僕のコミックアカデミア

イェイ イェイ ヒロアカ最高 ヒロアカ最高 オマエもヒロアカ最高と叫びなさい!!

僕のヒーローアカデミア Vol.42 『私が来た!』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア Vol.42 私が来た!」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【CONTENTS】

 

空きページ

>わかるわけないだろおじさん

 生徒が右目の傷を意識しないように髪で隠す相澤先生、マグ姉につけられた額の傷をあえて治さなかったオバホの逆バージョン。まあファッションでわざわざ前髪伸ばして片目だけ隠すような人ではないよな…。

 

>ホークスと目良さん

 ホークスが次期公安委員長になると判明したとき目良さんとかじゃないの!?とツッコみましたが、そもそも目良さんがホークス推薦したんかい!

 いやこれもちろん彼の素質を見て推したんでしょうけど、自分の睡眠時間確保するためって目的も少なからずあったんじゃ…wまあホークスはエンデをプロデュースしたように自分が表立ってリーダーシップ発揮しようとするタイプじゃないので、他人からの推薦なのは納得です。

 あとホークスが擦れずに育った理由の一つとして目良さんの存在が挙げられてたのも良かったです。ホークスのヒーロー性をエンデだけの功績にしなかったのは良いバランス。

 

>挿絵を描くスピナー

 「…絵は…」「国境も教育も越えていく」、これなあ…ステ様の動画に出会って爛匣入りする前にもっと意識していればヴィランにならずに済んだんじゃ…と思ってしまいますね。いや連合という居場所を見つけられたことは否定したくないですけど。

 

>洸汰くんの年齢

 やーっぱり洸汰くんの年齢のズレてるの普通にミスじゃあねえかーっ!

 とツッコみはしましたが、正直触れずになあなあで済ませてもいい部分だと思ってたので、ちゃんと触れて説明してきただけ誠実だなと。

 つまり洸汰くんと壊理ちゃん(と活真くん)は同い年か。

 

加筆

>No.423 OFAvsAFO

 デクと死柄木with歴代OFA継承者による挟み撃ちパンチはステ様戦のデクと飯田くんの同時攻撃を思い出すやつ!やっぱりこういう二方向からの攻撃は見開きで横の広がりを意識させられる方が映えますよね~!

 その後のデクと死柄木の対話パートの加筆もよかったです。あっさりはしてたけど同時にこれ以上喋らせたらクドくなるとも感じてたんで、ページは増やしても会話の内容自体は変えなかったのは良い判断。そのおかげで本誌掲載時よりゆっくり話ができた感が増してました。

 

>No.428 笑顔が好きな女の子

 うずくまって泣くお茶子を拡大、からの見開きで主人公登場はデクの希望としての存在感が倍増してましたね~…!特にデカデカと描かれた靴が着地というより駆け出した瞬間っぽく描き直されてたのが1期OP『THE DAY』の「踏み出すその一歩一歩が変えていけるさ」って歌詞を思い出す。

 あとデクファンの後輩のネクタイの女子にしかないはずの丸が消されてなかったんですけど、これ所謂トランスジェンダーの子って設定なんですかね…?

 上半身しか描かれてなくて履いてるのがズボンかも分からないですし。

 それとも髪短いしガタイもいいけどこれで普通に体も心も女子なのか…?

 

>No.429 私が来た!

 ジョキジョキくんを掴んだおばあちゃんの手と手が丸々1Pに拡大、これは納得しかねえ~!このレベルの大きさで描かれた手と手ってマジで黒デク編の飯田くんとデクくらいですけど、これはヨユーでそれに匹敵する価値ありますわ!

 だってこの瞬間すべての要素が希望に転じましたからね!ヒロアカ社会の明るい未来を示唆する画として惜しみなく強調して大正解。

 

No.431 More

>”個性”カウンセリング

 無茶苦茶なギャグながら奔放な小学生たちの相手をちゃんとしてるルミリオンを見てると、間瀬垣小の子供たちに手こずりまくってたダボハゼ組は本当になんとか合格できたんだなあ…とwいや現在プロのルミリオンと学生だった当時のかっちゃんたちを比較するのは違いますけど。

 

 今回「友だちがいなかったんだな」と言って転弧の地雷踏んだルミリオンが引っ込み思案な子の相手をちゃんとできてたのが良かったですね。

 いや大島くんはどちらかと言えば転弧というより小学生時代の天喰先輩寄りかもしれないし、そもそもルミリオンはその時点で馴染めてなかった先輩と友達になれる人間でしたが、あの失言はやはり戦闘中だったからで彼の本質ではないよなと。それが改めて証明されたような寄り添い方だった。

