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アイシールド21 連載21周年記念読切 『BRAIN×BRAVE』感想

※この記事は「アイシールド21 連載21周年読切 BRAIN×BRAVE」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 2,3P目でセナとヒル魔のお顔アップで映してからの見開きカラーどーん!なの、初っ端からヒルセナの圧が鬼すげえええ!

 僕らの知るアイシルが帰ってきたって興奮ハンパないですよ!オールスターじゃなくあえてこの二人だけなの、今回の読切はふたりが主軸って主張がちょう強い…!

 

 回想、数ヶ月前──…セナたちが部室に戻ればドローンから銃ブッパしたヒル魔、相変わらずの無茶苦茶っぷりだな!

 と思いつつ、本編に比べればこれでもマイルドになってる方とも思ったり。この辺リーチロー先生も令和のコンプラ意識してるのかな~…良い意味で時代に適応してる。

 

 RFIDチップはggったらガチでリアルでも活用されてるようでビックリ。この辺りの科学解説パートのノリはやっぱ石と同じ作者だな~…!

 ヒル魔の場合偽悪じゃなくガチの悪ってのが千空先生と違うところですがwコイツなら敵チームの衣服にも仕込みかねんって説得力ありすぎるよ!

 

 Mr.ドンから伝達内容はプロ入りはセナorヒル魔であること。AIで決定されたってのがまた最先端の要素です、つい先日の石読切のメデューサと重なる。

 さらにパンサーも同意見となれば否定する理由は読者目線でも見当たらない。リーチロー先生らしいノレる勝負の成立のさせ方です。

 

 で、その後敵同士なのに一緒に帰ってるヒルセナの距離感たまんねえ~!夜のこのしんみりした人気のない街の空気感たまんないっすよ!ずっと浸っていられる静寂さ!!

 目の前で脅迫手帳捨てたのも小細工無しで挑むことの表明として100点満点です、いや当たり前だけどなそんなん!

 

 「倒しに行きます全力で」「ケケケたりめーだ」のページは火花散らし合ってる~!雄としてめちゃくちゃ火花散らし合ってるう~!!

 このピリピリと静かにお互い意識し合ってる熱気たまりませんわ…!ここは丸々1P使ってデカデカと描く価値のある一枚ってのが確かに伝わってくる。

 

 時間戻って現在、炎馬vs最京。KILL KILLそれっぽく言いながら予定通り作戦実行するヒル魔、そういやこんな奴だったって憎たらしさすげえな!

 投げたと思わせて投げてない小賢しさも最早懐かしい。からの鷹へのパスはダイナミックで魅せるプレー衰えてないって興奮がヤバかった…!

 

 残り時間1秒はやはりポセイドン戦の残り2秒を思い出すシチュ。その状況で「あのチビカス共以外が相手ならな」と警戒する阿含、ちゃんと成長してんじゃ~ん!

 「1%負けるんだぞ」の精神じゃ~ん!このコマで阿含ヒル魔が並んでるの、古の阿ヒル推しが求めてるもの分かってる…!

 

 一休より先にボールキャッチ…──してからの超絶攪乱見開きは速さの表現として最上級の作画!改めて言うまでもないけどやっぱ村田先生画の力鬼すげええええ!

 ページめくった瞬間にこちらも惑わされる感覚が完全に本編と同じそれですよ!俊敏さの説得力で脳揺さぶられる感覚!!

 

 阿含抜く√は右か左か?と思わせてから直進という第3の選択肢を提示!

 ここで「デビルバットトライデント」とかいう「三つ又(トライデント)タックル」を直球にリスペクトした技出すの、進セナ推しへの供給もすげえな今作!

 観客席で後方彼氏面してるだけなのに進の存在感鬼すげえ!

 

 「だからこそ行く」はもう散々本編で聞いたやつ!ここ通じ合ってる!通じ合ってますよセナとヒル魔!!

 セナもいつのまにかヒル魔に勝負師としての思考回路染められてたんやなって…!泥門でチームメイトとして一緒に闘ってきたからこそのシンパシー。胸アツすぎるシンクロです。

 

 AGON&HIRUMA V.S. SENA&SHINのカットインも懐かしくなれるやつ!からの「俺だ」「僕だ」で阿含抜いて〆は見事に一番盛り上がったところで終わらせたな~…!

 いや当然勝敗は気になりますけど、あくまで番外編だし『最適解』の先へ征くってテーマは充分描き切ってたから問題ない。

 

 今回読んでて実に不思議な感覚でした。アイシル自体は15年振りなのにノリは石と同じだから「懐かしいのに懐かしくない」っていう。

 キャラ個別で見てもヒル魔が千空枠、モン太がクロム枠って感じなんですよね。政治的正しさを愚鈍呼ばわりしてたMr.ドンはゼノ枠といったところか。

 

 AIに人類は敵わない、その上でその先を目指すって人間讃歌の仕方も石に通じるなと。ゆえにアメフト漫画でありながらその枠に収まらないスケールのデカさを感じたというか。

 人間の力で地道に研鑽を重ねる素晴らしさは科学もアメフトも同じ。そんな懐広い肯定を感じる読切でした。