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僕のヒーローアカデミア No.254 『誰よりもおまえはヒーローに』/特別読切 『出久&爆豪:ライジング』 前編 感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.254 誰よりもおまえはヒーローに」「特別読切 出久&爆豪:ライジング 前編」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【本編】

 白雲・マイク・相澤先生が3人で事務所を建てる夢を持ってたこと、白雲がインターンで死んだことはヴィジランテでも描かれた通りですね。

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 あまり語りすぎてもヴィジランテをこれから読む予定の読者の楽しみがなくなっちゃうし、ここでは軽く触れる程度の説明で問題ないでしょう。

 

 なおここで触れられなかった情報の一つに白雲&相澤先生と伴にミッドナイトもインターンを行ってた…というのがあります。

 当時彼らの先輩だったミッドナイトの紹介で2人も同じ事務所のインターンに参加する事になった訳です。

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 その際にヴィランに襲われ…ってのが白雲死亡の大体の顛末。

 

 となればミッドナイトもいずれは白雲の生存を知るんですかねー。相澤先生たちに比べれば繋がりは薄いけれど彼女も立派な関係者の一人ですし。

 白雲が殺されたとき彼女は増援要請と非難誘導をしてたから責任はないとはいえ、もし自分も戦いの場にいれば…と考えてくれていそうではある。

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 「白雲の遺体がベースになっている____」と口にされると…改めてエッグい…!ううむ、これはもう白雲=黒霧でほぼ確定と見た方がよさそうだな…。

 唯一安心できたのは白雲が自らの意志で敵堕ちした訳じゃなかったことか。個人的にこれが考えてた中で一番最悪のパターンだったんでね…。

 

 とはいえ死体を好き勝手に弄られたのも当然受け入れ難い事実です、死者への冒涜に他ならない。うーん、個人的には白雲≠黒霧であってほしかった…!

 というのも理由は2つあって、1つは前述の通りエグすぎるから、もう1つは黒霧には死柄木の純粋な理解者でいてほしかったんですよね。

 

 今まであまり意識してなかったんですけど、ぼく自分で思ってた以上に黒霧を死柄木の味方としてデカい存在と見做してたらしいんですよ。

 だから今それが造り上げられた人格と知ってかなりショック受けてる。黒霧には黒霧なりの思い入れがあって死柄木に尽くしてるものだとばっかり…。

 

 だってさあ〜〜〜黒霧のヴィランとしてのオリジンも楽しみにしてたんだぜ!?敵堕ちした理由やAFOにスカウトされた経緯、それらがそもそも存在しなかったとか虚しすぎる…。

 死柄木の保護者役を引き受けたのも何か特別な理由があると思ってたのに、それすら幻想だったってのか…。

 

 死柄木はこの真実を知ってるんですかね〜〜少なくとも今まで黒霧を脳無と意識してるような台詞はなかった…はず。

 正直今すんごく喪失感に襲われてますが、当の死柄木本人の反応を見ないことには何とも言えないです。願わくば保護者から自立したニートのような成長を感じさせてほしい。

 

 まあグラントリノによるとあくまで「____可能性が高いっつーことだ」とのことなので、白雲≠黒霧の可能性も一応まだ念頭に置いておきたいです。

 他人に白雲の"個性"を悪事に使われたってだけでも相澤先生が憤る理由にはなりますし。縋らない程度にはその可能性も意識しておきたい。

 

 AFOの「合理的な話だろ?」はわざわざ合理的って相澤先生の口癖をチョイスしてるのが厭らしいな!ブン殴りたい!!

 退場してなおラスボスとしての脅威が失われてねえ…未だにAFOの掌の上で踊らされてる感覚があります。あと他にどんな嫌がらせをしてあるのかと不安を煽られるぜ…。

 

 地下格闘の存在は八斎會編で乱波にも語られてましたが、まさかフードもそこのファイターだったとは…!

