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高校生家族 番外編 『三年の日々』『二人の部屋』『同窓会の夜』感想

※この記事は「高校生家族 番外編 三年の日々」「二人の部屋」「同窓会の夜」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【CONTENTS】

 

『三年の日々』

冒頭の緊急家族会議の時点で大爆笑!そーいや今までやってそうでやってなかったな塾ネタ!光太郎くんの「俺をふた月通わせてよ!!」が正当な主張すぎて笑ったよ!!良い顔で涙流しながら思い出のゴルフクラブ手放そうとしてんじゃないよ!完全に親子で言うべきセリフが逆転しとる…!

まあ一高校生としてはそりゃあ塾に関心示すよなあというか、生真面目な一郎らしい心理だとは思うんですけど、そこはさすがに未来ある光太郎くんに譲るべきだよなあとw

しかし皆して澄んだ瞳で勉強したい勉強大好きって言ってるとちょっと拒みがたい訳ですよ。まあ最終的に塾の先生に帰らされてたのは残当ですけど。でも一郎たちなりに真剣に通おうとしてたのは伝わってきたし、先生も一度は「しっかりついて来てくださいっっ!!!」と気合十分で受け入れる気満々だったのは安定の懐広い世界だなと。あとこのコマのはーしょうがねーなって感じの表情も好き。家族のするドタバタにもう慣れきった感ある。

 

回想で一郎がサーブ打つ瞬間背中から羽生やしたのは過去最高級のインパクトだな!何コレ似合わねえなメルヘン野郎ってツッコミ待ちなの!?元々ハイキュー!!リスペクトの強い作品ではありましたけど、40半ばのおっさんからいきなり天使めいた羽生えるのは綺麗な演出なのか判断に迷うよ!直前の「えっでも年齢制限…」「今そんなこたぁ…どうでもいいだろう…!!」も熱気で異常さをゴリ押そうとする圧が強すぎた…!よくねーよバカ!!

いやしかし、腰痛めて出れなかったはずの一郎が大会で活躍できたのは素直に嬉しかったですね。ハイキュー!!の山口もそうでしたけど、スタメンにスペックで及ばなくてもワンチャンインパクト残せるのがピンチサーバーというポジションなんだなって。その結果目出高の知名度が高まってバレー部への入部希望者が増えたの、ちゃんと部に貢献できてんじゃん…!こういう形で部に影響残せたのは立派に誇っていい功績ですよ。

 

静香さんは連載中も野球部パートにおいてヒロイン力右肩上がりでしたが、今回はマジのガチで最高潮まで達したなあ。だって逆転サヨナラ打つ直前ののぶかつと静香さん、完全にヒーローとヒロインの瞳してるじゃあないですか…!「母さん」という三文字の異物感が強すぎるけど画としては完全に青春スポ根漫画のそれですよ。仲間先生、ギャグ漫画家だけどその作風を崩さない範囲でこういう一目で惹き込む絵も描けるんだよなあ…と改めて実感した。

まあその後静香さんの手引っ張る中尾くんを見て「はぁ…?」とかつぶやいてたのは安定の気持ち悪さでしたがwここももし真面目な野球漫画だったらCP論争過激化しそうなポイントだよなあ。だって「いくぞ!」って言われてるコマの静香さんこっちはこっちで可愛いもん!いや一静が大正義なのは分かってますが!!人妻とは思えないあどけなさ。中尾くんは中尾くんで弟が意識取り戻して彼の物語に一区切りついてよかったよ…。

 

ゴメスにも恋のお相手が登場。この漫画恋しなくていいところで恋する話多いな!自分を取り合うオスを見て楽しむメスとかやけに生々しいんですが!!そんな相手と最後窓越しに見つめ合ってるのちょっと祝福すべきか迷いましたよ!いやゴメスがそれでいいならいいけどさあ!!

