※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.307 おひさ!!」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
【本編】
「"ダツゴク"」は普通に考えれば「脱獄」だろうけどわざわざ片仮名表記なのは何故だろう。あり得るのはマスキュラー、オバホ、ムーンフィッシュ…
といったタルタロスの脱獄囚のことか。より危険なヴィランだから他の刑務所の囚人と区別する為に暗号めいた呼び方してる…とか。
現れたのは仮免試験に参加した傑物高校の真堂先輩と畳ちゃん!2人ともNo.246で一コマだけ描かれて以来の登場です。
"個性"はそれぞれ触れた対象を「揺らす」のと自分の体を内部に収納する「折りたたみ」。
注釈にあるかっちゃんに握手拒否られたのが最早懐かしいレベルで久々だ。
実はこの2人、ウルアナで交際してるのが確定してまして…それ知ってると全然違って見えるな!
確かにこれは恋人同士の距離感!
それでいてウルアナ未読の人にはただの級友同士に見える自然さ…!関係性知ってる人だけが2828できるのがマジ粋すぎるサプライズっすよ!公式CP万歳!
避難勧告に従わない民間人が集ってるのは「田口」ビル。この名前は現在の堀越先生の担当編集の田口光さんが由来かな。
Vol.29のスタッフ一覧にペンを構えた姿が描かれてたのでそのはず。ヒロアカに自分の名前残せるとかマジ羨ましいな!前任の頼富さんに続いて頑張ってほしい。
グランドvs"居残り"。「俺たちゃ目が覚めたんだ」とか悟りながらデトネラットが流したであろうアイテム着けてるのが皮肉すぎんよ!
アンタらの街壊したのも多分それ作った組織の一員だから!台詞だけは聞こえがいいのが逆に滑稽さを際立たせてて…正直哀れんだ目で見てしまう。
でも彼らがヒーローに頼れないのも当然なんですよね…事実「人が集まった所にまた敵が襲来した時あんらどうにかできんのかい?」に今ここで絶対にYESとは即答できない。
そして「ウチの店襲ったクズを何人も返り討ちにしてやった」って成功経験を得てしまえばもう止められない。
ところでリーダー格のおっさんの髪型がステ様っぽいのは気のせいですかね?
もしそうだったら頑固な割に微笑ましいところあんじゃん…って笑っちゃうから正直やめてほしいんですが!
まあ英雄回帰と解放思想って現体制に背く考えって点では一致してるから別におかしくはないか。
真堂先輩の「『暴力』それ自体を〜プロでも死にます」はあくまで冷静に、だがはっきりヴィランの脅威を伝える言葉。
まだ17歳でこの態度を大人相手に保って説得できるのは立派すぎるな…!ここだけで先輩の評価だいぶ上がった。こういう対応力もヒーローとして必要なスキルか。
しかし大人達の答えは案の定NO。この救けようとする側とそれを拒む側の構図はやはりデクvs爆豪やホークスvsトゥワイスを思い出すな…あれの規模が拡大したver。
味方側全体が主人公と同じハードモードを強いられてる。いよいよ本作のテーマの一つが結論へと向かい出した感じだ。
轟くんの「大事なのは"何をした・何をしてる人間"に言われるか」を思い出す拒絶でもあります。
今回いきなり説得しにきた真堂先輩たちはまさに「素性もわかんねぇ通りすがり」だった訳で…拒否されるのは悲しいけど必然。彼らはまだ言葉に伴わせるべき行動が足りてないからね。
「ダメじゃん」「ヨーくんダメじゃん」ってイジる畳ちゃん可愛い!別にイチャついてるって程じゃないんですが、意識すればあー確かに彼女っぽい…
って感じる接し方が素晴らしい!殺伐した状況だからこそ僅かなCP要素が沁み渡る…!やっぱ真堂先輩は弄られてこそ輝くキャラや!
