僕のコミックアカデミア

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僕のヒーローアカデミア No.371 『しょーじくんといっしょ。』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.371 しょーじくんといっしょ。」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 「代弁者(スピナー)、混濁した意識の中で…」ってアオリ、嫌でも意識混だっちゃん思い出すんだけど!確かにアレをより酷くした状態だけども!

 この緊迫した場面で言われるとフフってなりますよ!!堀越先生が本気出せばかっちゃんも今のスピナーのようにできるの、恐ろしすぎる…!

 

 意識混だピナーの言葉を求める暴徒たち。自己正当化してるのはクズうううううううではありますが、今回初めて暴動に参加した民衆の心理としては納得が深いですね…。

 逆にいえば元々は誰かの言葉に縋らなきゃ悪事も働けない小市民だったと。単なる物盗りなどとは違うのは理解できた。

 

 「知らネえよ」は飾らない本音で草ァ!そりゃあな!連合って元々自分たちの好きなもの以外全部壊すって集団だしな!!

 本来は意識混濁してなくとも一般暴徒とは相容れない存在なのよ。大義名分とか必要としていない。取り繕ってない分まだ今のスピナ―の方が敵として好感持てます。

 

 その知らネえよを〝流れる血こそ歴史を紡ぐ〟とか翻訳してるBROWNのNo.2、流石に無理ありすぎィ!もうお前が代弁者でいいだろ!代弁者の代弁者だろ!!

 暴徒たちの方もそれは無理あるだろ…って感じの表情なのが面白すぎる。まあここまで暴れておいて今更やめますなんてできないか。

 

 「スピナー これでまた(異形型差別解消が)30年退行する」と皮肉を言う障子くん、かかかカッケェ~…!

 彼のカッコよさって冷静かつ着実に仕事を果たす寡黙な安定感だと思ってたんで、こういう一面はギャップデカいっすね…!!そのお口と同時にシニカルさまで解禁したような風格だ。

 

 スピナーに与えられた"個性"は「剛躯」。今のマッスルな姿からしてシンプルな増強系か。

 マキアに付与された"個性"の一つの「剛筋」と名前が似てますが何か関連あるんですかね?

 単にAFOが似た系統の"個性"を集めてただけ?フィジカル底上げする"個性"はなんぼあってもいいですし。

 

 League of Legendsに反応してる回想の死柄木、何かお顔可愛くない!?今AFOに乗っ取られて悲惨なことになってるからかやけに幼く見える。

 ここだけただのゲーム好きの男の子といいますか。ソロプレイしかしたことない死柄木にとってもスピナーは稀少なゲーム仲間だったんだろうと。

 

 もうどうでもよくなったスピナーに最後に残ったのが死柄木への仲間意識という事実、めっちゃ尊いです。

 もしただの一般人の伊口秀一と志村転弧として出会ってたらどんなゲーム仲間になったのか…ってifを求めたくなるんですよ。こういう想像の余地を与えてくれる描写は良いものだ。

 

 もう一つ与えられてたのは「スケイルメイル」。scale maleの名の通り鱗状の金属の鎧を纏う"個性"か。

 「スーパーナイフナイフソード」を虚仮脅しで使ってたスピナーに相応しいですね…

 あの武器同様、身を固めてる"個性"は立派なのに彼自身は中身空っぽの代弁者なのが皮肉というか。

 

 鱗状の金属が連なって一塊となってるのが死柄木の指の増殖っぽい気もします、この無理やり身体から生やしたような姿が少し重なる。

 事実死柄木もスピナーもAFOに意志を歪められてそれぞれ今の状態に至ってるんですよね…その象徴として意図的に一致させた描写に見えなくもない。

 

 手首を何本か斬られる障子くん。彼の腕って「複製腕」の部分なら再生可能なはずですが、コレどっちだ…!?

 いや前までだったら合宿編と同じく複製可能な部分と捉えてましたけど、学生の耳郎ちゃんが耳失った今障子くんも腕の一本や二本失ってもおかしくない緊張感があるんだよな…

 

 「複製腕」は本来の腕の下に生えてる構造なので、吹き飛ばされた後のコマを見る限り無事っぽい…?

