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僕のヒーローアカデミア No.407 『超常遺児』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.407 超常遺児」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【本編】

 時代は遡り──…超常以前。今ドキ少年誌でも珍しくないかもですが、本作で「娼婦」って単語出されると地味にビビりますね…。

 あ、そういう青年誌っぽい単語ハッキリ出す作品だったんだと。アニメ化したら微妙に表現変えられそうと思えなくもないラインなんですよ。

 

 この女性がいる国は普通に日本?死柄木(しがらき)が彼女の名字なのかは不明ですが、AFOが名字としてる以上たぶん日本人だろうと。

 街を行き交う人々の中に携帯を手にしてる人はいないんで、時代設定は僕らの生きる現代より前?少なくとも21世紀は入ってなさそう。

 

 で、その女性が知らん内に双子身籠ってたのはコワ~…。女性からしたらいつのまにか孕んでるの、超恐怖体験じゃね!?

 寝てる間にレ〇プされたか不安になれるし結婚してたら托卵疑われそう!そういう意味では身寄りのない娼婦でよかった…とか言ったら問題ですが!

 

 女性が出産したのは橋の下。偶然にもAFOが転弧拾ったのと同じ状況やないか~い…!

 単に人気のない場所としてこのチョイスなだけかもしれませんが、師弟で人生の分岐点が同じシチュなのはちょっと運命感じちゃいますね…!

 魔王の誕生はいつも人知れずなんだなと。

 

 鼠といえば根津校長、そして超常にまつわる一説。

 そいつらがAFOたちかじってたの、超常始めるどころか終わらせようとしてるやないか~い!

 いやここでAFOたちから未知のウイルスとやらに感染→世界に散らばって異能拡散した…ってコト!?まああくまで憶測ですが。

 

 一年後…異能に目醒める人々のイメージはNo.1のリフレイン。

 両腕に氷纏ってる女性はより美人に描き直されてて、ますます氷叢家の血筋を疑えるな~…!

 頭がいきなり龍の形に燃え始めた人はマジで同情するしかないです、コミックめくれる程度の異能がちょうどいい。

 

 殻木の話では異能の発現は四歳まででしたが、この頃はまだ「二次性徴後の青少年にも発現」するパターンもあったんだなあ。

 デクが引子さんに説明してた「医学的にはない話じゃない」って話、

 突然変異のみならず四歳以降の発現の方も本当にあり得た話だったのか…。

 

 「ヒトから枝わかれした新たなる遺伝子」は後世から振り返れば実際その通りですが、当時の保守的な人たちを刺激しそうって納得はあるなあ。

 自分たちとは異なる存在を下位に置きたい心理が解像度高いわけですよ。それを逆に進化の結果扱いしたら火種になるわなと。

 

 モブの異能排斥集団はまたコッテコテの身なり~!この辺も時代の古臭さを感じさせるな!

 おまけにヘルメットに異NOって書いて異能への拒絶表現してるの、正直ちょっと面白いですよ!ただの駄洒落じゃん!!一応真剣な活動なのにそんなおふざけしていーのう!?

 

 その異NO集団の傍を通りがかったショタAFO、コッッッッッッワ…完全に人の心とかない目しとるやんけ…夜遭遇したら固まる自信ある。

 これ保菌者(キャリア)扱いされたのが地雷で奪う異能もない人たち殺したんですかね…?まあ単なる気紛れでもAFOらしくはあるけど。

 

 異NO集団刺してるのは〝大・爆(中略)マイト〟諸共オールマイトの左腕に刺したやつやんけ!

 もっと遡ればエンデ戦で指に生やしてたやつ!!

 これ母親の異能だったんか…!命懸けで産んだ我が子が自分のよく分からん力で殺戮してるの、マジでお母さん浮かばれんな…。

 

 なんつーか、最初は疣贅扱いされてたのが実に本作らしい気がします。作中で”個性”は身体機能の一つという扱いですが、

 疣贅という現実にも起こる症状と似た発現の仕方なのがマジでその通り。僕らの身体に起こる症状の延長線上にある現象という身近さがあるんです。

 

 ドリルといえば蛇腔病院でエンデヴァーたちの前に現れた脳無にも搭載されてたんですが、

 これもお母さんの異能…の複製だったりするんですかね?

