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僕のヒーローアカデミア No.255 『ヒーロー志望』/特別読切 『出久&爆豪:ライジング』 後編 感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.255 ヒーロー志望」「特別読切 出久&爆豪:ライジング 後編」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【本編】

 うわわ、黒霧めっちゃ荒ぶっとる!これは思ってた以上に効果あったな…。

 ここで黒霧が脳無であることをさらに痛感させられました、想定外の事態にバグ起こす様子がまさにプログラムされた人格っぽい。

 例のお揃いのゴーグルもバグを発生させた要因として納得しかないキーアイテムです。

 

 霧の形が白雲のシルエットに変わったのは正直最初はピンとこなかったんですけど、その霧の奥に右目を確認したらあぁ確かにこの形はほぼ白雲のものだと確信できました。

 ただ得たかった情報を得られて嬉しい一方で、見てはいけないものを見てしまったような罪悪感があったのも確かだ…。

 

 相澤先生の抹消は黒霧には効果なかったので、この現象はやはり動揺による"個性"因子の結合の解除と見るべきでしょうか。

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 黒霧の霧が異形型と同じ扱いであるなら、それが晴れかかったのは雲(クラウド)を含めた複数の"個性"同士の結合が外されかけたから…って考えるのが自然かなと。

 

 「しし あ」「ショシ」はもしかして「ショータ」って言おうとした?だとしたら白雲としての自我もまだ残ってるのか…!

 一応他の候補を挙げるなら「白雲」「死柄木」「志村」辺りですかね。でも二言目がカタカナで表記されてたからやっぱり相澤先生を昔のように呼ぼうとしたっぽいな。

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 でもこれで安心するのはまだ早いっすねー。本当に白雲としての自我を完全に取り戻せるのか、身体は全て無事な状態で元の生活に戻れるのか…そんな不安はまだ残ってる。

 一度死を迎えた人物だけあって、何の後遺症も残らずそれが覆ると確信するには今回の進展だけじゃまだ足りないんだ。

 

 もしこの霧が完全に晴れた場合、そこには白雲の顔はちゃんと残ってるんですかね?目や口といったパーツだけそのままで、頭部は実は脳みそ剥き出しとかいかにもありそうで怖いんだけど…!

 まだ憶測の域を出ませんが、嫌がらせ大好きなAFOならそんな最後の罠を仕込んでてもおかしくない。

 

 「誰かがミスっても 残りの2人がカバーしてくれるし」って台詞はヴィジランテの方にはありませんでしたが、似たような独白を先生がしてたので想像で補える範囲内でしょう。

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 そして今がまさにその刻という訳か…!皮肉なシチュではあるけど確かに今それを2人に果たしてほしくなったよ。

 

 黒霧の口から「」「」と聞こえると思い出すのはやはり氏子ですね。ヤツはデクを無個性と診断した医師と同一人物でほぼ確定なので、病院というワードと関連がある。

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 そして死柄木は今あいつの元で改造中…とくれば、この台詞は死柄木の居所を答えてると考えていいでしょう。

 

 「…渇いてしょうがねェよ…」はセンスある返しだなあ、相澤先生らしい。ドライアイで本来なら流れにくい筈の涙が流れた事実が白雲への想いが溢れたことを物語ってる。

 にも関わらず事実と正反対の返答をして強がったところがとても先生らしくて、これは労ってあげたくなりますわ…。

 

 ワインの下りは小洒落た洋画でこういう言い回しありそうと思える何ともシャレオツな例えですね、アメコミリスペクトな本作らしい。

 憎たらしいのは相変わらずですが例えとしてはなかなか上手いなと感心させられたのも事実です。非人道的なのにどこか上品さすら感じられる台詞だ。

 

 その後得られた情報が早速公安に伝えられましたが、ホークスの密偵は極秘事項だから塚内さんたちは恐らく一方的に情報を伝える立場なんだろう。

 解放戦線の存在も多分知らないはず。それでも律儀に報告してるのはそれが役目だから…と考えるとホントこの成果に応えなきゃアカンぞ公安。

 

 ホークスに伝えられた「若雲病院」は盗聴を意識した暗号用のワードでしょうか、「」の部分は白雲の要素が入ってるように聞こえなくもないけど。

 「(ピースが揃った!)」とほくそ笑むホークスは文句なしにカッコいいっすね!映画を観たばかりだからもう早速CV.中村悠一で再生されてる。

 

 ホークスの授業受けてるトゥワイスはすげえ微笑ましいな!今回唯一の癒し要素がヴィランサイドとか何なんすかもう!

 スパイ活動の一貫だから優しいって感想はちょっとおかしいですけど、少なくともトゥワイスの目にはそう映ったと思うとすげえ和む。ホークスの真面目さが伺えるよね…。

 

 この和やかな光景が偽りだと意識するとやっぱり辛いな〜!もちろんホークスには無事に潜入活動を終えてほしいんですけど、一方でこうして仲間意識を寄せるトゥワイスを見てるとなんか心苦しい…!

