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僕のヒーローアカデミア No.236 『志村転弧:オリジン2』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.236 志村転弧:オリジン2」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 ツッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッレぇ……。今回マジで壮絶すぎて言葉が出てこねぇんだけど…。

 これって時間にしてみればものの数分の出来事だと思うんですけど、そんな短い間で今までの生活が全て文字通り崩れ去ってしまったと思うと、あまりにも呆気なさすぎるよ…。

 

 もちろんこの時が訪れることは回想が始まった段階で解ってました。けど前回のあのヒキからそのままBAD END突入するとは思わなんだよ!!

 もっとじっくり志村家の事情やドラマが描かれてからくるものかと…。堀越先生アクセル踏み込みすぎててこわい、読者に覚悟の猶予すら与えてない。

 

 確かに華ちゃんには前回の裏切りについて謝ってほしいとは言ったよ?言ったけどさぁ、それがよりにもよって弟の手で殺される直前って、こんな最悪のタイミングある?

 一度謝ろうとしてくれただけにその後の姉の反応は、転弧にはもう2度目の裏切りにしか見えなかったに違いない…。

 

 華ちゃんは決して悪い子ではありません。ただ子供なら誰もが持ってて当然の無邪気な残酷さが、転弧を無慈悲に傷つけてしまった。

 今までの断片的な記憶では華ちゃんの善い面ばかりが映されてたから、彼女に転弧を救うヒーローであることを期待しすぎてた…と思い知らされました。

 

 ちょっと気になったのは華ちゃんの服装がワンピースであり、No.222の転弧のフラバで示された制服ではなかったことですね。

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 ミスや転弧の記憶違いでなければこれは今回の"個性"事故とはまた別の記憶であり、その時に何があったのかまた回想で後々明かされる可能性もあるんだろうか。

 

 「すごく悪い敵が僕らを狙ってるんだと思った」はたぶんその通りというか、もし崩壊がAFOによって与えられた"個性"ならすんげぇ皮肉だよな…。

 咄嗟の発想とはいえ「すごく悪い敵」=AFOの存在を想像できたのに、その可能性を否定して自ら真実から遠ざかってしまったのがね…。

 

 そしてAFOによる"個性"の付与が事実なら、前回玄関先にいたスーツの男がAFOという説も真実みが増す。

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 外で遊んでる転弧に偶然を装って話しかけ、家に送り届けるまでの間に気づかれぬようそっと与えた…。幼い子供の目を誤魔化してそれを行うくらい、AFOならわけないでしょう。

 

 崩壊の元の持ち主がどんな人物だったかも気になるところ。

 無論それが明かされる保証がある訳ではないですが、AFOが自分の後継者に相応しいと選んだ"個性"なら何か特別な思い入れがあってもおかしくはない。

 或いは複数の"個性"を組み合わせて作った、複合"個性"という可能性もある。

 

 高速で地面をつたって肉体まで及ぶ崩壊、恐ろしすぎる…。

 一番手っ取り早く回避する方法は地面から足を離す、つまり空中に逃れることですね。空中に跳んで上から死柄木を圧し潰そうとした四ツ橋社長が良い例かと。

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その膂力をよく活かせてるし、デクもOFAならこの回避法を実践できる。

 

 逆に滞空性能のない"個性"だと逃げ場はほぼありません。特にスライディン・ゴーみたいな地面に足をつけることが必須の"個性"は相性が悪すぎる。

 そういう意味ではこの後泥花に駆けつけるであろうホークスが翼持ちなのは幸いですね…。とはいえまだ全然安心できる状況ではないですが。

 

 お母さんが転弧を抱きしめようとしてくれたのは唯一の救いか…。仮に抱きしめられたとしても崩れて死ぬのは恐らく変わらなかった。

 それでも飛び出したのは「考えるより先に体が動いていた」ってやつなのでしょう。あの瞬間、彼女は確かに息子にとってのヒーローになろうとしてくれた。

 

 だからこそあと一歩及ばなかったことが悔やまれる…。何がしんどいって、この後AFOがいけしゃあしゃあと転弧を抱きしめるんですよ。

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 お母さんが最期に果たせなかったことをコイツがやりやがった。彼女の立場がAFOに奪われたことがこの光景に象徴されてて、もう憎しみしか湧いてこねぇ。

 

