僕のコミックアカデミア

僕のヒーローアカデミアという少年漫画を中心にその他漫画やアニメについて語る予定です。

僕のヒーローアカデミア No.158 『治崎の異常な恩情』 感想

※この記事は週刊少年ジャンプ2017年48号のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

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 未知のウイルスがネズミを介し世界へ拡がった…と聞くとどうしても根津校長を思い浮かべる。彼もまた例のネズミと同じく元々動物で、そこに"個性"が発現したパターンなんですよね。 

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 それを踏まえると今回推論の一つとして示された超常の元となったネズミが、実は根津校長の種の祖先である…なんてことも考えられると思います。

 と言っても根津校長の場合、自分で「ネズミなのか犬なのか熊なのかその実態は__」と語っていたように、彼が本当にネズミなのかどうかは定かではないので、あくまで可能性の一つに過ぎませんが。そもそも未知のウイルスがネズミを云々自体明確な根拠のない推論と語られていますしね。

 

 前回壊理ちゃんの"個性"の力を借りてフルカウルの100%の力を発動することに成功したデクに対して、治崎は自分こそが壊理ちゃんの"個性"の価値を理解していると主張します。

 ここの治崎の説明で気になったのは、治崎は壊理ちゃんの「単に肉体を巻き戻す」力から「変異が起こる前の『形」へと巻き戻す」という力を引き出したということで、僕は今まで"個性"破壊弾は撃ち込んだ対象の"個性"因子だけを発現前である4歳以前に巻き戻す力、つまり肉体の一部を巻き戻す力を持ったアイテムだと解釈していたんですよね。ところが今回の治崎の説明によるとどうやらそうではないらしい。"個性"破壊弾は撃ち込んだ対象を変異が起こる前の種に巻き戻すアイテムであり、ミリオ先輩の例で言うなら、ミリオ先輩の"個性"因子を18歳から4歳以前に巻き戻したとかではなく、ミリオ先輩を彼の先祖である超常以前の世代と同じ状態に巻き戻した(歳の近いデクが超常から第5世代なので少なくとも5~6世代以上は巻き戻してる)。

 で、そう考えると前回の治崎の「使いようによっては人を猿にまで戻すことすら可能だろう」という台詞も、その巻き戻しの延長のことを指していたと納得がいく。猿が人間になったのも、人間が"個性"という力を得たのも、同じ進化の過程の一部ですからね。

 

 活瓶と融合した治崎をフルカウル100%の力で高く蹴り上げるデク。本作でページを縦にして見る見開きは今回が初なので驚きました。OFAの力が今までとは比にならないほど出力されていることの表現としてぴったりだったと思います。

 OFAが規格外の"個性"であることは分かっていたことではありますが、こうしてその力がフルに発揮されてるのを見ると歴代継承者8人の力が上乗せされていることを改めて実感します。

 というか1度とはいえこれに耐えきったマスキュラーすごくないですかね…。物語的に特に重要なポジションにいるわけでもなく、たった数話で退場したキャラにしてはちょっと耐久値が高すぎる。ここにきてマスキュラーのすごさをまた実感することになるとは…。もし合宿で彼が他の生徒と戦闘になったいたらきっともっと大きな被害が出ていたと思うので、やはりあそこでデクが食い止めることができて良かったと思います。

 

 コンプレスのコピーは1度ダウンしたけど、トゥワイスのコピー製造は前のコピーと特に時間を空けたりする必要はなかったはずなので、まだ連合が"個性"破壊弾とその血清をかすめ取る可能性がなくなったとは言えないかな。

 

 治崎の回想。

 治崎の「…ウチを認識すらしてない連中が増えてる 見せしめにして存在をアピールしなきゃダメだ」という台詞は、オールマイトの「皆が笑って暮らせる世の中にしたいです そのためには…"象徴"が必要です」という考えと結構似た発想だと思います。 

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 目的はそれぞれ支配と平和のためで違うけど、自分の強さを誇示することで自分の敵となる相手に威圧を行う、という根っこの部分では同じだと思う。

 

 組長に自分の計画を語る治崎。

 正直治崎の計画は"個性"破壊弾で"個性"を全て消滅させるくらいのものだとざっくり思ってたので、①未完成品を流出させて消費者の需要を煽る②需要が高まったところで完成品を流出させさらに市場の注目を集める③さらに今度は"個性"を復活させられる血清を与える、という長期的な世間・市場の動きを予測し、そのためにきちんと1つずつ段階を踏んだ内容だったのは驚きました。ここまで戦略的とはちょっと思ってなかった。

 

 対して治崎の計画に拒絶を示す組長。まあそらそうやろなって感じです。組長の治崎に対して微妙に引いてるような表情が個人的にツボ。

 組長を自分の手で床に伏すような状態にしてしまった治崎ですが、このときの「…拾ってくれたあんたに報いたいだけだ」という気持ち自体はデクと一緒なんですよね。デクもオールマイトについて「期待に応えたいんだ…!笑って応えられるような…カッコイイ人に…なりたいんだ」「悪いけれど君に勝ちたい!僕を選んでくれたオールマイトに応える為に!!」と言っていることから分かる通り、自分の恩人のために何かを成したいという気持ち自体はデクも治崎も同じだと思う。 

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 ただ1つデクと違うのは治崎の場合は自分のしようとしてることを恩人が受け入れてくれないということで、その点については外道ではあるものの治崎に対して少し哀しさを感じます。

 

 蹴り飛ばされた治崎を追撃するようにそのまま空中に向かうデク。今までずっと地下での戦いが行われてきて閉塞感が溜まってただけに、今回の青空の中でのバトルは爽快感あってとても見応えあると思います。

 ここで治崎が自分の思想をごたごた語っているのに対して、デクが「目の前の……小さな女の子救えないで____皆を救けるヒーローになれるかよ!!!」と全く人の話を聞いてない感じで切り返してるのが最高に彼らしくて滾らされました。

 この戦いって単なるデクと治崎のぶつかり合いってだけじゃなくて、デクと治崎がそれぞれ見出した壊理ちゃんの価値のどちらが正しいかを証明するための戦いでもあるんですよね。すなわち「触れる者全てが『無』へと巻き戻される呪われた」"個性"か「痛みよりも早く…折れる前に戻してくれる優しい」"個性"か。 

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 つまりここでデクが治崎に勝つことは単に壊理ちゃんを物理的に救け出すというだけでなく、壊理ちゃんの"個性"が誰かを救けられる優しい"個性"であるということを証明することになる。そういう意味でもデクは今回負けられないんですね。

 

 ナイトアイの反応を見る限りデクが治崎に殺されるという未来は回避されたようにも見えますが、治崎が完膚なきまでに叩きのめされたところを見るまでは読者としてはまだ安心できないですね。個人的にはお茶子がその未来を回避させる要因になってくれると嬉しい。

 

来週また休みいただきます。楽しみに読んで下さってる方々申し訳ありません!<耕平>

 いえいえむしろもっと休んで下さいお願いします。