僕のコミックアカデミア

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僕のヒーローアカデミア No.410 『さらば!オール・フォー・ワン』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.410 さらば!オール・フォー・ワン」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください

 

【表紙】

 今年ラストの表紙は雪合戦するWJ主人公's!デクくんも両手で雪玉握って臨戦態勢!

 …って賑やかな光景なのに5年前の水で固めた雪玉思い出しちゃうの、かっちゃんの負の影響強すぎだろ!

 もうデクと雪玉ってだけで無条件にあの殺傷行為に接続されちゃいますよ!

 

【本編】

 「あの切り札(カード)」って何!?まだそんなんあんの!!?絶対終盤でまた乗っ取ろうとしてくるやつじゃ~ん!

 …と頭抱えたものの、メタ的に考えると割と納得ではあります。またAFOが干渉してくるくらいじゃないとデクが死柄木を”救ける”状況になり得ないですし。

 

 「嫌な事」ってのは兄弟揃って黎明期に迫害された経験か何か?いや殺人鬼の兄貴に執着されるのも充分嫌な事だろ…ってツッコミはともかく、

 AFOは人々に自分を見てほしい、だから嫌がらせして悪印象という形で覚えさせる…ってのがそもそもの行動動機だったのかな。

 

 AKACHAN FOR ONE略してAFO、哀れみと畏れを同時に抱けるヴィジュアルしてんな…か弱さを感じさせつつもこの無機質な感じが悍ましいというか。

 体中に入ったお馴染みの直線的な亀裂がやはり不気味。こんな幼気な身体に特大の悪意が宿ってる事実に寒気がしてきます。

 

 さすがのかっちゃんも疲労困憊のようで、しかし「放っておいても消える」は彼らしかぬ言葉だな…と思えば「倒れねーってのはクソ強ェだろ」よっしゃあああ!!

 切島くんに言ったあのセリフ、ちゃんと覚えてたんだな…!自らそれを体現してこそ爆豪のかっちゃんよ!

 

 地面を踏みしめる左脚がマジで力強いです、その重量感がしっかり伝わってくる。

 この物理的に踏ん張る図がジニさんの「踏ん張るにも~土台なくして成り立たない」って話に繋がってくるのね…上手いテーマの接続の仕方。

 地面の重要性を物語る象徴的な一コマです。

 

 口から射出した疣贄ドリルは黒鞭フロッピースタイルを思い出す絵ヅラ。そして合宿で「来んなデク」と言ってたかっちゃんが「(来るな!!)」と拒まれてるの、

 改めて畏れられる側になるまでの道のりの長さを実感するな…AFOが今いる位置に当然彼はもういないんだなと。

 

 頭貫かれて出血したかと思えば爆破の影だったの、これは上手いシルエットの使い方…!そんで砕いたドリル咥えてるかっちゃんはコエーよ!

 笑顔な分「鋲突」噛み砕いたデクよりマシですが!

 でも「オネンネの時間だAFO」って優しげな言い方で逆に厳つさ際立ってるよ!

 

 ドリル砕かれた衝撃のせいか一気に巻き戻り加速キモチイィ~~~!!いくらAFOといえどさすがに赤さんBOOMBOOMするのは絵ヅラやばそうでしたからね!

 勝手に自滅してくれて安心した。他人の憎しみを利用しようとした奴が憎い連呼して死んでいくの、まさに因果応報。

 

 AFOが死ねば”個性”は元の持ち主に戻る説は読者の間でも割と言われてましたが、当然そんな甘くはなく…。

 オリジナルが死柄木に移されたラグドールと違ってホークスはこの戦争中にAFOに奪われたので、「剛翼」とは本当にこれでお別れか…ちょっとこのコマ儚すぎる。

 

 ルミリオンは壊理ちゃんの”個性”で「透過」を復元してましたが、彼の場合因子を壊されただけで消えた訳じゃないんですよね。

 対してホークスは因子を奪われて今回AFOごと消失。あるものは直せてもないものは直せない…みたいな理屈でやっぱり復元は無理なのかもな…

 

 消滅の直前、一瞬映ったのは受精卵状態のAFO…!

 ここでグラントリノオールマイトが受精卵やら有精卵やら言ってたのが効いてくるのね…!

 かっちゃんが精神的に卵から孵化しかけてる一方でAFOはマジで物理的に受精卵に戻ると。そんな皮肉な対比に捉えちゃうぜ。

 

 オールマイトのスタンディング真似したかったかっちゃん、本ッ当最近ファンボーイ全開だなお前な!