 

光太郎くんが大学受験落ちたのは案外リアルというか…ギャグ漫画の割にこういうところ結構シビアなんだよなこの漫画。そりゃ並の成績から難関大一年で受かれるようになったらファンタジーではありますが。でも本人がそんな気落ちしてないからこちらも悲壮感抱かずに受け止められたのは安心しましたね。この辺腫れ物扱いせずにフラットに描くのはこの漫画らしい優しさ。

そして春香ちゃんは当然のように中学進学かあ…なんかこの辺、ナチュラルにイカれてるのに全然飲み込めるのが感覚マヒしてる感ありますね。本来そこは大学じゃねーのかよ!っっていうか。いや常識的に考えれば大学行くのもおかしいんですけど。でも光太郎くんが浪人してるのに妹だけ大学行ってたら居た堪れないし中学の方がいっか。

 

わかげの制服着た一郎似合いすぎィ!普通にダンディなおっさんって感じでカッコいいですよ!!進路として全然予想してなかったのにすげえ様になってる…!文化祭でもバリスタやってたしめちゃくちゃしっくり着ますね。在校中の経験が進路選びに活かされてるの、こんなところでちゃんとした高校生らしさお出しされるとは思わなかった。

そして青山──────!!青山ァ────────!!!!普通にわかげ通ってやがる!いや元から通ってもおかしくない関係性でしたけど、コイツ常に一郎のストーカーしてた印象が強すぎるんで、真正面からなんか良い感じでコミュニケーションしてると逆に違和感強いんですよ!!ていうかあれっ、もう会社に連れ戻すのやめたの!?あの強烈なストーカームーブが見れないと正直寂しいんですが…!いやもう退いたみたいな顔しておいと実はまだ内心狙ってるとかかもしれねえ…!コイツの場合そのくらいのこと企んでてもおかしくないからな。

 

二人の部屋

こいつら交尾したんだ!!いや直接描写はありませんでしたけど!𝓴𝓲𝓼𝓼…だけだったかもしれませんけど!!でもこの流れでしてないことある!?その後のお別れのシーンが二人ともそんなに照れを感じずいつも通りなのが逆に怪しいというか…!何というか想像したい人だけ想像していいよみたいな描かれ方でしたよね、この漫画でそんなガチの質感の事後描写されても困りますし。実際はキスだけで終わったと言われてもまあ納得できなくはないくらいの描かれ方。

弓木さんの「一生懸命がんばったせいで」「それ自体嫌いになっちゃうことってあるから…」は重いし至言だなあ…何事でもそうですけど、今それを好きでいられるのって当たり前じゃないんだなって。こういうハッと気付けるセリフがさらっと出てくるのもこの漫画の美点の一つ。そりゃあ光太郎くんも急に愛くるしくなる訳ですよ!地味に抱きしめられてそれ言われた弓木さんの「そ…そっか どうも」がツボです、割とガチな恋愛パートに入ってもこういう脱力感を失わないのが本作らしさというか。

あと大会で負けた光太郎くん気遣って自分の部の予選突破言わなかったのもやっぱ良い子すぎるな弓木さん…。

 

同窓会の夜

春香vs桐生、決着しとる!「負けました」つってる桐生名人のただのお爺ちゃんになった感すげえな!!恥ずかしながら将棋に詳しくないので165手ってどれほどの超速決着だったのかggったら、通常は100手前後で決着すると出てきまして、言われてるほど短かった訳ではないのか…いや天才同士の対局なのでもっと長引くって予想した人が大半だったのかもしれませんが。

このとき二人が食ったパンケーキはすんげえ宣伝になったんじゃねえかな!世代交代の瞬間に食われてたパンケーキとか絶対宣伝効果すごいでしょ!!

