※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.412 史上最狂のヒーロー」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
【本編】
皮膚下に黒鞭(5TH)張って筋肉伸縮、そんなんできるの!?これを発勁(3RD)と組み合わせてエネルギー貯めるの、効率的だけど筋肉に直に触れさせるのは正直抵抗あるな…!
とか言ってる場合じゃないですが今は!防御中にも力蓄えて時間を無駄にしないのは正しい選択。
握った拳でSMASH──!!と思わせて風圧で地面抉ったの、これは良い「崩壊」の封じ方!進行先を先に削るのは蛇腔でも行ってた防ぎ方です。
ここで初期から何度も使ってきたデコピンをプレイバックするの、感慨深さが強すぎる…!ささやかな原点回帰感があるんですよ。
後方に吹っ飛んだ死柄木が停止→再度前進したのは何らかの”個性”による効果?
AFOが爆豪戦で使用したのと同じっぽいリングが表示されてましたが、同一の”個性”なんですかね?
この中を通り抜けることで任意の速度チェンジ(減速,停止,加速)が可能になる”個性”とか…?
煙幕(6TH)で視界奪ってからの手首刈った一コマは上から下へのスピード感すごいな!カ゛の擬音の中だけ明度高いのが秀逸といいますか、
急に現れて接近された衝撃がダイレクトに伝わってくる。まるでこのクソデカいカ゛にこちらもブン殴られたような衝撃なんです。
煙幕(6TH)が散らないのは変速(2ND)を付与した効果。変速が人体以外に付与可能なのは黎明期のAFO戦で描写済みですが、
他の”個性”も対象だったのね…それを〝一速(ロー)〟で留めるのはなかった発想。気体にも効果あるとは思わなかったし想像以上に応用の幅広いな…。
元所有者のデクが危機感知(4TH)を逆手に取るのも上手いです。有用な”個性”だが具体的にどんな危機かは感知不能、
なら視界奪った上で鳴らしまくって実質機能させなくするのはアリな発想。発勁(3RD)による本命をアラートの嵐に紛れさせるのが的確に盲点突いてます。
しかしそんな策も「サーチ」による位置特定で封じられ──…おまけに変速(2ND)の反動の息切れも見抜かれる始末。
いつも分析する側のデクが逆に分析されてるのが焦燥感煽られますね…お株を奪われた感。煽りの面でもAFO超えを果たしかけてるのが成長を実感します。
「理解のできない物事に理由をつくって楽になろうとする」で真っ先に連想したのはやはりかっちゃん。
自分を救けようとするデクの行動が理解できず、見下してるからという「理由」を作ってたのがまさにそれ。
相手を理解する努力を怠り楽になろうとした良い例かと。
しかしそういう「狭い解釈」に相手を落とし込もうとする心理自体は別にかっちゃんに限らないと。
実際今のデクも死柄木からすればそう見えてしまうのは納得深いんですよね…仮にこの後救われるとしても、死柄木の心情が不明瞭な今この段階では全否定はできない。
「泣いていた少年」のコマは正直その、紙版だと印刷粗すぎてイマイチ何があるか見えないんですが…。
真っ暗なスペースの周りに何かの残骸が散らばってるって理解で合ってる?死柄木自らこれを見せてくるの、過去を弱みと捉えてない分救うハードルやっぱクソ高い…!
改めて告げられた「救いようの無い人間はいるんだよ」はシビアながらも後継に気負わせすぎない優しい一言。
自分たちの選択は間違いだったと捉えてる菜奈さんの言葉として納得深いです、その間違いの産物である孫を一刻も早く止めたいと責任感じるのは当然の感情。
「蓋を…しただけだろーが…」と指摘するデクくんはお口悪っ!いのはもはやいつも通りなんですが、「だろーが」はちょっと今までと方向性違くない!?
うるせェとかバカヤロー以上にかっちゃんっぽさすごいんだけど!切なげに溢れた涙とのギャップデカいですよ!!
「その蓋ブッ壊れるまで」「殴るのを止めない」宣言したデクくん鬼かっけええええ!!!
君がッ泣くまで殴るのをやめないッならぬ君をッ救うまで殴るのをやめないッじゃん!ジョナサン・ジョースター並の黄金の精神!
このまま逆らう魔王全員ぶっ救けていこうぜ!!
死柄木への意趣返しのような「ブッ壊れる」が特にポイント高いです、壊すのは何もお前らヴィランの専売特許じゃねえぞと。
救けるのに邪魔だったらこっちだってぶっ壊すぞと。言うなれば勝って救けるならぬ壊して救ける。そんな善の破壊行為に受け取れるわけです。
しかしよく見ると顔の真ん中にXの形にヒビが入ってる…?駆藤さんの傷のラインに対してもう一本直角に加えたかの様な形。
まるでOFAの出力に身体が耐えられなくなったような表現でめっちゃ不安なんですが…!笑顔と台詞は不敵なのが逆に破滅に向かってる感あるよ!
今回のサブタイ「史上最狂のヒーロー」は前回の「史上最悪の敵」との対比でしょう。
最強ではなく最〝狂〟なのが何ともデクくんらしい…!まさか史上最狂とかいうビッグスケールの称号頂けるとは思わなかったよ!