 

>デクと〝フラれた〟爆豪

 ダイナマさんの愛車、ラディカルグッドスピードみたいな小学生センス全開なデザインの可能性も0.895%くらいありましたが、普通にカッコいい車でしたね。

 こうしてハンドル握ってると普通に仕事のできる大人って感じだ…悔しいけど様になってる。才能マンだしこう見えて運転も丁寧でカンペキなんでしょう。

 

 さてこの車内パートではそんなかっちゃんがデクを事務所に誘って断られるやり取りが描かれました。Vol.40発売記念で東京新聞に掲載されたアレです。

 ぶっちゃけこの共同事務所√は一つのifとして空想するくらいが一番だと感じてたので、今回作中で話題に上がったこと自体が驚きでしたね。

 …というかむしろ逆で、例の広告がファンの間で話題になったからこそ、爆豪と共同事務所やるデクは本編ではあり得ませんよと釘を刺すために今回わざわざこのやり取りを描いたのかも。まあ真実は堀越先生のみぞ知る、ですが。

 

 対するデクの返答はNo。この勧誘から断るまでの流れは幼馴染がそれぞれ、特にかっちゃんが幼少期の思い出に区切りをつけるための描写だったと思ってます。といっても悲観すべきものじゃなく、むしろ前向きな意味。

 デクは教師という立場で次世代を育てるという新たな目標を見つけ、かっちゃんは子供の頃にごっこ遊びでしたバクゴーヒーロージムショという理想に折り合いをつけて終わらせる。

 そういう意味で必要なやり取りだったなと。子供の頃の理想をいつまでも捨てられずズルズル引き摺るよりはここできっぱりケリをつけられる方がずっといい。

 かっちゃんの方も「ふ─────────ん」という反応からして切島くんが口挟まなかったら多分事務所の件切り出さなかったですよね?教師は辞めないって言葉が聞けた時点で答えはわかり切ってますから。

 そして何よりAFO戦で「出久 もうおめーの邪魔はしねえ」と誓った以上、ここでしつこく誘ったらデクの教師という夢の〝邪魔〟をして誓いを破ることになってしまいますからね。

 そんな有言不実行なことはしないだろうと。今の爆豪勝己は自分独りの理想よりも出久の選択を優先できる。

 

 あとまあぶっちゃけ、我らが主人公他人のサイドキックってシンプルにイヤ!いや口田くんとか青山くんとかクラスメイトのSKやってる子を見下すわけじゃないですけど、他でもない主人公がその立場に甘んじるのは違うでしょ…!

 ぶっちゃけ教師辞めるとしてもかっちゃん(というか同級生)のSKだけはないと元々思ってましたわ。

 

 あと地味に切島くんの「フラれちまったなバクゴー!!」がすげ~良い仕事してくれましたね~…!

 例えばここで助手席に座ってたのがオールマイトだったら「(断られちゃったね、爆豪少年…)」みたいな感じで無言で切ない笑顔向けるくらいに留めてくれたと思うんですよ。でもそれだと読者的にはちょっとしんみりしたテンションになってしまう。

 けど切島くんがここで嫌みのない感じでフラれたと言ってくれたおかげで、軽くて明るいノリに回帰した上で読者にかっちゃんの勧誘の意図も示せる。そういう意味で今回幼馴染に同席させたのは切島くんで正解だったなと思います。

 

>〝なりたい自分〟以外の自分

以下最新版ヒーロービルボードチャートまとめ。

赤は元A組青は元B組黄色はビッグ3()内はデクたちが高一の年の後期からの順位の変動

ルミリオン:No.1

ショート:No.2

Mt.レディ:No.3(↑)

シンリンカムイ:No.4(↑)

ベストジーニスト:No.5(↓)

ミルコ:No.6(↓)

ネジレちゃん:No.7

ウォッシュ:No.8(→)

テンタコル:No.9

ファントムシーフ:No.10

ファットガム:No.11(↑)

烈怒頼雄斗:No.12

インゲニウム:No.13

マッドマン:No.14

大・爆・殺・神ダイナマイト:No.15

レップウ:No.16

ツクヨミ:No.17

サンイーター:No.18

クリエティ:No.19

グランド:No.20

ギャングオルカ:No.21(↓)