国内制覇したから次海外行くわってのは競技ものの王道展開!とテンション上がるも、将棋はそも国内限定の競技ってのはそれはそう。一瞬こっちまでうおおお海外編!ってなっちゃったよ!!けども春香ちゃんならチェスでも天下取れそうではあるよね。何ならもう取ってると言われても信じられるまである。どちらにしろ自分より強いAI棋士作ろうとしてるのが向上心尽きてなくてすごい。

 

西くんはマルチにPC関連の仕事(アマゾネスはどうしたの?)、ハドソンは漫画の翻訳家とらしいなあ…と感じてたところに垢抜けた屋敷さんはビビるわあ!いやでもこうして変わった姿にどこか面影感じて浸れるの、同窓会あるあるだよなあ。お母さんとの関係がどうなったのかは不明ですが、過去の失恋から吹っ切れた様子なのは素直に喜ばしいですよ。

…と感じてたのに光太郎くんにダル絡みし始めたところでまた怪しくなりましたがw

彼女にとって目出高は母親絡みで色々あった複雑な場所なので、最後ゲロ吐いちゃったのはまあ仕方ないよな…いや仕方なくねーよバカ!母校汚すな!!

 

そしてのぶかつ…のぶかつ!おまえ一生静香さん𝓛𝓞𝓥𝓔…じゃなかったの!?いやアラサーになっても元同級生に性的な感情向けられても困りますが!!でもコイツが他の女性愛するイメージなかったから衝撃だったよ!たった二コマなのにすげえ存在感!!「な…なんで静香さんに!?」が本当にその通りすぎて感激していいのか反応に迷いますよ!

いや、正直言うとこの変化に謎の感動があったのは事実なんだ。でも相手の女性は静香さんとどういう関係なのかすっげえ困惑したんじぇねえかな…w

 

息子の結婚宣言と同時に現れた一郎は相変わらずの存在感!だいぶ老けてるけどこの間の悪さと変わらぬ元気さに安心感覚えましたよ!!あ、僕らの知る一郎のまんまだ…って。いや光太郎くんからしたら本当たまったもんじゃねえけど!恐らくのぶかつに実の親への結婚報告に先越された上にコレってひどくね!?

今回洲崎くんの出番少なかったけどすざいち成分も一定以上摂取できたな~。洲崎くん入ってきて早速の「よっ!」でかつてのバディ感に懐かしくなれた訳ですよ。洲崎くんの方はなかなか一郎を見られないけど、一郎の方は試合の中継とか必ずチェックしてんだろうな~…とか、そういう方向に想像膨らむ。

 

ラストの二ページは一気にしんみりきちゃいましたね~…!直前の居酒屋パートではずっとゲラゲラ笑ってたのに。あのときと変わらぬ校舎なのに今はもう自分たちの居場所じゃない、その決定的な違いに寂しくなれた訳ですよ。僕も地元の小中学校の側を通るたびにそうなるからすっげえ気持ちわかる。

だからこそ一郎の「目出高は…」「今の高校生達の場所だ」が響いたんですよね~…!当たり前だけど確かに頷ける一言。OBOGでも別に学校来ちゃダメとか言わないですけど、あくまで現役生のための場所なのを忘れて主役気取りのおっさんおばさんとか居た堪れないんですよ。一郎は現役生だった頃から光太郎くん及びその周りを混乱させてましたけど、こういうところはやっぱりちゃんと弁えてる。改めてそれを実感できるセリフでした。一人の学生だった人間として心に刻みつけたい。

…ていうか、それ以前に深夜の学校忍び込むのは普通に不法侵入だからね…w通報されたら洒落にならんからしちゃダメよ。

 

 

…というわけで高校生家族でした。

二巻から単行本買ってたファンとしては本当に感無量というか、限られたページ数でよくここまで見たかったイベント詰め込んでくれたなあと。この番外編75ページの密度すごい。仲間先生のサービス精神すごい。マジで感謝が尽きません。

 

…というのは前提で、やっぱこれ連載で全部見たかったな~…!これはこれでエピローグとしてこれ以上ないって形なんですけど、やっぱり連載という発表形式で過程を追いたかった気持ちはあるんですよ。バレー部パートも野球部パートも将棋パートもラブコメパートもヤンキーパートも。家谷家の高校生活を時間の経過に合わせて卒業式まで見届けたかった…!その想いだけはここに書き記させてほしい。

 

改めて仲間先生連載お疲れさまでした。またジャンプで次回作お待ちしております!もしそのとき背景にでもチラッと家谷家の誰か描いてくれたらウレシイ…!