 シンプルに強個性だしそら量産して最大限利用するわなと。まあちょっと太さが違うのが同じ異能か微妙なラインですが。

 

 母親の乳吸ってるAFOはコエーよ明らかにチュウチュウって擬音ついていい目してねーよ!こんな可愛くない上目遣い初めて見た!

 逆にこんな奴にも母乳吸いたい時期があったんだな…って変な感慨にふけりそうなんですけど!!コイツが泣き喚いてるトコ想像できねーよ!

 

 空き缶投げてお兄ちゃん止めようとするショタ与一きゅん、きゃわわ…!もうこの頃からOFAに相応しいヒーロー性を宿してたんだなあ。

 ちょっと目の形とかデクくんに似てる気もします、アニメでは瞳が同じ緑色だったし意図的に似せてると言われても信じられるライン。

 

 初代が病弱だったのはAFOに栄養奪われてたからのようで、もう身体からして奪う性質だったんだな…。

 逆にこれで栄養奪った分弟優先で食糧与えてやろう…みたいな精神に目醒めれば未来は違ったんだろうけど、当然そんなわけなく。一貫して奪う側の人間だったわけだ。

 

 AFOが石コロ感覚で弟蹴っ飛ばしたのはNo.1でペットボトル蹴ったかっちゃんを思い出しましたね。

 さすがに生身の人間と(中にヘドロ入ってたとはいえ)ペットボトルじゃエグさ段違いですが!しかしこの「俺の道にいたのが悪い」の精神は通じるものがあるわけですよ。

 

 「手に持っていた所有物(もの)なので~手放そうとしなかった」は実にAFOらしい感覚!愛とか情とか綺麗な言葉じゃなく所有欲という淡白な表現なのが頷けるんですよ!

 人間味薄い兄が弟へ向ける感情として相応しい表現。この一文だけで納得できる秀逸さです。

 

 赤さんの頃の手の握り方からしてそうですが、AFOの初代に対する所有欲はぬいぐるみへのそれに近い気がしますね。

 いて当たり前だから手放さないし、ぬいぐるみがいきなり自分に物申せば当然蹴っ飛ばす。そして奪い去られた後に遅れてその大切さに気付くわけですよ。

 

 弟に何読んでるか訊くAFOが使ってるのは恐らくナガンに与えた「エアウォーク」…!

 ON/OFF時の悠然とした佇まいがそれっぽい。

 ナガンに付与以降も普通に浮いてたので他にも滞空用の”個性”はあるっぽいですが、神野でも使ってた辺り割とお気に入りだったんですかね?

 

 そして初代が読んでるのはデクが初めて見た記憶の中で話題に出てた例のコミック…!

 AFOが4巻以降読んでないのは単に飽きたからかと思ってたんですが、路上生活でそれより先を持ってなかったのね…。

 心躍らせる初代と血塗れで虚無の目を向けるAFOの温度差がヒドい。

 

 この点においてかっちゃんとAFOってむしろ正反対ですね。AFOは弟を所有して身近に置いてたけど架空のヒーローを通じた共感要素はなかった。

 逆にかっちゃんは幼馴染との間にオールマイトへの憧れという共感要素はあったけど、所有どころかむしろ遠ざけようとした。

 

 雄英入学前のかっちゃんは紛れもないクソガキでしたが、AFOが初代に向けてるようなキショい独占欲はデクに対してないのが救いなんですよ。

 デクが誰と仲良くしようが嫉妬する描写なんて当然ないですし。それがAFOと対比されたことでより明確化された感覚が今ある。

 

 「兄の優しさだと信じたかった」は切ね~…!今のAFOを知る僕らからすればそんな綺麗な感情じゃないよ…と思えるわけですが、

 当時の幼い与一きゅんが兄貴の手に善性を見出すのは自然な感情だと頷けるんですよ。自分より強大で身近な肉親に縋る気持ちは理解できる。

 