リザーディ:No.22

バトルフィスト:No.23

ウラビティ:No.24

リアルスティール:No.26

ピンキー:No.28

イヤホン=ジャック:No.30

テイルマン:No.32

コミックマン:No.33

フロッピー:No.34

セロファン:No.36

インビジブルガール:No.39

リューキュウ:No.40(↓)

シシクロス:No.41

デステゴロ:No.42

チャージズマ:No.44

プレゼント・マイク:No.45

グレープジュース:No.108

以下箇条書き感想。

・親父と同じNo.2という肩書きでもネガティブに感じさせない轟くんの笑顔に救われる。

・シンリンカムイより順位下で嘆いてたMt.レディが今回No.3で彼より上なのがすごい。

・そのシンリンカムイがNo.4でレディの一つ下に張りついてるのもすごい。

・両腕にさらにバカデカい重火器装着してるミルコ、強化の発想の方向性がやっぱり小学生男子。

・A組内では2番目の順位の障子くん、スピナー戦でメイン張っただけあって堀越先生のお気に入り。

・物間くんの順位が何気に先日の世界人気投票と同じ10位!

・かっちゃんの15位、この口の悪さで下がったにしてはまだ全然高い方だな…とか思ってしまったw

・両腕組んでる拳藤ちゃん、物間くんに順位で負けてちょっと悔しそうな表情してる?

・「積極的に露出する感覚わかんない」に対する葉隠ちゃんの「ね!!」、現在でもお顔物理的に露出してないこの娘が同意してると重みすごいな…w

・デステゴロさん、順位以前にその復帰が何より嬉しい…!一度自らプロ辞めちゃったしまた一から資格取り直したのかな。

・身長108cm誕生日10/8の峰田、ついに順位まで煩悩の数で揃えてきたな…w

・エッジショットがいないのは(一時的にだとしても)海外に活動拠点を移してたから?

 

 A組の皆の会話の内容は敵犯罪の減少とそれによって生まれた〝暇〟へ。

 No.427ではデクのどうすれば悲しい出来事がなくなるのかという問いに「なくならんよ」と塚内さんが答えてました。

 ここ地味に表情修正されてたんですね。

 本誌版も大人として青少年に厳しさを突きつける台詞として好きだったんですが、修正後はデクの感じた無念さ残念さに寄り添う印象になっててどちらかと言えばこっちの方が好みかも。

 話を戻しまして。

 常闇くんの「なくなりはしないが減らす事はできる──…」は塚内さんのそのアンサーをさらに掘り下げた台詞ですね。そうすることで〝暇〟を生むことができる、という話を語るのがずっとヒーローに暇を求めてきたホークスの弟子である常闇くんなのは納得の人選。

 

 そして暇とは時間的猶予の話だけではなく、心の余裕のことも指すという話を語るのは轟くん。この子もまた親父や兄貴絡みの件で余裕がない印象だったのでここで語る役なのは納得です。

 いやまさか『寄生獣』を引用してくるとは思いませんでしたがw

 本格的な比較語りは寄生獣ガチ勢の方にお任せしますが、心の余裕(ヒマ)を人間の誇りとして描いてるのはヒロアカと共通してるんですよね。

 ショート……「ヒーロー」というのを本で調べたが……いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ……。

 

>デクとお茶子とトガちゃん

 冒頭、お茶子の夢のなかにいるトガちゃん──…。

 お茶子はこの現象を歴代継承者の意識が宿ったOFAと同じモノと捉えてましたが、お茶子はあくまで輸血されただけで”個性”を譲渡されたわけじゃないので、個性因子に意識が宿るOFAやAFOと同じケースには当てはまらないんですよね。

 ただ、オカルトめいててもここでOFAという似た様なケースを例に出して語らせたのは正解だと思います。いやだって嫌じゃないですか、我らがヒロインの見た夢が呪術の東堂さんみたいな〝存在しない記憶〟扱いされるの。

 なのでこれが本物のトガちゃんなのかは分からないけれど、本物のトガちゃんもきっとこうして背を押してくれるはずだよねと思える基準を満たすための例としてOFAは絶妙だったなと。

 AFOの説明で記憶の転移の例に内蔵が例として挙がってたし、なら同じ人体の構成要素として血でも同じことが起きても不思議ではない。お茶子とトガちゃんの間でならそんなステキな現象が起きてもいいと思えるラインです。

 