 ヴィランではあるけど彼がホークスに裏切られる瞬間が訪れるのを拒みたくもあるんだ。

 

 改造される死柄木はめっちゃハイになってて悍ましい筈なのに笑っちまうんですが!何だろう、ギャグ漫画とかでありがちなデフォルメされた発明・改造のノリを、エグい絵面のままやってるイメージ。

 HAHAHAって笑い声がまさにそれですねー。ドン引きながらもこの陽気さにじわってしまうw

 

 同じく興奮しまくってる氏子はもうそのまま堀越先生の今のテンションなんじゃねえかなあw

 堀越先生、ぜっっっっっってえこれノリノリで描いてるでしょ、今まで数々の狂気を見せられてきた読者として確信できる。きっと死柄木を弄る氏子と同じテンションで死柄木を描いてるに違いない。

 

 「(ピースが揃った!)」→「スターピース!!」はやはり意図的に重ねられた単語なのかな。ヒーロー/ヴィランサイドともに必要な欠片が揃いつつあると。

 死柄木が究極生命体と化すのは4ヶ月後とのことでしたが、氏子の「想定以上」って台詞からするともっと早く完了する可能性もある…?

 

 死柄木がいると思われる場所が病院という情報がホークスに伝わったので、次の章ではプロヒーローによるカチコミが行われるんでしょうか。

 だとしたら気になるのは雄英生たちも参加するのかだけど…現在絶賛学徒動員中だし、何人かインターン生として参戦するのはあり得るかな。

 

【出久&爆豪】

 映画を観た時点でもしやとその可能性は意識してましたが、やはり前編のあの気象変動はナインによるものだったか…!

 とするとこの読切が前後編だったのは前編→映画→後編の順で観る人だけがこの答えを察せるようにするためだったのね。はぇ〜すっごい構成…!

 

 一方で例の雲ヴィランは雲ではなく砂だったと割とシンプルなアンサー。

 白雲を彷彿とさせておいて実は全く無関係のヴィランだったのは想定内でしたが、砂って発想はなかったですね。

 雲だと誤認識されたのは風で舞う砂がそれっぽかったから…ってことなんだろうか。

 

 そして今回の肝は何と言っても幼馴染の対比ですね!

 ホークス的見地に基づくと"個性"で「飛ん」でヴィランを探したかっちゃんと、彼よりも「速く」敵の正体に気づいたデク…そんな対比が伺える。

 "個性"の有無に拠る部分と拠らない部分、それぞれでキレイに差が表れてた。

 

 自分より速く敵の"個性"に気づいてたデクに悔しがるかっちゃんは体力テスト後と同じ構図です、安定のクソ煮込み。

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 屋上と地面という高低差が"個性"の有無による上下関係を象徴する一方で、実はデクの方が先を往ってた…って魅せ方が完璧でした。あきやま先生しゅごい…!

 

 デクが敵を探した理由が「カツキのこと心配して」だったのも良かったです。同級生の推測だけど恐らく間違ってない。

 かっちゃんがこれ知ったら更にぐぬぬってただろうなー!自分は競争と意識したのにデクにはハナからそんなつもりなかったとか最大の屈辱ポイントだろう。

 

 劇場版を観た後だとこの頃の2人が懐かしいとすら思えるなあ…。OFAという空に跳ぶ為の術を得たデクと、地面を這いずり回ることの大切さを知ったかっちゃん。

 その終着点の一つがあの映画のクライマックスだったのだと今になって思います。今思い出しても泣きそうになる。

 

 バスターヒーロー・エアジェットさんは記念すべきNo.1のカラーにいたヒーローの1人です。

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 体育祭の騎馬戦前にデクと発目ちゃんが彼の話題で盛り上がってた。

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 デクがここで話そうとしてたのは今回のエピソードだったのか…つまり割と初期の段階でこの読切の構想はあったと。

 

 推薦目当てのかっちゃんが敵を倒すのは流石にマズイと感じてたので、エアジェットさんの到着は有難かったです。

 でも「目の前の敵をバスターせずにはいられない…分かる!分かるよ君!!」と共感してたのはどうなんだw 爽やかに言ってたけどそれが逆に怖さを増してたぞ…。

 

 そして最後はナインとその仲間が登場して映画との繋がりを意識させて〆。

 ナインの"個性"は重要な要素ではあるもののそれだけで核心を察せる情報ではないので、未視聴の読者にここで明かしても問題はないでしょう。

 寧ろ興味を唆らせるヒキとして充分な出来だったと思う。

 

 あきやま先生のスピンオフは毎度完成度高いのに私アカが何本か単行本に収録されただけなので、早いところ全部まとめてほしいです。

 TUMの1巻が発売された際にこの読切も収録してくれないだろうか。先週と今週の本誌を捨てる気はないけど一冊にまとめたものが欲しいんだ。

 

 

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