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 いやでも強さに執着する者が暴れるには確かに打ってつけの場所か。こうして生前の姿と重ねられると嫌な納得があるぞ…ならず者とはいえ勝手に脳無に変えられたとか可哀想すぎる…。

 

 そして前回一部で似てると言われてたフードと黒霧の目ですが…うん、こうして並べて見ると確かに似てる…!

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 黒霧が脳無だと明かされて初めて意識できた類似点ですが、確かにこの目の形は自信を持って似てると言えます。今思えばフードが登場した時点でこの伏線は張られてた訳か…!

 

 USJ襲撃の際、口調や性格以外で黒霧に白雲の名残りがあったとすれば…相澤先生の瞬きの隙を突いて生徒たちの方へ移動してたことかな。

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 あれは瞬きのタイミングを知ってたからこそできた動き…と捉えられなくもない。つまり無意識に白雲だった頃の記憶を活かしたんじゃないかと。

 

 白雲の家族より先に相澤先生たちは呼ばれたとのこと。生前の親しさに加えて彼らがプロヒーローであることを考えれば妥当な順番か。

 そして「こんな気持ち悪い話を親御さんに伝えてたまるか」と意を決すれば真っ当にカッコいい…!確かにここは最初に呼ばれた者として責任感じるよな…。

 

 もしこの面会で何の収穫も得られなかった場合、ご遺族だけでなくミッドナイトなどの他の関係者も呼ばれるんですかね?

 といっても相澤先生たちの言葉で効果なければ他の人も正直ダメそうだけど…。でも今は2人のこの辛さを他の誰かに理解してほしいって気持ちもあるんだよな。

 

 ウルアナによると黒霧は「肉体を霧に変えてワープゲートを発生」させる、そして相澤先生の抹消は異形型には効果なし…ふーむ、これはどう捉えるべきだろう。

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 考えられるのは元はON/OFFの切り替えが可能だった"個性"をAFOによって無理やり異形型に改造させられた、って可能性だけど…。

 

 マイクの反応からして白雲の"個性"には抹消は効果あったっぽいんですよね。

 白雲≠黒霧の根拠があるとすればこの違いですが、白雲=黒霧を前提にするならやはりAFOの改造以外に可能性が考えられない。

 つまり今霧になってる部分は黒霧本人にも元の肉体にはもう戻せないんじゃないかと。

 

 相澤先生が見過ごした捨て猫を白雲が拾ったエピソードもヴィジランテで描かれたものです。

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 そして死柄木の世話に使命感を燃やす黒霧の姿に相澤先生は白雲の面影を感じた様子。…えーと待て待て、一旦落ち着こう。白雲は子猫を拾った。黒霧は死柄木の世話をしてた。つまり、つまりだよ?

 

 黒霧は捨て猫を育てる感覚で死柄木の世話してたってことかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 いやまあ強ち間違ってねえけどな!AFOが橋の下から拾ってきた捨て猫ならぬ捨てヴィランだし!!まさかあの猫がこんな形で死柄木と重ねられるなんて誰が予想できたよ!

 

 しかしこうして死柄木にしか関心を向けてないと確かに予め設定されたプログラムのような無機質さがあるな…。

 前回までは正直半信半疑だったんですが今回で漸くその実感が湧いてきた。最初は白雲と黒霧の共通点に笑っちゃったけどいやこれ笑い事じゃないな!?それは最初からそうだよ!

 

 白雲とお揃いのゴーグルもヴィジランテで以下略。

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 目を保護する部分は例のヴィランとの戦闘で破損してしまいましたが、そこさえ修理すればまた使えた筈なので今着用してるゴーグルも同じものと考えていいでしょう。

 レンズ状から換えたとはいえそれで白雲との絆が失われたとは言えない。

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 連載6年目にして明かされる衝撃の真実!イレ先はクラス丸ごと除籍した前年度の1年生をその後復籍させていた!!まままマジで!?!!?