 デクの方も居酒屋でお茶子を改めて意識。

 ここで「(必然…か…)」と轟くんの言葉を意識してるのはデクにとって〝なりたい自分〟以外の自分、つまりヒーローや教師としての自分以外の自分に目を向けた描写だと思いますが、ここで死柄木の「せいぜい頑張れ」が挟まったのが気になりまして。

 たぶんこれ〝頑張れ〟からの連想で自分にとって特別な存在はデクの意味を変えてくれた麗日さん──…って描写だったんじゃないかと。何というか死柄木まで回ってた頑張れという言葉のバトンが一周してお茶子に帰ってきた様な感覚。

 

 解散後、お茶子を見つけて呼び止めるデク。ここでデクが思い出してた雪の日の一コマはNo.430でも描かれてたものですね。

 もしかしてこの時点で付き合ってる!?と本誌掲載当時まあまあ騒がれた記憶ありますが、ふたりの雰囲気の穏やかさからまあそれはないよなと。この頃はまだ「皆尊敬してて皆特別で好き」って段階だったのは納得です。

 

 そしてトガちゃんに背中を押されて、踏み出すお茶子──…100点。いや1290185135満点です堀越先生。

 お茶子がデクへの気持ちを「あける」のは恋バナしたトガへの裏切り、みたいな感想見るたびにンなわけないやろ…と思ってきたので、ここで後押しするのは完全なる解釈一致。

 トガちゃんは人を傷付けて「好き」に生きてきたのに人を傷付け得ないお茶子が「好き」に生きちゃダメなんてあり得るわけないし、それはトガちゃん自身も分かってるだろと。

 この娘は「うんそうだね」然り奥渡での諦観の伺える無言の笑顔然り、普段の言動の割に物分かりがいいところあるので、ここでお茶子が自分より好きに生きる権利があるのを理解してるのは全く違和感ありません。

 

 最後の「気が合うね!」はすみません、最初オールマイトが若AFOに向けて言った「気が合うね親友…」を思い出して笑っちゃったよ!

 あの梅干し、どこまでもノイズすぎる…!

 まあそんな茶々入れるシーンじゃないし、こんな男女が親睦深める際の台詞を皮肉として使えるオールマイトのセンスがキレッキレと讃えるべきか。

 

 ついでに…と言っては何ですが、他のCPにも言及しておくと黒希乃(でいいのかCP名?)がくっついたのは意外…なようでいて、”出茶より先にくっついてた同級生同士”の例としてはかなり相応しい組み合わせだと思います。

 B組の生徒同士ってことで描写された数が少ないからこそ、逆に異論挟む余地がないというか。例えばこれで同じ片想いでも泡瀬→八百万とかがくっついてたら受け入れられてなかったと思う。

 

 A組内のCPについてはまず尾葉がくっついてなかったのが意外でしたね。A組内で出茶以外でくっつくとしたらTUMで頬キス(仮)してたこのふたりだと思ってたので。

 上耳に関しては…個人的には耳郎ちゃんの言葉通り素直に男女の友情として受け取りたいかなあ。いや別に今後実はCPだったとどこかの媒体で明かされてもいいんですが、今の段階で描かれたことと正反対の捉え方をしてまでCPを主張したくはないので。

 

カバー裏

>照元光輝くん

 や、闇が深ェ…!というか”個性”の名前が闇そのもの!彼の家族はこの子に”個性”が発現して割とすぐ監禁したっぽいので”個性”届けは出してなさそうですが、この「」という名前は家族が便宜上つけたのかな。

 だって指から刃物?を出す”個性”に闇要素ないですし。恐らく光属性の家系に発現し得ない”個性”って意味を込めてつけたんじゃないかと。

 

>僕の金曜サイゼリヤ

 最終巻のカバー裏がサイゼで週末だべり尽くすとかいう嘘予告なの、前巻のカバー裏で再びここを飾ってやるとか言ってたAFO先生が滑稽すぎるでしょ…!いやカバー裏飾れないのは当然だけどまさかその代わりがこんな胡乱な内容とは思わんでしょ…!あまりに愉悦すぎる。良い気味です。

 

カバー折り返し

 後ろの方のカバー折り返しでこっち振り向いて手を振る死柄木、なんだかんだで最後の最後で一番オイシイポジション奪っていったな…晴れやかに見送ってやりたいけどやっぱりちょっと寂しくなるみたいな、そんな爽やかさと切なさが詰まった画。シニカルながら寂しがりの元少年からの別れの挨拶として相応しい画だったと思います。

 

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