね?

 まあ信念や恩返しの末に歪んだステインやオバホはともかく、ただの戦闘狂であるマスキュラーに対話の余地は正直ない気がしますが。

 

 「(知っていたなら何か違っていたのかもしれない)」で映されたジェンラブは嬉しいチョイス!ジェントルもデク同様、一度夢を諦めた人間だからね…

 そこに共感を寄せたからこそあの結末に至れた。デクに心を救われた彼らの再登場に期待できる描写です、これその前振りだよね!?

 

 「(大好きな人たちを傷つけた)」で描かれてるのは死柄木に特に重傷を負わされたヒーローかな。ただそこに「嫌な奴」の筈のかっちゃんが含まれてるのは正直ジワるな…!

 いや広義の意味なのは解るけど少なくとも彼個人にデクがかっちゃん大好き!って思ってるイメージはないぜ。

 

 そして示されたのはあの夜、モンちゃんを身に寄せて泣く転弧に邂逅するデク…いやこれ全読者が望んだifじゃん!

 もし転弧が幼い頃デクに出会えてたら…彼の心はその時点で救われたかもしれない。もうあり得ない、けれどだからこそ儚く尊い…そんな希望がこの一枚に詰まってる。

 

 この幼少デクが着てる「M」の文字でオールマイトの顔を表した服、実は池ポチャ事件の時に着てた服と同じなんですね!

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 構図も手を差し伸べたあの瞬間と一致してる。つまりデクにとって死柄木はかっちゃんと同じく許せない、けれど救けたい存在だと。その確信がますます深まった。

 

 死柄木が現在20歳でデクが16歳…つまり転弧が5歳のときデクは1歳なので、そういう意味でもこの光景はあり得ないんですが、まあそれは些細な問題よ。

 誰かを救おうとする幼少期のデク…と言えばやはり例の池ポチャなので、あの時の姿をそのまま持ってくるのは表現として正しい。

 

 OFAは「救ける」為の力…それをデクが理解してるのはオールマイトが彼の原点だから。その救ける姿に憧れたデクだから本質を見失わず口にできる。

 壊理ちゃんに説いてた通り"個性"は「使い方」次第であり、

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 オールマイトが救けるという使い方をした成果こそデクのこのアンサー。

 

 オールマイトもそりゃ泣くよなあ…不完全で人間味の薄かった意識に流れた涙がグッとくる。現実の彼にもこの言葉が届いたかは定かではないけれど…

 デクがOFAのあり様を肯定してくれた事自体は朧げでも伝わったんじゃないかな。起きたら涙で頬を濡らした彼が待ってると信じたい。

 

 「殺して止める以外方法がないかもしれない」「具体的にどうすればいいのかもわからない」は有難い現状確認!

 軽視していい課題じゃないしその解決策が示された訳でもないからね。でもそれはこれから継承者皆で考えてけばいいのよ…決して楽観してる訳じゃないと解って一安心。

 

 靄が晴れて現れたのは姿だけ幼くなったデク。それはまるでオールマイトの救ける姿に憧れた原点に還ったよう…。

 これはOFAがデクの意志に応えた事による変化なのかな。もし彼の答えに相応しい最も純真だった頃の姿をOFAが選んでくれたなら、それは所有者に対する最大級の賛辞。

 

 そしてデクが口にした回答は「僕はあの子を」「救けたい」。よう言うた!!それでこそヒーローや!!!

 前回期待した答えが期待以上の演出で示されてもう何も言うことないっすわ〜!今までの不安とかこの一言で全部浄化されたような感覚…!これは紛う事なき光の主人公っすよ!

 

 今回のサブタイは「緑谷出久死柄木弔」。前回の「緑谷出久と八木俊典」に続くタイトルですが、デクが見たのは泣く転弧の姿なのに「緑谷出久志村転弧」じゃないのは、

 転弧の完全な救済を果たした回のサブタイがそれだからかな。だとすればこれは希望を抱ける長期的な伏線。

 

 「…だから君について行くんだ」と言ってくれた初代にもホンマ有難う有難う…!って感じ。OFAに起こってる異変を丁寧に解説してくれた今なら素直に感謝できる。

 今までも悪い人ではないと思ってたけど完全に信じるには情報が足りなすぎたからさ…ここで対話できて本当よかった。

 

 初代に肩ポンされる菜奈さんはかなり背高い…高くない!?初代がデク(166cm)以上と大まかに仮定してもこの比率は175〜180cmはヨユーであるでしょ!

 完全にケツとタッパのデカい女じゃ〜ん!AFOに殺されたらしい旦那さんは東堂さんと親友になれるよ、ていうか堀越先生がなれる。

 

 デクは今の姿に戻り靄も再び元の位置に発生。となるとやはりこの靄はデク自身の努力で振り払うしかないのかな。

 この空間限定とはいえ流石に主人公がいつまでも不自由な姿のままだと格好つかないしなあ…。考えられる条件はやはりOFAの出力100%&2nd〜7thの"個性"習得の達成か。

 

 菜奈さんによると「グラントリノは生きてる」とのこと。これは彼を見舞ったオールマイトの意識を通じてOFA内に生存が伝わった…ってことかな。

 彼の姿はNo.298でも確認できましたが口にされると改めてその無事を実感できる。

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 菜奈さんと話せたと知れば彼の心も救われるだろう…。

 

 「私たちは弟子に恵まれた…!」はデクの「僕は」「恵まれ過ぎてる」と同じ表現…!

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 どうしてOFA継承者は皆周囲への感謝が深いんですか尊すぎる…!

 自分は恵まれてると感じてたデクも他者から同じ様に思われたのがもうね…!今その謙虚な姿勢が報われたようで感無量なんですよ。

 

 壁の方を向いてる2nd&3rdは初代の親しげな呼び方からして別に険悪な仲ではないっぽい?だとするとデクに対して悪感情を抱いてる訳ではなく、

 むしろ申し訳なさや後ろめたさゆえに対話を拒んでる?いまいち真意の読めない態度ですが、少なくとも悲観的に捉える必要はなさそう。

 

 あと気になるのが2nd&3rdの間の扉。

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 この側に立ってる二人は門番のようにも見えるんだよね…。例えばこの扉の奥にはOFAの力を全解放する為の禁忌的な何かがあり、彼らはその解禁を封じてる…とか?

 デクに扉を開けさせない為にそこに立ってると考えればその態度にも納得がいく。

 

 次回は表紙&巻頭C!2nd&3rd&6thの"個性"と本名が判明した後に一旦現実に視点移動ですかね?トップ3との情報共有や未だに姿を見せない引子さんの反応も気になるしな〜。

 そろそろデクには目覚めて諸々の問題に向き合ってほしい。歴代の"個性"習得の為の修行パートはその後かな。