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僕のヒーローアカデミア No.237 『死柄木弔:オリジン』感想

この記事は「僕のヒーローアカデミア No.237 死柄木弔:オリジン」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 No.222の死柄木のフラバにいた白髪の女性、この人は転弧を心配して声をかけてくれたのね…。

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 ただ次の瞬間全く生気のない子供の笑顔が目に入れば、関わりを避けようとしたのも無理はない。少なくとも周りからしたらこの悍ましい表情が「救けを求める顔」には見えないよなーと。

 

 転弧の目元が真っ黒なのは恐らく死柄木に「沙惨禍」というコードネームがあった頃の名残ですねー。

 死柄木のプロトタイプは素顔がムンクの叫びのようだったので、その設定の再現かと。堀越先生、デビュー作から今作の初期設定に至るまで全ての発想を詰め込んだるという意志がすごい。

 

 「す…すぐヒーローか警察か誰か…来るからね」はまさにAFOがこの後転弧に言う「『ヒーローが』『そのうちヒーローが』皆そうやって君を見ないフリしたんだね」そのものだな…。

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 このつい他人任せにしてしまう感覚、身に覚えがありすぎてとても易々とこのお婆さん批判できないです。

 

 「迷子をみかけたら迷子センターへ手を引いてやれる」「そういう人間が一番かっこいいと思うんだよな」って言葉が思い出されるなぁ…。

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 自分で親を殺した転弧が迷子と言えるかは微妙ですが、確かにこのとき彼には天晴兄さんの言うような手を引いてくれる存在が必要だったな…と。

 

 そして遂にAFOと邂逅。転弧が一人になるまで一般人の通報はおろかヒーローが傍を通り過ぎることすらなかったのが引っかかるんですが、もしただの偶然でもそれはそれでアリかなぁ。

 AFOの手が加わってる可能性もなくはないけど、偶然の方が2人の出会いをより運命的なものにしてくれる。

 

 もし誰かが転弧を通報して警察に志村家の跡地を調べられたとしても、転弧が故意に父親を殺した証拠は見つからなかったでしょう。

 どこかの児童養護施設に転弧が入れば今度はそこにAFOは何か手を尽くしてきただろうし、遅かれ早かれ転弧はAFOに導かれる運命だったと思う。

 

 ガキ相手にイキり散らすチンピラ×2、程度が低すぎる…。

 転弧が弧太朗さんを殺したのはそれまで不満が溜まってたからで、遭遇したばかりの赤の他人に"個性"を使う行動力はこの時点ではまだなかったのね。

 一度開いた手をもう一度握りしめる流れは手フェチの堀越先生らしい感情表現だ…。

 

 転弧に殺人を促すAFOの言葉は、順平くんの復讐を肯定した真人の言葉を思い出しました。こっちは幼い子供に向けた言葉だからあちらほど小難しくはないですが。

 順平くんと違って転弧はすでに人殺しを経験済みなので、AFOのこの言葉で再び殺しを決意してしまっても何も不自然じゃない。

 

 再びあのチンピラ2人の前に姿を現わす転弧。

 背はまだまだ足りませんが、こうして例の黒いスウェット、そして家族の手をつけて現れると、いよいよ僕らの知る「死柄木弔」に近づいてきたと実感しますね…。

 前回が志村転弧としての殺しなら、今回は死柄木弔として初めての殺しって訳か。

 

 AFOによると転弧は「経験を閉じ込めた結果感情だけが浮つく不安定な状態」「無意識下で"個性"をセーブしてる」とのこと。

  逆に言えば今回崩壊を最大限発動できるようになったのは転弧だった頃の記憶を取り戻したからで…。AFOはこうなることをどこまで見越してたんだろうか。

 

 首は母、上腕は祖父、肘は祖母、そして手首は華ちゃんと、これまで弧太朗さんのものと判ってた顔面以外の手も誰のものか明かされました。

 首には2本、上腕〜手首にも右と左にそれぞれ1本ずつ手がついてることを踏まえると、転弧が誤って壊してしまった手はやはり弧太朗さんのものか。

 