 いやそれでも右手の方は掌からの痛々しい出血が確認できますが。

 これは複製の方を盾にして本来の腕を庇った結果っぽい?まだ確信には至ってませんがそういう描写であると信じたい。

 

 障子くんを傷つけられて「ふざけるな…障子くんは…!!」と憤る口田くん、珍しい表情だな…!いつも大人しい彼がこんなに荒っぽく怒ってるのが意外性強い。

 こういう普段穏和なキャラのストレートな激情はめちゃ好みです、このギャップに少しデクみを感じたのは僕だけじゃないはず。

 

 回想、自分の過去を語る障子くん。「両親にこの腕はなかった」とのことですが、壊理ちゃんのような突然変異なのか、

 それとも両親は服装などで隠せる範囲の異形で「複製腕」はその複合なのか…もう少し詳しく知りたい。前回のクソ田舎民共の「騙された」って言い方からすると後者?

 

 峰田(と瀬呂くん)が「タコ」と「複製腕」を呼んだのは体力測定の握力測定時ですね。

 この時の「………」がどういう心情か謎だったんですが、畏れられてた"個性"を純粋なリスペクトからタコと表現された事実に戸惑ってたんか…。

 全てを知った今ではこんな一コマですら涙ぐめますよ…!

 

 しかし峰田が謝ったのは正直反応に困るな…wいや勿論嬉しくはありましたけど、それ謝るならお前もっと他に謝るべきことあんだろ!!っていう。

 僕はフェミ系の読者じゃないので当然セクハラ描写やめろとほざく気はありませんが、擦り所さんとして言及せずにいるのはまず無理だよ!

 

 まあ峰田のセクハラ云々は一旦抜きにして、障子くんが許してるならこれ以上峰田(と瀬呂くん)に反省を求めるべきじゃないでしょう。

 何ならB組のポニーちゃんなんてネガティブな意味でタコ呼びしてたしな。

 この時の「恐がられてるのは慣れている」も伏線だったと思うと無限に泣ける。

 

 さらにいえばA組にも「」だの「」だの「トリ頭」だの全方位に失礼な呼び方してたヤツおるしな!いや誰とは言わんが!誰とは言わんが!!

 よりヤベェあだ名の例出すの程々にしとけって話ですが、こういう時に例のアイツのギリギリの描写でキャッキャするのが正直嫌いじゃない…!

 

 タコっぽいからテン"タコ"ルは今までありそうでなかった発想だな!障子くんにこういう遊び心ある印象がなくて逆に思いつかなかったというか。

 タコのマーク入ったカップ使ってるのも実にあざとくて微笑める。自らタコのネガティブなイメージ払拭しようとするこの積極性は推せます。

 

 〝敵(ヴィラン)っぽいヒーローランキング〟といえば障子くんのインターン先であるギャングオルカも第3位でしたが、この事実もまた見方変わってくるなあ。

 自分と同じ強面な異形なのに人気のあるオルカを先人として参考にしたかったんじゃないかと。そんな動機もあったと推測できる。

 

 常にマスクをしてる理由も判明。怖がらせたくないからとはウルアナですでに語られましたが、今回さらにその心理掘り下げて「〝復讐者〟と思われたくない」って、

 いや思慮深すぎんかこの子…!自分の容姿が与える印象を想像し、その配慮を当然の如く行えるってちょっと徳高すぎる。

 

 さらに遡り、溺れた女の子を救けるショタ障子くん。前回の回想の濁流の前で立ってたコマはこの娘を救けに行く直前のシーンだったのね…。

 いやホント、ワンチャンダイブしようとしてんじゃね?とか安易に予想したのが申し訳なくなるレベルの立派さだな…!

 彼の心の強さを侮ってた。

 

 この時救けたのが例の顔が怖くて泣かれた女の子?

 しかし回想見る限り泣いてはいるものの怖がる様子はなく、むしろ「複製腕」に縋ってる辺り、この救出によってその印象を改めてくれたってことだろうか。

 この後怖がられたとは思いたくないですし。どちらにしろ障子くん聖人すぎる。

 

 しかし順序が逆とはいえ、自分を怖がってた相手が川に落ちて救けようとしたって、ほぼ川ポチャ事件のデクと同じ行動だな…。

 いやこの少女はかっちゃんほど罪深くはなさそうですが。やはりこの辺、異形差別も無個性差別も差別する側の心理は同じものとして描かれてるのが理解できる。

 

 梅雨ちゃんと峰田が「複製腕」の中に入ったのは注釈通り体育祭の騎馬戦。

 しかし今回は他の皆にも下に潜られてる光景、あったけぇ…めっちゃあったけぇよ……物理的にだけじゃなく心が温まる。

 障子くんめっっっっっっっっちゃ愛されてんじゃん…これが公式が最大手ってやつですか。

 

 今回のサブタイは「しょーじくんといっしょ。」。コレ、ライジング公開時に島乃姉弟とセットで描いた落書きのタイトルじゃん!