「俺が少し"揺らし"ちまえば〜」はヴィランぎりぎりだな!まあ実際にはしないだろうって信頼があるから聴き流せる発言ではあります。
仮免試験でもこういう余裕のない腹黒さは見せてたし彼らしくてむしろゲラゲラ笑えた。かっちゃんのクソさと同じく故郷のような安心感がある。
畳ちゃんに連絡取ってきた「真壁」は彼らと同じ傑物高校の「Mr.スミス」こと真壁漆喰ですね。"個性"は非生物を擦ったり捏ねたりして硬める「硬質化」。
仮免試験ではボール当て用のボールを硬質化させてました。ここ説明なしだったからライトな読者は新キャラかと勘違いしそう。
Mr.スミスの言う「射手次郎」も彼らの同級生の「ブーメランマン」こと投擲射手次郎。"個性"は投げたものが標的に弧を描いて向かう「ブーメラン」。
仮免試験では硬質化されたボールを雄英生に投げてました。 隙自語ですがぼく彼と同じ誕生日(12/20)なんで妙な親近感あるのよね。
あぁ^~マスキュラーがぴょんぴょんするんじゃぁ^~とか言ってられる跳躍力じゃねえなこれ!?まるで隕石のように突如上から襲来した恐怖がハンパない。
そろそろ来そうとは身構えてたけどいざ訪れると衝撃デカすぎる…!かつての強敵の再登場として100点満点のインパクトです。
合宿襲撃では義眼を着けてた左眼も今は空洞。
まあ彼脱獄したばかりだからね…義眼なんてそこらにあるもんじゃないし手に入らなくても仕方ない。
しっかしこの状態で高笑いしてるとマジで狂気の圧がハンパねえな…あ、頭のネジ全部ぶっ飛んでやがると一瞬で思い知らされる笑顔。
真堂先輩の畳ちゃんへの呼び方は「タタミ」。本編で呼ばれたのは何気に初だからへぇ〜…普段そんな呼び方なんだ…とかもう無限に2828できちゃうな!マジ罪深えよウルアナ…!
彼女だから遠ざけるとかではなく"個性"の性質的にその方が向いてるから…ってのもポイント高いです。
腰のポーチから真堂先輩が取り出したのは棒状の物体。
ポーチ自体は仮免試験でも着けてましたがその中から実際に何かを取り出したのは今回が初ですね。
その形状からしてやっぱ刃物?敵に当てながら「揺らす」とそこを伝って振動をお届けできる…とかだとリーチ伸ばせて強そう。
マスキュラーを倒しに向かおうとする民間人たち。いや流石に無理があるでしょ…と思ってもそれは奴の脅威を散々痛感した読者側の視点でしかなくて。
彼らにとっては知ったこっちゃないんだよね。これは畳ちゃんに同情しますよ…どうやってもコイツら逃がせとか無理ゲーすぎる。
「ヒーローを見たら10人はいると思え」はゴキブリみてえな言い様だな!もしかして武装した民間人たちをヒーローと認識してる…?
まあ最近娑婆に出てきたマスキュラーなら勘違いしても仕方ない。まさか自分の服役中に一般人がヒーローの真似事してるとは思わんだろうからな…。
「不屈の心こそこれからのヒーローが」「持つべき素養なんだよ」は初登場時にも雄英生に述べてた信念。
眩しすぎて逆に胡散臭かったけどその言葉自体は本音だったんだな…そう意識すると途端に重みが増す。あの時はギャグっぽかったウィンクも今はちゃんとカッコよく見えます。
最大威力の「震伝動地」は仮免試験でも見せた必殺技!
地面割って雄英生たちを分断するほどの破壊力でしたがアレを人に向けるとはヤベーな…!
「脳みそシェイクになっちまえ!」とかまたヒーローらしからぬこと言ってるし!相手が化け物のマスキュラーだから許せる台詞ですよ!
しかし筋繊維装甲を持つマスキュラーには案の定通じず…まあこの人一発だけとはいえ100%のSMASHにも耐えきったからね。
真堂先輩には悪いけどここで通じちゃうとOFAの格が下がる。メタ的に考えて効かないのは必然…とはいえやっぱ悔しいな!いや本当マスキュラー化け物すぎる。
血祭り宣言でアカンこれじゃ先輩が死ぬゥ!と思った次の瞬間、SMASH____からのお姫様抱っこォ!!Fooooo!!!!イケメン!これはイケメン!
これは世界を救う格好よさ!!THE・主人公って感じの登場でテンションブチ上がっちゃったよ!これが雄英を去った孤高のヒーロー・デク…!
