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僕のヒーローアカデミア No.332 『新型極超音速大陸間巡行』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.332 新型極超音速大陸間巡行」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【本編】

 回想、不機嫌なヤングスターかわいいィィィィィ!!!!今まで勇ましい印象が強かったからこういう子供っぽい一面見せられるとクッソ悶えるんすけど!

 お兄ちゃん達(ブロス)と対戦形式の訓練を終えた後の風景でしょうか、ケモ耳生えた人もいるのが文字通り"個性"豊かな部隊だ。

 

 女の子だから力の底上げ苦手説は「"個性"とは極めて内的なもの」+女の子は精神的にか弱い→そのか弱さが"個性"の扱いにも影響してる…みたいな理屈?

 うーんこの偏見。OFAを始めに確かに精神面が効果に影響する"個性"は色々ありますけど、「新秩序」がそうとは当然限らん訳で。

 

 「そういう"個性"ってだけだ」と読者全員の見解を述べてくれたのは恐らく現在スターと主に通信してるリーダー。

 何度も目元が描かれてたけどこのための描写だったのね…

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 黒い肌や垂れ目などの特徴が一致してる。このフランクな一言で確かにリーダーに相応しい器だと頷けました。

 

 その言葉を聴いたスターの嬉しそうな顔よ…!堀越先生がいつも描く女の子の表情なのが凄まじく安心する。

 これが素顔ならやっぱり「ケラウノス」形成までの画風違いすぎる顔は自分に設定したルールの効果っぽいなあ。

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 「大気」と「レーザー」にルール付けしたから解除されたと。

 

 「ゴリラ」が「嫌いな言葉」じゃないのがめっぽう好みです!女の子扱いされるのが嫌ならここで女の子としてキレたら一貫性ない訳で、

 安易にスターにそういう反応させない堀越先生の感覚は無限に信頼できる。ハ!そもゴリラ刑事みたいな人もいるのにキレたら異形型差別からな!

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 現在、スターへ向かう「ティアマト」の群れ。これらにルール付けするには設定中の「大気」or「レーザー」のルールを外す必要があり、スターが選んだのは後者。

 一方諸々の情報からまだ切り札があると踏んだ死柄木(orAFOor志村)も格高いです、相手を高評価してるからこその推測。

 

 戦いは「SHITTY(クソゲー)」「押しつけ合い」へ…この台詞、セメントスの「戦闘ってのはいかに自分の得意を押しつけるか」って至言を思い出すなあ…

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 そのPlus Ultra版というか。クソゲーって単語が死柄木寄りのセンスで安心できます、やはりただの乗っ取りではないんだなと。

 

 メソポタミア神話の女神のティアマトが生み出した怪物は全部で11体。

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 そして「フィスト・バンプ・トゥ・ジ・アース(以下FBTTE)」の透明な手の甲の向こう側から来る「ティアマト」は10機…

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 もしこの数が神話になぞらえたものならアグパーさんからのラス一はまだ届いてないのかな。

 

 戦闘機からのワンチャンジャンプ!これ、「レーザー」のルール解除した後画風違って見えるからまた自分にルール設定した…?

 流石に極超音速で飛ぶミサイルに生身の体で触れられるとは考え難いですし。で、「ティアマト」に触れるのとほぼ同時にすぐ自分の方のルール解除した?

 

 「肘から先が消し飛ぶ前に」は本体じゃなくてFBTTEの方かな…?

 このまま直進されると機体を掴んでる「大気」の方の手が消し飛ぶから、その前に死柄木(orAFOor志村)を仕留められる動きを設定したと。

 スター本人にはやはり触れても消し飛ばずに済むルールが設定されてたのかな。

 

 スターが設定したのは「『ティアマト』は旋回する!!」。

 前回の死柄木側の考察によれば「何かを噛ませる事で〜ルール付けすることはできない」らしいから「『ティアマト』は大気の拳に収まる」とかは無理なのか。

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 旋回ならあくまで動きを設定するのは機体のみだからセーフだと。

 

 「一本でも」「ルールを付与すれば」はその1本の回転力+FBTTEの握力でルール付けされてない残り9本も旋回するってことかな?

 それとも拳の中で機体同士が密接してるから、スターが直接触れてない「ティアマト」にも連鎖的にルール付けされた…って描写?ここどちらにも取れる。

 

 ケラウノスが消えた瞬間海面から飛び出す死柄木(仮)_____に降り注ぐレーザーの嵐!総合的な火力ではケラウノスに劣るだろうとはいえ、

 全機が綺麗に一点を狙い撃ちしてるのは見事なチームワークっすね…!仮にスターが負けても彼らが敗因とは判断されない描き方が徹底されてる。

 

 今回のサブタイは「新型極超音速大陸間巡航」_____からのパンチ!!この全く飾り気ない名前とクソデカすぎる破壊力のギャップが最高っすよ〜!

