※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.367 デク VS AFO」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
【表紙】
ドアップでこちらを見つめるデクのご尊顔、「宿る決意。静かに。」のアオリ通り落ち着いた力強さが伝わってきますね…!
やや緑がかったグラントリノのマントに毛先明るめな緑色の髪・瞳と、どこか〝秋〟をイメージしたカラーリングっぽい気もします。穏やかさと神聖さの同居。
【巻頭C】
リビングで一緒にTVアニメを待機するヒーロー&ヴィラン's!荼毘の髪が黒かったり、ホークスの羽が生え揃ってたり、ミルコが五体満足だったり、相澤先生の右目があったり、
何よりトゥワイスが生きてたり…6期より前の状態なのだと理解させられます。番宣イラストとして大正解。
しかし謎すぎるなこの状況…w一応面子は全面戦争で活躍したキャラ中心かなと思えなくもないですが。にしてもヴィランまで寛いでるのはヒヤヒヤすんよ!
デク見てるヒミコちゃんはともかく荼毘はダルそうじゃね?自分死ぬアニメを姿勢正して待ってるトゥワイスは反応に困るよ!
ヒーロー側で目が行くのはやはり常闇くんの脚の上に自分の脚乗せてる上鳴くんですね。えっこの二人こんな気安い距離感だったの!?
ねえ待ってちょう尊い…って意外性がすごい。まあバンド隊で同じギター担当、群訝でも励ましたりと積み重ねはあるんで別に不自然ではないです。
あと地味に注目したのがテーブルの上の料理が美味そうだったことです。ピザやら唐揚げやらポテチやら、身近で手に入る範囲で食べたいと思えるチョイスなのが素晴らしい。
こんな謎シチュでもちゃんと楽しそう、眺めたいと思えるのは料理の作画が高クオリティなのがデカいです。
【本編】
回想、お兄ちゃん達(ブロス)と邂逅したデク。「迷子の味方 通学(スクール)バスのお出ましだぜ」って洋画みたいな例えの安心感パねえ~!
確かに僕らの知るイーサンだって実感がすごい。天晴兄さんの「迷子を見かけたら~」と同じ事言ってるのが彼らもまたヒーローなのだと理解できます。
イーサンたちの元々の役目は†天空の棺†の警護とのこと。見返したら確かに死柄木転送後の見開きの右端に謎の物体あったけど、これ彼らの機体の一つだったの!?
しかもここ、単行本だとサイズの都合上カットされてて確認できないんだけど…!これ気付くのハードミッションすぎるだろ!
スターを「妹」と呼ぶイーサン。彼らの方も元々お兄ちゃん達(ブロス)と呼ばれてたから全然違和感ねえな!この身内感がすっごく良い。
あのヴィジュアルも"個性"も強力なキャシーが妹と呼ばれてるギャップが尊い訳です、このワード一つでチームの中心として愛されてたのが伝わってくる。
お兄ちゃん達(ブロス)の機体に「黒鞭」を引っかけて進むデク。そういや奥渡島を出発した後に「海上じゃ黒鞭(シクス)を引っ掛けるものがない」と焦る描写がありましたね…
あれはこの前振りだった訳か。アメコミリスペクトしてる本作なだけあってスパイダーマン的移動の仕方が超大胆。
回想終了、デクvsAFO。死柄木側のSMASH!!のオノマトペにさらにSMASH!!を重ねる表現ちょう秀逸だな!激突の結果デクの方がダメージ与えたのが視覚的に分かりやすい。
何でもヒーロー側パクりやがるAFOに本家との格の差見せつけたった快感がヤバいです、それでこそOFA継承者に相応しい。
到着時すでに纏ってたフルカウルじゃない方のエフェクトはやはり「発勁」で確定。
移動しながら蓄積してたってことだろうか。
このAFOが回想してる3代目、黒いバンダナ着けてるからか若干ゾロっぽさある…ゾロっぽさない?息切らしながらも抗う意志は消えてないこの表情がそれっぽい。
かっちゃんの死体(仮)見て絶望顔浮かべるデクは顧客が本当に求めてたものじゃ~ん!いや正直ね、前回すでに通信で伝えられてて覚悟キマってる説あったからそれも想定してたんすよ。
だから今えっ、また幼馴染へのクソデカ反応見せて貰っていいんすか!?って歪んだ興奮がマジヤバい。
ここで真っ先にかっちゃんの死体(仮)映すのが僕らの知る堀越先生だよな~…!無論デクは誰の為にも怒るしかっちゃんが最初に目に入ったのも位置関係による偶然かもしれない、
それでも読者が最も見たいのは幼馴染の死への反応じゃないっすか。まさにその期待通りの描写で理想的すぎる。
例のオールマイトカードに気付いてくれたのも嬉しい描写です。デクくんにとってあの時当てたカードって今も大事に飾ってる(ウルアナ参照)ほど思い出深い品なんですよね。
それと同じものをかっちゃんが戦場に持ってきて倒れてるとか、もう絶対感情揺さぶられまくりじゃあないですか…!
かっちゃんに続いて映される他のヒーローたち。ジーニストは意識はあるものの、これ以上ワイヤーによる援護を望むのは厳しい状態?
腹部に傷のあるネジレちゃんや手で抑えてるサンイーターもたぶん無理そう。ミルコはまあまだ左脚一本残ってるし…とかいうのは鬼畜すぎる発想ですけど!