今までデクのカッコよさと言えば泥臭さのイメージでしたが、今回はスタイリッシュな感じの格好よさ…!
台詞にポーズ、その振舞い全てが洗練されてて恍惚としちゃうレベル。野暮ったさのあったマスクすら今はもう被ると陰のある感じでカッコいい…!胸の高鳴りが止まらないぜ!
公式イケメンの真堂先輩をお姫様抱っこしてるのもポイント高いです。イケメンを救うイケメン、まさにイケメンのPlus Ultra。
デクはイケメン設定ではないけどこれはもう概念的な意味でのイケメンだよね。彼女持ちのイケメンを抱える童貞クソナードって構図がもうツボど真ん中。
今回のサブタイは「おひさ!!」。そんな軽いノリで挨拶できる関係じゃねぇ〜!いや読者視点の真堂先輩と畳ちゃんに対する印象かもしれんけど!あるいはその全部か。
マスキュラー戦はNo.74〜76なので実に231話振り…!
そら堀越先生もテンション上がってこんなサブタイつけるわ。
本人曰く「道理で"危機感知(4th)"が止まないわけだ」。となるとやはり「危機感知」は自分と他人の両方の危機が対象の"個性"なのかな。
自分を勘定に入れないデクに足りない感覚を補えると同時に、他人のために飛び出してしまう彼の背を更に押してしまうのは正直諸刃の剣だな…。
四ノ森さんが生前人里離れた場所で暮らしてたのは「危機感知」が止まない生活に嫌気が差したからと予想しましたが、案の定だったみたいだな…。
#ヒロアカ
— コウ (@s_g_hrak) 2021年3月7日
今よりヒャッハーな時代なら「危機回避」も頻繁に作動して鬱陶しかっただろうし、そら人里離れた土地で暮らすわな…。しかもこれが他人の危機にも反応する場合、自分だけが救えたかもしれない他人の命を救えなかった…って病み方も考えられるんですよ。想像しただけでキツい。#wj14 #mha304
デクが前回死んだ眼をしてたのも同じ理由だと考えられる。とするとかなり広範囲に及ぶ感知が全自動で行われる訳か…これはキツい。
しかし「危機感知」を4th(fourth)と読ませるのは堀越先生狙ってんな!?確実にSWのフォース(force)意識してるでしょこれ。
あちらも敵の攻撃の先読みに使われる能力だし。全面戦争での「浮遊」発動時の「七代目(セブンス)」呼びもこれやりたいが為の布石だったのかもしれない。
周りの煙はデク自身から出たもの…つまり6thの「煙(えん)」さんの"個性"にも見えるんですが、
マスキュラー殴った衝撃によるただの土埃にも見えるな…。
もしかして体を煙化して気付かれず接近→解除して殴ったのか?ただまだ4月なのにこの短期間で習得できるものなんだろうか。
あと気になるのがマスクの中身…即ち別人説。例えば本物のデクは今海外にいてこの人物はAFOin死柄木の目を逸らす為の別人…とか。
少なくともデクが今海外にいる説の根拠は前回彼が立ってたガーゴイルや
海外赴任中の父親、
世界中が舞台の映画第3弾など
それなりにあるのよね。
でもマスキュラーが「その声はぁああ…」って嬉しそうに反応してるんだよなあ。まあ心操くんのペルソナコードみたいな技術もあるから別人じゃないと断言はできないけど…。
ただ因縁の相手と再会できたのに実は別人だった…とかヴィランとはいえ正直少し気の毒に感じてしまう。
デクに成りすますには彼に近い体格+変声技術+OFA並の膂力(+「危機感知」並の索敵能力)が必要になるので、無理に別人説を推すよりはやはり本人と考えた方が自然かな。
何より熱い再戦が実は不成立だったとか読者としても正直興醒めだしな〜!はよ主人公の無双パート見せてくれ!
【作者コメント】
「芥見さんとエヴァ終わらせてきました。一人だったら危なかった。二人って凄いね<耕平>」
前に単行本でコラボして以来すっかり仲良しじゃ〜ん!シン・エヴァは未視聴なので恐縮ですが今回の「1万2千層の筋繊維装甲さ」もアスカ意識した台詞だったり…?