 そして弧太朗さんが駆けつければ、この人もここで塵にされると悟るしかなかった。でも、でもですよ。

 「この時僕は」「明確な殺意をもって」「父に触れた」って、ここで更に最悪に最悪を重ねてくるとか予想できる訳ないって…。ここは想定してた悲劇から最も大きく外れた事実だった。

 

 最後まで意図せず家族を塵にしてしまった被害者でいてくれたらまだよかったんですよ。でも最後の最後に他ならぬ転弧自身の意志で被害者から加害者に回ってしまったのが受け入れ難すぎる…。

 ここだけはAFOにとっても想定外だったんじゃないかなぁ。いわゆる嬉しい誤算ってやつだよ。

 

 もちろん諸悪の根源はAFOです。そこに否定を挟む余地はないでしょう。

 だけどその殺意の元となった感情は日々の「小さな積み重ね」により元々転弧の中にあり、そしてその最後の引き金を引いてしまったのが(防衛のためとはいえ)息子を叩いた弧太朗さんだったってのがもうね…。

 

 転弧や弧太朗さんの側にもこうなった要因が全くなかった訳ではないんだなと。

 そしてその一つ一つは決して安易に責められるものじゃないからこそ、最後の転弧の豹変が避けられないものだったかのように思えてくる。

 キッカケさえあれば誰もがヴィランに堕ち得ることを思い知らされた。

 

 ちなみに弧太朗さんが転弧を叩いた枝切り鋏はNo.222のフラバですでに示されてました。

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 これずっと転弧とどんな関わりがあるのか謎だったんですが、まさかこんなキーアイテムだったとは…。せめてこれさえあそこになければ、まだ転弧が殺意をもって父親を殺すことはなかったんだろうか…。

 

 「途方もない快感が全身を貫いた」の笑顔は悍ましすぎて目を背けたくなったよ!!堀越先生の描く負の方向に極まった表情は毎度圧巻の一言ですが、これはその中でもトップクラスにヤバい。

 狂気、猟奇、そして悲哀がこの一枚に全部詰まってて、もう転弧の敵堕ちを確信するしかなかった…。

 

 菜奈さんは以前「世の中笑ってる奴が一番強いからな」と言ってましたけどね、まさかそれを実の孫のこんな悍ましい笑顔で痛感させられるとは思わんて…。

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 ここで起こった事の全てが菜奈さんへの嫌がらせとして成立してる。菜奈さんが家族に望んだのは絶対こんな笑顔じゃないよ…。

 

 盛大に倒壊する志村家、そして「痒みはもう感じなかった」。前回「お家だと痒いよ」と言ってたので、転弧の痒みの原因はやっぱりこの家そのものだったのね。

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 弧太朗さんの建てたこの家は転弧にとって否定の象徴であり、それが今回ブッ壊されたことで漸く転弧はそこから解放された訳だ。

 

 髪もいつのまにか白から黒に変色。この変化が精神的ショックによるものなら、これは同じくストレスの影響を髪に受けた四ツ橋社長との対比なのかな。

 AFOからしたら髪まで愛する弟と同じ色になってくれたとか、マジで願ったり叶ったりな状況だよな…。本当に偶然か疑うレベル。

 

 今回崩壊の発現以外にも転弧の声が出なかったり白髪になったり、あまりにもAFOに都合のいい事が起こりすぎてどこまで偶然なのか判断しにくいんですが、どちらにしろ悲劇なのは確かです。

 AFOの手によるものなら憤りが更に増すし、ただの偶然なら転弧たちの運のなさに絶望するしかない。

 

 今回転弧のオリジンにおいて一番衝撃的な部分が明かされましたが、死柄木のつけてる手の残り2組が誰のものなのかは未だに謎のままですね…。

 ここで7組全部が揃わなかったとなると、残りの2組はやっぱりAFOが殺した時に切り取ってずっと保管しておいた菜奈さん夫妻のもの、なのか…?

 

 もう一つ気になるのが、No.222のフラバで制服姿の華ちゃんと恐怖の目を向ける弧太朗さんの間にいた、短い白髪の人物。

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 妙齢の女性のように見えますが、転弧の母方のお婆ちゃんは黒髪だったので彼女ではないはず。とすると、後に白髪染めをするために行った美容院で見たお客さん…とか?

 

 

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