 「ティアマト」を掴んで回転したことで得た推進力でさらにその威力を増大させるとは…!確かに全弾確実に当てる方法はこれしかない。

 

 メソポタミア神話におけるティアマトはアッカド語tiamtum()が由来の女神であり、混沌でもあると語られてます。

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 大いなる海を盛大に爆発させた「ティアマト」…というかBFTTEはまさにその名に相応しい力強さ。罪深き者に鉄槌を下す怒れる巨神の如き姿に神聖さを見出せます。

 

 消し飛ぶ海、戦闘機付近まで及ぶ爆発___…その規模は遥か遠方の日本を飛ぶエンデヴァーが視認できるほどまで。そんな混沌の中、

 スターが視たのは水が全て吹き飛んで露になった不自然に窪んだ海底。さらにその一番深い中心部には掘ったような穴があり、中から出てきたのは____

 

 肉体再生中の死柄木(orAFOor志村)!こんな人体模型みたいな姿と化してもいつものニヤけ面で死柄木と察せる不気味さがヤバい。

 またしても菜奈さんの「笑ってる奴が一番強い」を最悪な形で実感させられた…。

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 メタ的にはここで死ぬ訳ないと解ってても絶望感凄まじかったっすね…。

 

 全面戦争では普通に扱えば最初に崩れる筈の自分の周囲の足場を残す形で「崩壊」を操ってました。

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 今回はその逆verと言うべきか、自分の真下以外の地底が崩れないように「崩壊」させた後、その中に潜んで「ティアマト」を回避した…と。

 この判断はAFO寄りの思考っぽく思えるな。

 

 お兄ちゃん達のレーザーを浴びてたのは死柄木ではなくニア・ハイエンド。「電波」による信号で爆発したのはナガンに付与されてたのと同じ"個性"による現象でしょうか。

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 ヴィジランテでもNo.6からの指示で爆発する爆弾敵が登場しましたが、

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 やはりあちらと同一の"個性"なのかな。

 

 「俺が敵じゃなきゃ火力不足なんて〜」は力の底上げが苦手なスターのコンプを刺激し得る言葉だな…。BFTTE+「ティアマト」×10まで費やして倒せなかった以上、

 逆に火力不足以外の言い訳ができないワケで。短い一言で的確に相手を傷つけられるのは流石魔王(の後継)と評すべきか。

 

 「ティアマト」は元ネタである神話でも敗北を喫した女神でした。

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 例の生み出した11の魔物のうちキングーがマルドゥクという神を滅ぼす為に軍勢を率いるも、気圧されて逃走し、ティアマトは殺されてしまいます。

 こういう文脈でも失敗が確定してたと思うと、なあ…やりきれない。

 

 AFO(or志村)の〝僕〟と死柄木の〝俺〟が混じり合った結果の「(ぼく)」。漢字とルビの不一致で「新たな人格」を表現するとは秀逸だな…!

 全面戦争ではAFOの台詞が「」になってましたが、

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 今回はそれが更に深化した結果というか。音としてはCV.内山昂輝で「ぼく」だろうか?

 

 スターの尊厳を踏みつけるような「もっと上手く使ってやる!!」宣言。仮に「新秩序」が奪われたとして、男である死柄木(orAFOor志村)が使ってみたら、

 スターよりも力の底上げに成功した…ってなるパターンが一番最悪だよなあ。「女の子だから」説の根拠が生まれたことになるし。

 

 戦闘機を飛び移る死柄木(orAFOor志村)に向けて大きく両腕を広げるBFTTE…宿敵でありながらまるで我が子を受け止めようとする母親のような包容力すら感じます。

 万一お兄ちゃん達が標的にならないように敵の意識を引くムーヴにも見える。とても死ぬ間際とは思えない勇大さです。

 

 ついにかかってしまった王手___…!しかしその直前に浮かべたのはどこか満ち足りたような不敵な笑顔。

 菜奈さんの「笑ってる奴が一番強い」を真に正しい形で体現してます、実の孫よりもその志を受け継いでる。もう恐れるものは何もないようなその表情に希望を見出せるのです。

 

 こうなると何か「新秩序」強奪を防ぐ策があると考えるのが自然ですが…死柄木orAFOor志村の認識が曖昧なままなら、ルールを設定する対象は自分自身?

 今画風は違わないから力は底上げされてないみたいですし。力の底上げをPlus Ultraするのか、別のルールで強奪を封じるのか…。

 

 アグパーさんからの「サービス」が新型(中略)パンチの中に含まれてたかも気になるポイント。

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 もし違うならそれが次回スターを救う伏線なのでは…と思えるんですよね。

 どちらにしろ「新秩序」だけは奪われたらマジで詰みなので、死ぬとしてもせめてあの世へ持ち逃げしてくれ…!

 

【作者コメント】

「川口先生お疲れ様でした!諸々落ち着いたらご飯行こう。次回作楽しみにしてます。<耕平>」

 打ち切りくらった元アシを労う漫画家の鑑にしてヒーローの鑑。まあ終盤の展開自体が〝救けを求める顔〟 みたいなモンだったもんな…。