 僕も開戦時から期待してただけにこの子ならしたがるって納得ちょうすごい!掲げたのがちゃんと同じ左腕(エンデは右だった)なのも完璧ですよ!

 旅立ちの鐘鳴っとる!

 

 「出久 頑張れよ」は純粋さ100%のエール。”頑張れ”って感じのデクに贈る言葉であることを意識してのチョイス…なのかは分かりませんが、

 彼にしては珍しいストレートな応援です。今はもうこれ以上の言葉は必要ない。先に勝利した者として綺麗にバトン渡せてます。

 

 回想、棺組の作戦会議。地上に落ちることを「タテ落ち」と表現するの、何!?もうジーンズ関係なくね!?と思ってggったらジーンズの色落ちをそう表現するそうです。

 かっちゃん鋭い。いやでも落下を色落ちに例えるのはやっぱよく分かんねえわ!死柄木色素扱い!?

 

 ジーニストが気にしてるのは肉体の主人格がAFOと死柄木のどちらか。AFOの野望が支配なのに対して死柄木は破壊、

 ゆえに後者だった場合支配の場として必要な土地すら壊す可能性があると。あとやけに畏まった口調のかっちゃん、もしかしてジニさんの口調真似してる?

 

 土地は勝った後も必要なもの…──って話を今したってことは、やっぱ今の決戦終わった後の再興パートも尺かけてやるんじゃん!そういうフラグに受け取れますよ!

 明らかに勝ってハイ終わりってなれる戦いじゃないですし。いきなり最終回にはならなそうで安心した。

 

 回想終わって現在、雄英の避難所…で息子のLIVE映像見てる引子さん、ヒロイン力すげえな!?

 主人公の名前つぶやきながら両手握りしめて涙流すの、紛う事なきヒロインムーブですよ!この漫画は正ヒロインが勇ましすぎるので見守るポジ担当はお母さん、それはそう。

 

 富士山バックに静岡が波に呑まれる光景の絶望感すごいな!僕らの世界遺産がぶっ壊されそうって危機感マッハですよ!

 「今の俺なら一週間もありゃ水平線に変えられる」は多古場海浜公園掃除して水平線作ったデクとの対比でしょうか。

 そんな最悪の水平線見たくね~!

 

 水中戦だからデクくんはいつのまにかマスク装着。スケールデカすぎて一周回ってふたりでサーフィンして遊んでるように見えてくるぜ…。

 そんな呑気な感想言ってる場合じゃないですが!でもこの光景はアニメ1期OPの轟くんが空中サーフィンとか言われてたのを思い出す。

 

 死柄木がAFOに感謝してるのは意外なようでそうでもないですね、蛇腔でも「今まで育ててくれたこと感謝してるよ本当に」と思ってましたし。

 ざまぁm9(^Д^)と嘲笑う訳じゃないけど未練はないくらいの質感が絶妙。最後に邪魔してきた師匠への感慨として納得深いです。

 

 死柄木の掌がデクの顔に触れそうになりおっぶぇ!?となるも、指薙ぎ払って防いで安心…かと思えば「危機感知」奪われてうあああああ/(^o^)\

 え、歴代の”個性”は普通に奪えるの!?てっきりOFAが奪えない限りそこに因子宿った歴代も奪えないと思ってたんだけど!

 

 OFAを奪うにはAFOの憎しみも必要らしいですし、そも身体の支配権取り戻したときに「俺はOFAなんていらない」と言ってましたが、

 それはそれとして読者目線ではヒヤヒヤしますわ…この後2NDの反動がある上に4TH無しで攻撃凌がなきゃならないの、かなり厳しくね…?

 

 これ「危機感知」が害意や敵意にのみ反応するのが逆に隙にならないかなあ。

 トガちゃんの好意に対して4THが無反応だったように、デクの死柄木を救けたい気持ちには反応しないみたいな。

 とはいえ単なる攻撃に害意や敵意を全く宿らせるなってのは無茶な要求ですが。

 

 Vol.36→37→38→39と連続で12話収録されてて今未収録分はNo.399以降なので、次巻も同様ならVol.40はこのNo.410で〆。

 AFO戦が完全決着したので区切りのいいタイミングです。あと12話で死柄木倒せるかは…まだちょっと怪しいラインかなあ。もう少しかかりそう。

 

【作者コメント】

「わりと長期連載なのに未だに小中学生からもお手紙を貰える。すごく嬉しい!ありがとう<耕平>」

 やっぱWJの読者層って年々平均年齢高くなってるんだなあ…そんな中でファンレター送ってくれるキッズの有難さよ。