 こういう絵本読みたいと言って自分でサブタイにするの、有言実行にも程がある…!実際今回の回想、このタイトルが相応しいほどのハートフルさでしたよ!

 

回想終わってテンタコルvsスピナー。「俺たち」って複数形の主語使ってる辺り、どうやら障子くんの方は元々スピナーを同じ異形として意識してたっぽいな…。

 オールマイトがスピナ―以外の敵勢力の名前挙げた時の「恐らくそれだけじゃない…」もスピナーのことだったんでしょう。

 

 思い出される一般女性の言葉。彼女(と洸汰くん)が未成年の演説後デクに駆け寄るのを障子くんは間近で見てて、

 雄英出発前には握手も交わしてましたが、

 やはり異形が避難所断られた事実に胸を痛めてたっぽいなあ。だから異形同士励まし合ってたと。どんな交流が行われたか関心ある。

 

 スピナーの返答は「知ルか」「全部ブッ壊れロォ」。ここで死柄木を意識させる壊れろって単語が出てくるの、

 〝同じ〟になろうとする事が心を充たすのはヴィランも同じ…ってコト!?でもこんな状態で言われても喜べないっすよ!もっとゲームのプレイングとか微笑ましいの真似ろよ!

 

 「怒りの使い方を考えろ!!!」は万縄さんの「怒るのは良い~慎重にコントロールしてかねばならん」と通じる台詞だな…あるいは2代目の個性=意志発言。

 怒りも一つの意志すればその使い方も"個性"と呼べるだろうと。今異形の力を正義の為に使ってるのは文字通り彼の個としての性質。

 

 障子くんの言葉を「望み(エゴ)」呼ばわりするBROWNのNo.2。まあこの漫画、作者直々に「救うも壊すもエゴイズム」と言われてるのでその表現自体は否定しませんが、

 だったら罪のない病院の患者や医師脅かすのも立派なエゴだよなぁ!?同じエゴなら当然正しく戦ってる方支持しますよ!

 

 「生き物ボイス」による指示で鳥たちがBROWNのNo.2の背後に現れたのは視覚的インパクトデカいっすね!ライジングでナインの前に展開させた時も思ったけど実に鮮烈。

 アニマが来た!!って事実を直感的に理解させられるんですよ。これならウザったい扇動妨害できるって期待がデカい。

 

 口田くんの頭が隆起したのはすみません、最初笑ってしまいました。いやこんなクソ熱いシーンなのに申し訳ないですけど!でもこの絵ヅラはちょっと卑怯だよ!!

 えっ、そこ大きくなったりする部位なの!?っていう。真面目な話、効果としては指示できる動物の数や精度のupだろうか。

 

 「複製腕」で腕補強してる障子くんに「キモ」と淡々と暴言を吐くスピナー。この二文字に関してはもう言われたことない読者の方が少ねえだろって感じで、

 より深く心抉ってきますね…。こんな手軽に人を傷付けられる言葉を差別される側だったスピナーが口にした事実がしんどすぎる。

 

 そんな心無い言葉に「ああ」「これが俺だ」と返せる障子くん、鬼かっけええええええええ!!!!!このまま異形差別なくしていこうぜ!

 いやもうこれ以上ない最高の自己肯定じゃないっすか!!16歳にしてありのままの自分を自分と主張できる精神性、誇張抜きに本気で羨めますよ…!

 

 死柄木の指の群れに口やら目やら生えた時に「複製腕」っぽいと感想書いたんですが、

 この腕補強してる障子くんを見るとますますそう感じるなあ。

 どちらも腕が膨れたような状態なのは同じながらも、救けるために使う障子くんと蹂躙するために使うAFO、

まさに"個性"の違いが表れてる。

 

 しかし「複製腕」が巻かれたこの腕、これ自体は"個性"じゃない本来の腕でいいんですよね…?ちゃんと本来の腕残ってるよね……?

 腕同士が複雑に絡まってるせいで見分けつかないんですが、「複製腕」で「複製腕」を補強しても安定しないイメージがある。ってのはまあ希望的観測か。