そりゃ駆藤さんもイカレた幻想呼ばわりするわ!
「平和ボケした傲慢な考え」は改めてボロクソだな駆藤さん!しかしまあ、黎明期というシビアな時代を生きた人の発言としてはご尤もです。
ナイトアイも「傲慢な考え」と指摘してましたし。
最終的に肯定されるとしても今この段階ではこういう視点はあって然るべき。
ショタかっちゃんを追うデクくんの回想は私闘でも描かれたもの。
この頃のかっちゃんが「嫌悪すべき人種」扱いされてるのは反論の余地なさすぎるな!オールマイトすらデ→爆の感情の一つを「嫌悪」と表現してましたし。
本人は言わなそうな単語ながらしっくりくる。
その嫌悪すべき人種にすら救いの手を伸ばせるのは「人の心」の存在を信じたいから──…つまりはかっちゃんに虐められても完全には見限らなかった経験が今活きてるわけか。
どれだけ拒まれようとその〝歩み〟を止めなかったのが今のこの揺るぎなさに繋がってると。
すでに謝罪が済んだ後もこうして拒まれてた頃の回想がされてると、「今までごめん」へのデクくんの返答は改めて描かれる気もしてきたな…。
人の心を信じる選択が間違ってなかったことへの彼自身の心境が知りたいというか。そこはずっと言語化してほしいと思ってる。
精神空間で突然下を指差したのはえっ、スター…?袖に付いた星の装飾が彼女と一致してる。
しかしAFOin死柄木に壊されたスター本人はもちろん、「新秩序」の因子もAFOの精神空間で散ったはずでは…!?
なぜ今このタイミングでいきなり歴代の前に現れたんだろうか。
スター(仮)が示した先は案の定真っ暗で何も見えないんですが、これは印刷の粗さ関係なく何も描かれてないって認識で合ってますよね…?
読者に対してだけ何があるかまだ映してないっていう。ただ一つだけわかるのは駆藤さんの反応的に相当予想外なもの、ってだけ…。
「キレイ事は…嫌いじゃない」はお馴染みの「命を賭してキレイ事実践するお仕事」に重ねた表現!
何だかんだ言ってやっぱOFA継承者はキレイ事が嫌いじゃできないんだな~!そういう人たちが託し託されを繰り返してきただけに納得深い。確かな駆藤さんのデレですよ!
そんな駆藤さんの秘策はなんとOFAの放棄──…!ここでOFAは拒む相手にも強制的に譲渡可能って設定が活きてくるのね…!
拒む相手すら救けようとするデクくんのヒーロー性の結晶のような設定だと捉えてましたが、この最終盤でそれを実行するのはまさにその体現。
他者へのOFAの譲渡という点では劇場版ライジングと同じですが、譲渡先との共闘ではなく譲渡先そのものの救済が目的なのは良いズラしです。
ナイン戦の二番煎じ感全然ない。他メディアで消化したネタと差別化して別の衝撃を提供するのは正しい原作の在り方でしょう。
死柄木は元無個性である可能性が高い面からも納得の展開。「崩壊」はオリジン回冒頭で転弧を送り届けた男──即ちAFOが与えた疑惑があるんですよね。
なのでこれとAFOで奪った大量の”個性”をどうにか処理すれば寿命削らずOFAを所持し続けられる…
かもしれない。
あとは言うまでもなく転(10)弧に継承順の数字が含まれてることからも納得…なんですが、いざOFA手放せと言われるとやっぱ名残惜しさすげえ~!
劇場版ライジング視聴後辺りから想定してた展開だけどそれでも喪失感ヤバいよ!実質読者に対する最終回告知じゃん!!
真面目な話どうやってOFA譲渡で転弧/弔を救済するんだろう…?前に精神空間でAFO師弟と対峙したのはOFAを奪われかけた時だったから、
今回は譲渡することでより深い対話を試みるとか?死柄木の心のより深いところに潜ればまた「あの少年」に会えるかもしれないと。
スター(仮)が指で示したのってもしかして奪われた四ノ森さんだったりするのなあ。「あの少年」に接近するための何らかの行為をしていて、
駆藤さんはそれを見て自分たちも加勢できるかもしれないと考えたと。具体的に何やってたかは不明ですがあり得なくはない。
しかし無個性ENDが目前に近づいてるとなると、前々から言ってた最終回でサポートアイテム纏ってプロヒやってるデクくんが現実味を帯びてきたな~!
ヒロアカ最終回、デクは全身アイテムフル装備でホークスは機械の羽操ってエンデヴァーは義手から火吹いて耳郎ちゃんは機械で音波キャッチする大サポートアイテム時代が到来してるかもしれん
— コウ⚡️✋⚡️🥦🗻 (@s_g_hrak) 2023年4月27日
アーマードスーツで戦ったオールマイトが「できるよ」と無個性でのヒーロー活動肯定したのもその文脈だろうと。
【作者コメント】
「被災された皆さまにお見舞い申し上げます。できる事をしていきます。<耕平>」
今まさに静岡塵にしてる本編との差!!