 …ってのが率直な感想ですが、確かにもういない存在として扱われたことは今まで一度もなかった…!とすると安易に後付けとは決めつけられない訳か。

 

 まあ復籍について今まで誰も言及しなかったのはちと不自然と感じなくもないですが!でもこれはいわゆる叙述トリックってやつでしょう、個人的には余裕でアリ。

 何より相澤先生が今の1-Aを贔屓してると誤解され続ける方が嫌でしたからねー。期待通りそれは違うと判ったのは嬉しかった。

 

 一度除籍された2-Aの生徒たちの反応がまちまちであれば無理なageとも感じません。

 感謝してる子もいれば「イカレイザーヘッド」とか悪口吐く子もいて当然でしょう、生徒の未来を奪いかねない選択をしたのだから。

 あと方言で喋ってる娘可愛い、ドコ住み?てかLINEやってる??

 

 あと1年前彼らの担任だった相澤先生が今デクたちの担任をしてるってことは、雄英では1年ごとに担任が代わるのね…。

 つまりデクたちが2年生になった時にも別の先生が担任になってる可能性が高いと。できれば相澤先生にはこのまま担任でいてほしいんだけど…さて3ヶ月後どうなるか。

 

 「自己犠牲と命を捨てる事は同義じゃない 履き違えた若者に」「望み通り一度"死"を与えます」はああうん、白雲の死を経験した相澤先生が言うと重みが違うっすね…。

 そこで本当に未来が潰えてしまう本物の死に比べれば、復籍のチャンスがある分除籍の方がまだマシな処分と思えてくる。

 

 いやあこれは除籍とは名ばかりの恩情措置だよなあ…。もちろん除籍されてそのまま雄英を去った生徒もいるかもしれません。

 けれど相澤先生ができる限り生徒の可能性を諦めないでいてくれたのもまた事実でしょう。自分の生徒なら復籍できると信じてるからこその判断だと理解できたんだ。

 

 まあそれでもクラス全員除籍するのは尋常じゃねえけどな!一体何があったんだ…いや2-A全員が一斉に何かやらかした訳じゃなく、それぞれ別の問題で一人一人除籍されただけかもしれないけど。

 この辺はまだ全貌が見えないな〜そのうち彼らとのエピソードも語られたりするんだろうか。

 

 ちなみに今まで死に設定だと思われてた相澤先生の通算除籍回数154回ですが、これも復籍の設定があれば一応説明はつきます。

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 というのもヒーロー科において教師1人が受け持つ生徒20人という人数と、相澤先生が雄英に赴任してたと思われる期間じゃ今まで計算が合わなかったんですよね。

 

 相澤先生が教師になったのはミッドナイトに誘われたからです。

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 そしてそれが描かれたヴィジランテではオールマイトとナイトアイが解散済みだから、デクたちの入学より遠くて6年前の出来事。

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 つまり翌年から赴任し、1クラス全員を毎年除籍し続けても20×5で100人しか除籍できない訳です。

 

 相澤先生の赴任期間では1人1回の除籍じゃ154回には満たない…と今まで考えられてた訳ですが、復籍という制度があるなら話は別です。

 同じ生徒を複数回除籍すれば154回も夢じゃない!やったぜ。…まあ完全に辻褄合わせのためだけに考えたので、お察しの通りかなり苦しい理屈です。ハイ。

 

 そして例のゴーグルを黒霧に見せて涙を流す相澤先生…!先生らしくない芝居がかったパフォーマンスですが、その言葉は確かに彼の本心でしょう。

 常に冷静に努めようとする彼だからこそ、演技という建前がなければこうしてストレートに本音をぶつけることもできない…と考えると切ない。

 

 涙も建前上は感動の再会を演出するために流したパフォーマンスの一部でしょう。抹消の発動しすぎで目が乾いて流れたのだと言い訳は成り立つ。

 けれど一方で白雲の生存に本心から涙を流す気持ちがあったのもやはり想像に難くないのです。この辺を想像させる描き方がとても上手い…!

