僕のコミックアカデミア

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僕のヒーローアカデミア No.372 『NAKED』感想

※この記事は「※僕のヒーローアカデミア No.372 NAKED」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 回想、セントラル前配置を志願する障子&口田。障子くんは雄英出発前に一般女性と握手してたので、外の様子を訊いてた事実は唐突ではないですね。

 あれだけ大勢の暴徒が同じ方へ向かえば避難民たちにもゴールは推測できたはず。障子くんたちが予め情報を得てた事に違和感はないです。

 

 そしてわざわざ自ら異形部隊との戦いを申し出たってことは、以前オールマイトが敵勢力の名前挙げてた時の「……恐らくそれだけじゃない…」はやはりスピナーのことだったんだなあ。

 このときスピナーだけ名前言われてなかったし。一方的とはいえちゃんと因縁生まれてたんじゃん…!

 

 相澤先生の言う「偽の搬送先を流した」ってのは具体的にどういう手段で…?そして案の定AFOが騙されなかったのもキナ臭い。

 やっぱセントラル側に内通者がいるんじゃないかと。ここにきて黒霧の所在特定が困難であった事実を強調するの、内通者バレの伏線なのでは…と疑ってしまう。

 

 「"個性"ってのぁ世代を経るごとに強くなる」はマイクも居合わせた仮免講習で肉倉先輩が語った個性終末論。

 ここでいう"個性"は単なる異能ではなく、2代目の"個性"=意志に沿った発言ですよね…?同じ異形の者たちを止めたいという強い意志こそ、今の世代の障子口田の"個性"であると。

 

 回想、口田母子のやり取り。口田くんのお母さんは期末試験の回想で登場済み、

 かつ彼だけまだ角が生えてないのはウルアナで語られました。

 しかしということはこの角、今後はもう生えっ放しなのか…w今までの彼の穏和な印象に比べて厳ついから見慣れるまで時間かかるかもしれない。

 

 お父さんのきしめんみたいな襟足、口田くんと一緒!ここだけ父親の遺伝だったのか。そしてお母さんも少なからず差別されてたとなると、

 A組の異形型の子の中で彼だけ障子くんと同じ配属を申し出たのも腑に落ちますね…障子くんの話を聞いて母親の経験に実感が生まれたんだろうと。

 

 スピナーに喰らわせた「オクトスパンション」はスプラ2の有料追加コンテンツ『オクト・エキスパンション』が元ネタですかね。

 タコと化した主人公が地上への脱出を目指す物語なので障子くんに相応しい名前と言える。このキメ所でゲームから技名取るの、実に堀越先生らしいセンスだ。

 

 BROWNのNo.2に浴びせた「ヒッチコックバーズ」は名前だけウルアナで既出でした。ただ本編で出されたのはこれが初?

 元ネタは映画監督のアルフレッド・ヒッチコックでしょう。

 彼が制作した『』という作品に大量の鳥が人間に襲いかかるシーンがあるので、そのオマージュと思われる。

 

 何を守りたいかをスピナーや暴徒たちに問う障子くん。畏れられてきた彼らの異形を「恵まれた力」と表現するところにデクに近い精神性を感じますね…。

 例え敵でも力自体にはリスペクトを忘れない姿勢が見習える。2代目の「授かったものを何の為に行使するのか」って話とも繋がります。

 

 「傷につけ込まれるな!!」と叫ぶ直前に思い出したのが青山くんなのは嬉しい描写!そう、彼こそAFOに一度傷につけ込まれてしまった最たる例なのよね…!