 三年後──…。オールマイト戦で光り始めたとき〝発光する赤児〟から奪った”個性”じゃね?と予想した通り、

 ≠AFOで確定。

 自分差し置いて最初の異能者扱いされてたからってのが実にAFOらしい殺害動機だな…!常に自分が世界の中心じゃないと気が済まないというか。

 

 とはいえまあ、自分より後に生まれた人間が最初の異能者扱いされてたら、AFOじゃなくても存在を軽視された気になるのは頷けます。

 インドって戸籍制度整備されてないから認知されてない異能者がいても不思議じゃないんですよね…この辺リアルに国の格差を描いてる。

 

 発光する赤児のことが大大大大大好きな1000万人のシンパはその後どうなったんだろうなあ。

 AFOのことだから赤児の死を隠蔽or捏造して、影から操るという形で乗っ取ったりしてそう。そういう情報操作得意そうだし。1000万人全員虐殺したイメージはないんですよね。

 

 発光する赤児≠AFOなら葉隠ちゃんが赤児の子孫説もまだあり得る気もしますね。

 両方光学系の”個性”という関連性はもちろん、先祖がAFOに”個性”を奪われて殺されたって因縁も今回で生まれましたし。

 といっても無関係の赤の他人である可能性もまだ全然ありますが。

 

 「ヒーローは正体を隠して孤独に戦っていた」はもろに黒デク~…!というかプロデビュー以降のオールマイト以外のOFA継承者はだいたいそうか。

 AFOを肯定するわけではないですが、この「孤独」って部分が単なる美徳のまま終わらせちゃいけないのは確かだよな~…!

 

 コミックからALL FOR ONEの方だけ都合よく引用・解釈して「僕にも夢ができた!」とかほざくAFO、夢は夢でも悪夢だろうがそれよお!

 まず「おまえがそうであるように」って前提から間違ってるんですけど!?与一きゅんはお前のためだけに存在してるわけじゃねーよ!

 

 2代目に手を引かれ逃げる初代──…を追うAFOの視界、彼女に捨てられて縋る男っぽくて絶妙に気持ち悪いな!

 何が悲しくてブラコン魔王の視界共有おじさんにならなきゃいけないんだよ!!いやシチュ自体は大変痛快ですが!でもAFOと感覚共有するのは拒否感すごいよ!

 

 「僕のものにならないなら」のコマで二人の手にエフェクトが生じてるのは…もしかしてここでOFA譲渡してる?

 例えばお互い掌から出血してたらDNA摂取の条件は満たされるので、逃げる過程でAFOに傷つけられた?でもそも所有者が無自覚で譲渡されるものなんだろうか。

 

 で、最後初代の手切ったあああ!!?これAFOの妄想と現実どっち!?だってOFAの精神空間では普通に左手あったよね!?

 いや死亡時の肉体の状態が全て反映されてるとは限りませんが!ガチの切断だった場合、一コマ前のエフェクトはAFOの”個性”のものだったのか…?

 

 AFOに左手切られる→その返り血が2代目の傷口に付着するなりしてOFA譲渡、って流れだったのかなあ。

 その後すぐ初代が殺されたのか、一度は逃げ延びて生存したのかは定かではありませんが。OFAの精神空間で五体満足だったのは単に生前の状態とは無関係ってだけ?

 

 2代目の顔面の傷もここでAFOにつけられた可能性が高くなってきましたね、初代に手を差し伸べた時点ではまだ無傷だったので。

 血が付着したことでDNAを取り込んだ傷って恐らくこれだろうと。憎悪でつけた傷が逆にOFAの継承を開始させる結果になったとか皮肉すぎる。

 

 AFOがガチで弟の手切ってたとなると、かっちゃんがオールマイト救出時に腕チョンパしたのもまた文脈乗ってきますね。

 2代目からOFA継承者を奪い返すために手を切ったAFOが、逆に2代目似のやつに両腕切られてOFA継承者を奪い返される。この逆転が痛快なわけですよ。

 

【作者コメント】

「アルコール一口だけで心臓バクバクのヘロヘロになってしまいました。お酒は怖いです<耕平>」

 堀越先生、Vol.17の空きページで酒木紹介してたときもお酒全く飲めないって語ってたもんな~…。

 僕も強い方ではないので共感性高いです。