 

 除籍という仮の死を与えた後復籍という形で蘇らせる…ってのが相澤先生のやり方でしたが、彼としては今それを10年越しに果たしてるような感覚なんじゃないかな。

 除籍ではなく脳無化、復籍ではなく自我の復活という違いはありますが、仮の死からの蘇生という点では一致してるよなーと。

 

 ただこれ、死柄木視点で見るとやっぱり寂しくはあるな〜!!もちろん白雲=黒霧であればその体は白雲のものとして尊重されるべきです。

 でも最近ヴィジランテで掘り下げられた白雲より、本編に初期からいた黒霧の方が思い入れは正直深いんだよな…。だからちょっと複雑というか。

 

 死柄木からすれば知らない間に黒霧をイレイザーに奪われてたようなもんだからね!頭では白雲に戻るべきと解ってるものの、まだ黒霧という存在が失われることに惜しさを感じてしまう。

 だからこそ当の死柄木がこの事実をどう受け止めるかが見たいんだけど、今あいつ冬眠中だからな…。

 

【出久&爆豪:ライジング】

 読んで最初に出てきた感想は懐かしい、というものでした。この読切を通して5年前に初めてNo.1を読んだ時の感覚を呼び覚まされたというか。

 この感覚には切島くんの回想や転弧オリジンでも陥りましたが、No.1と似たシチュだけあって今回がやはり一番懐古させられたなー。

 

 中坊かっちゃんは約束されたクソ〜!…の筈なのに、デクの持ってた雑誌を爆破してないと物足りない僕はどうかしてるぜ!

 まあ後々脅威となる例のノートと違って別に爆破する必要がないのと、オールマイトが特集された雑誌を塵にするのはやはり彼でも気が引けたんだろう。

 

 ヴィランをかっちゃんが追いかけたのはもはや期待通りでしたが、実際は1年後ヒーローではなく被害者として晒されると知ってると邪悪な笑みが溢れてくるな!

 つーか雄英の推薦ってそういう評判で選ばれるものなのか…安易に"個性"を使う学生は寧ろ除外の対象なんじゃね?

 

 今回地味に安心できたのは取り巻きの子たちの反応ですね。デクを馬鹿にしつつもかっちゃんの行動にドン引いてくれてると共感を寄せられる。

 No.1でも大体そんな感じの役割でしたが今回も変わらなくて安心しました。モブの扱いも含めてNo.1と同じ雰囲気が演出されてる。

 

 田等院商店街にヴィランが出没、天候が大きく変化とNo.1を意識したシチュなのは火を見るより明らかですが、だからこそどういう結末になるか読めない…。

 少なくともかっちゃんが企み通り単独で捕まえる…ってのは幼馴染2人をテーマにした読切として意義がないよなあ。

 

 でもこの頃のかっちゃんがデクの助言を素直に聞くとは思えないし…というかまず幼馴染がこのヴィランを捕まえるENDになるとは思えない。

 最後は現場に駆けつけたプロヒーローがフツーに仕事を果たして終わるんじゃね?その過程で幼馴染も何か貢献する形になるのかなー。

 

 ヴィランの"個性"は雲状の物質とくればやはり思い浮かぶのは白雲ですが…こちらは多分ミスリードじゃないかなあ。

 そこまで本編の内容とリンクさせちゃうとあくまで劇場版の宣伝って趣旨から外れてしまうし。まだ劇場版の内容に関係してる敵って可能性の方が高いと思う。

 

 しっかしズッコケたかっちゃんに「大丈______…」と声かけようとしたデクはほんっとブレねえな!マジで油断も隙もない…!

 デクのこの最大のヒーローポイントをちゃんと抑えてくれたのがこの前編で最も称賛できる点です!かっちゃんが気づいてなかったのが悔やまれる…!

 

 

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