デクの遅れた原因がヒミコちゃん辺りだと見当つけるAFO、察しがいい。デクに対する煽りの内容はかっちゃんdisだと予想してたんですが、
なるほどデク自身の責任感を刺激する方向できましたか。ただ単に相手のミスを指摘するだけでなく、言い訳してみろと煽るのが顔金玉らしい厭らしさ。
AFOの言う「奴等」とはかっちゃんを死なせてしまった周りのヒーローたちのことでしょうか。
それとも転弧時代、家族を「崩壊」させて彷徨ってた時に手を差し伸べてくれなかった通行人やヒーロー全員?だとすればこのセリフは転弧の人格にも影響受けて口にしてることになりますが…。
「黒鞭」や「煙幕」を発動させてドス黒く染まるデク、〝怒〟のオーラ半端ねえ~!!何だかんだでかっちゃん絡みで彼がブチギレてるとやっぱテンション上がるんですよ!
同じ事の繰り返しでもやはり一度は見ときたかった慾は否めない。それだけ怒りはキャラとのデカい共感要素なんです。
デクの激昂に成功して厭味な笑みを浮かべるAFO、実に憎たらしいな…手で口元隠れてるのに目と「ニタ」だけでちゃんとニヤついてると分かるのが腹立たしい。
その一方で頭ではちゃんと次のデクの動きとその対応を考えてる冷静さに感心させられます、煽リストとしてやはり学習能力高い。
「大丈夫だ」「デク!!」といって現れたのはルミリオン!何気に「大丈夫」って言葉のチョイスが壊理ちゃん救けた時と一緒なんすねえ…
このシンプルながらも力強い台詞が実に頼もしい。クソデカ吹き出しでこの単語を目にした瞬間あ、流れ変わったなと確信できるインパクトがありました。
サンイーターたちの無事、エッジショットによるかっちゃん救命措置を伝えた後、「俺たちはまだ何一つ失っちゃいない!」と励ますルミリオン。
まあミルコは右腕失ったけど…って揚げ足はともかく、デクを正気に戻す事実を必要最小限の短さで伝えてくれたのは有難いです。的確な報連相。
今も目瞑らず戦場を見る物間くん、マニュアルさんの"個性"じゃない本物の涙出てんじゃん…!この傷付きつつも踏ん張る表情が幼気すぎる。
固く握りしめられた相澤先生の拳から何としても生徒を支えようとする意志が伝わってきます、単なる"個性"の条件満たす接触以上の意図を見出せる。
AFOの煽りに対し「ヒーローがきれい事並べ立てないで誰が理想を現実にするんだ!?」は核心突いた一言!
ここでほぼ同じ内容のオールマイトの言葉が正気に戻るトリガーとなるのが説得力デカいです、
デク自身マスキュラー戦で引用してたから納得が深い。
作品全体を象徴する名言といえます。
「怒るのは良い 肝心なのは」「心を 制する事さ」は「黒鞭」発現時に万縄さんから贈られた言葉。
やっぱここでこれがデクの怒り静める台詞として機能してくるか~!
怒り自体を否定せずその制御に重きを置いてたところに頷く他なかったんで、ここでデクに思い出されるのは納得しかない。
いやあ完璧です、パーフェクト。かっちゃんの死にブチギレるデクは見たい、しかし蛇腔と同じ事繰り返すのはダルい…というジレンマを、
一旦ブチギレる→仲間の言葉で冷静になるという流れで見事に解消してきよった…!これを一話で済ませてくれたルミリオン、前回といい仕事しすぎィ!
ドンッドンッと胸を叩いて興奮状態の自分を落ち着かせるデク。ここ胸、つまり心臓の高鳴りを静めようとしてるのがグッときますね…!
まさに今心臓が止まって動かすために尽くされてるかっちゃんと逆の行動って感じで。何となく〝動〟と〝静〟で対比されてるような印象があります。
改めてAFOと対峙するデクと2~7代目。皆が静かに勇んだ表情をしてる中、菜奈さんだけ悲しげな顔なのはやはり今の死柄木の状態を目の当たりにしたからでしょうか。
自分の孫が宿敵に身体乗っ取られた挙句、こんな手だらけの化け物になってちゃあな…そりゃこんな顔にもなるわと頷ける。
初代と8代目が描かれてないのは何か意味があるんでしょうか。少なくともかっちゃんの精神空間にオールマイトinOFAが現れたのは無関係だと思いますが。
しかし初代の方は何か異変があったんじゃと思わなくもない…いやたぶん継承者全員描くためのスペースがなかっただけだと思うけど。
グルグルと口の周りに「黒鞭」巻きつけてるデクかっけー!ちょうど手で口元隠してる死柄木と一致させるような描き方だ。
たぶんこれ口から出した「黒鞭」をそのまま巻きつけてる?暴走しかけた時点でも猿轡のように咥えてましたし。このヴィジュアルでされるとますます威圧感すごい。
デクからの問いは「まだそこに」「死柄木はいるのか?」。やっぱ死柄木を救うための対話を試みるつもりなんだな…!
まあAFOが素直に死柄木(というか転弧)の人格を出す訳ありませんが、実際ルミリオンの発言に反応してる訳で。デクの何らかの行動がそのトリガーとなる希望は確かにある。