 そして前々から不明だった残り2組の手も今回殺したチンピラ×2のものと判明。いやこれは予想できねーよ!!てっきり転弧だった頃の関係者のものかと…。

 奇しくも手の数が菜奈さんのOFAの継承順と同じ「7」組なのが皮肉なんですが、AFOはこれを狙って揃えたんだろうか。

 

 そして最も気になるのが壊してしまった弧太朗さんの片手を補うためにAFOが追加した最後の一本。いやこれ、ぜってー菜奈さんの手だろ!!!!!!!!

 …とはまだ断言できませんが、その可能性は極めて高いです。嫌がらせに全力で手を尽くすAFOならそれくらいしてもおかしくない。

 

 チンピラ2人の手をそれぞれ肩と脇の下、菜奈さんの片手(仮)を頭に新たに装着、そして表示される「死柄木弔:オリジン」のサブタイ。

 この瞬間、転弧は弔に生まれ変わったという確信が得られてゾクッとしました。姿も確かに今の死柄木と重なるもので、漸く点と点が線で繋がった。

 

 オリジン回自体はデクたちにもありましたが、死柄木が彼らと違うのは転弧と弔、2つのオリジンが存在することですね。

 このことがヒーローに憧れた転弧ヴィランとして生まれた弔は別の存在であり、今もヒーローに憧れてるが故にオリジンが一つしかないデクたちとの違いを象徴してる。

 

 「しがらきは?」「私の苗字」うわ!!うっっっっっっっわ!!!!AFOコイツマジ……!

 AFOは弔を弟である初代OFAと重ねて見てるとは以前から言われてましたが、ここまで執念深いともはや狂気の域だよ…。苗字まで自分と一致させるとか完全に弟への未練タラタラじゃん…。

 

 こうなると「」が初代の名前なのかが気になりますが、そうとはまだ断言できない。

 OFAの歴代継承者は菜奈(7)、八(8)木、出久(9)のように名前に自分の継承順の数字が入ってるので、"1"の要素が見られない「」は初代の名前ではないという可能性も普通に考えられる。

 

 「未来なんか要らないんだ」は自暴自棄になってた訳ではなく、「その先は連合が好きにすればいい」と仲間に託してるからこその台詞だったのね。

 弔くん、何だかんだで仲間のことちゃんと信頼してるな…。コイツらなら好きにしていいと言えるの、真っ当にリーダーの器ですよ。

 

 前回までの転弧オリジンは完全にお通夜ムードでしたが、今回の弔オリジンは割と清々しい気持ちで見届けられました。それはAFOと同じく僕も転弧と弔を別の存在と見做せたからだろうか。

 弔本人が「あれは悲劇なんかじゃない」と言ったからこそ、こちらもさほど悲壮感を抱かずに済んだ。

 

 つーか死柄木、あの"個性"事故がAFOの仕組んだものだと薄々気づいててもおかしくないな…。

 部外者の爆豪ですら"個性"の与奪の術を知った時点でOFAの存在に気づけたのだから、AFOと15年間ずっと一緒にいた死柄木があの夜の真相に気づいてたとしても何もおかしくない。

 

 そしてAFOが仕組んだものと知った上で、あれでよかったとか受け入れてそう。

 というのも仮に今の死柄木があの夜の真相に気づいてなかったとしても、それを知った時に激しく動揺してAFOを憎むイメージが浮かばないんですよね。

 それだけ今の死柄木にはヴィランとしての格の高さを感じる。

 

 弧太朗さんの手を盛大に砕く死柄木。

 「その想いが風化してしまわぬように」つけてた手を壊したってことは、記憶を取り戻したことで手はもう必要ないくらい負の感情が死柄木の中で確かなものになったってことか…。

 今までの例に漏れず、オリジン回を経た後のキャラに相応しい成長だ…!

 

 

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