 けれども合宿編では仲間を救けるために「ネビルレーザー」という力を使った訳で。そんな彼を見てきたからこそ言葉に重みがある。

 

 「今度はおまえたちの子どもが標的になるぞ!!」は復讐の連鎖を危惧したセリフ。まあ子どもこさえるような奴はそもこんな暴動参加しねえだろと思わなくもないですが…。

 それはこの言葉単体で暴徒たちが止まらなかった事実が示してるかな。そんな深くツッコむところじゃないでしょう。

 

 回想、障子くんの顔を見て泣く例の溺れた少女。この娘が「複製腕」ではなく彼の顔の方を怖がってた理由がずっと謎だったんですが、

 顔自体ではなくクソ田舎民共につけられた傷の方が原因だったのね…!やっと腑に落ちた。何にせよこの娘がそれを気にしてくれてるのが数少ない救い。

 

 障子くんに対抗するように暴徒たちを扇動するスピナー。台詞に「」がついてるのは暴徒たちが最初に集った時に口にした「決起声明」の繰り返しだからか。

 しかし意識混濁してる割にこの声明だけここまではっきりと言えるの、もしかして元々BROWNのNo.2に言わされた文章だったりする?

 

 外歩いただけで殺虫剤撒かれたのはスピナーの"個性"が「ヤモリ」だからか…嫌な納得が深すぎる。何ならコレ、リアルでもありそうな虐めですよね。

 相手を虫扱いして面白半分で吹きかけるみたいな。そんな生々しい嫌悪感があるんですよ。スピナーが引きこもりになるのも無理はない。

 

 勢い増す暴徒たちに発砲し始める警官たち_____…やむを得ない対処とはいえ、絵ヅラだけ見れば暴徒たちが受けた異形型差別と同じ構図なのが辛いなあ…。

 しかも今度は同じ異形のゴリラ刑事たちが傷付ける側にいるという。まあ直接的な描写はされてないし、まだ射殺したとは限らないか。

 

 入院病棟への通路に立ち塞がってるのはセントラルの医師たち。そのうちのプクプク顔の医師は相澤先生にケガの状態を説明してた人ですね。

 異形である彼と非異形の女性医師(やけに美人)、その他大勢の医師たちが手繋いでるのが象徴的だよな…暴徒たちへの一つのアンサーになってる。

 

 患者さんの手を握り寄り添うキノコ頭の医師はエンデヴァーに応援するコメントをしてた人。

 心温まるイメージ…なんですが、僕はこの人がAFOに黒霧の所在を教えた内通者だと予想してたんだよな~…!

 こんな眩しい光景を見せられると申し訳なさがすごい。罪悪感で直視できねえ…!

 

 いやあしかしAFOが黒霧の居場所を特定した手段は結局不明な訳だし、まだセントラルに内通者がいる説自体を否定するには早いか。

 何ならマリオみたいな医師が再登場してないしこの人が内通者だったり…?

 この流れで非異形の人物が悪事に加担してたってのもそれはそれで面白いですし。

 

 研究棟への通路を進むスピナー。「俺ノ後ロニコンナニモ人ガ」とか思いながら一人で駆ける姿は空虚さが凄まじいな…。

 その解放的な姿自体はダビダンスの荼毘を彷彿とさせられるものながら、実際には後ろに誰もいないって虚しさがすごい。見事に堀越先生の画に印象を操作されてる。

 

 今回のサブタイは「NAKED」。剥き出しのという意味の単語ですが、この引きこもり時代の姿で駆けるスピナーのイメージがそれでしょうか。

 「剛躯」も「スケイルメイル」も代弁者という肩書きすらも削ぎ落とされ、剥き出しとなった誰もついてこない今の姿こそ本物の伊口秀一であると。

 

 スピナーvsプレゼントマイク。ここでそれぞれが「黒霧ィ」「」「雲ォ!!」と叫ぶ流れ、クッソ熱い…!

 まあ黒霧は死柄木かAFOの声でしか起動しないので、スピナーは自分の声よりも録音した声を聴かせるべきではあるんですが。こんな鱗塗れで暴れて大丈夫?録音した機械壊れてない?

 

 さてAFO師弟以外の声が無意味な以上、マイクの声の方が勝算はあるんですが、怖いのはAFOがスピナーに「勝機」を見出してた事なんだよな~…!

 少なくともAFOにとって益となる事がこの後起こるんじゃないかと。死柄木の身体で"個性"使えないままデクに敗けるとも思えないですし。