※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.326 お前は誰だ」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
【本編】
冒頭、エルクレスかっ飛ばしてどこかへ向かうオールマイト。深刻な顔しながら外で単独行動取られると悲しいとか以前に笑っちゃうんすよね。
いやせめて護衛はつけようぜこの世紀末状態なんだからさァ!!無力感に打ち拉がれるのは分かるけど見てる側としては心臓保たなすぎる。
オールマイトin神野。地面のマスクはvsA組で障子くんの複製腕+黒影の終焉「胎」から脱け出した時に落ちたものですね。
傍らには轟くんがデクを阻むために生成した氷も…あの後そのまま放置されてるのか。それを見つめるオールマイトの視線がまた…酷くチッポケに見えてしまう。
"I AM NOT HERE(私はここにいない)"の札が未だにかけられたままのオールマイト像…その言葉通り今ここにいるのは一人の人間としての「八木俊典」。
彼にとっても「オールマイト」は輝かしい偶像だったんだな、っていう…力強いマッスルと非力なトゥルーの差が残酷に映る並びだ。
立ち去ろうとするオールマイト_____の前に現れたのはステイン!こ、ここで来たかァ〜〜〜っ!!ヒーローを崇める聖地で崇められてる本人に何者かを問う…とか、
まさにその信者に相応しすぎる役じゃないっすか!突きつけられた刃は実質インタビューのマイクみたいなもんですよ!
ステインとの面会はNo.257で予定を遅らせると語られてました。
あれ以降面会が実現したのか長らく不明でしたが、結局しなかったのね…その前に全面戦争→タルタロス襲撃が起きたからか。
オールマイトの現役時代にも姿は見せなかったらしいからこれが本当に初めての邂逅になる。
マッスルフォームを目にしてもステインは「贋物」と一蹴。これはイカれた信者の戯言…と見せかけて、
「オールマイト」ではなくその役を終えた「八木俊典」に向けた問いってことか。だからその名を口にするのは「騙る」ことになると。いやイカれた信者なのは間違ってないけどw
回想、中学時代の八木俊典の走る姿は構図から学ランまでNo.1のデクそのもの…!
もしかして彼が菜奈さんからOFAを授かるに至ったのもデクのような出会いだったり?
俊典も誰かの"救けを求める顔"を見て「考えるより先に体が動いていた」のがキッカケで後継者に選ばれたのか…?
「つながるOFA」を見て疎外感を抱いたオールマイト。いやそこまで悲観せんでも…と思った直後、ステインに無理やり肩組まされてる絵ヅラは正直ジワるな!
「まだ肩組む程仲良くは」がまた彼らしいユーモア。そう言われると刀突きつけられたままなのに仲良さそうに見えてくる…!
例の札をオールマイト像から外してる女性…が足から生やしてるのは何!?なんか雪だるまっぽく見えるんですが…!
モコモコって擬音が可愛らしいけどバランス崩して落っこちないか心配になっちゃうよ!やけに大きく見えるけどもしかしてこの像、本物のオールマイトよりデカい?
このモブは死柄木がお師匠の孫と知って絶望してたオールマイトに救けを求めた人。
顔を見て最初冷さん!?と思ったのは僕だけじゃないはず。
この「救けて」のコマだけ切り貼りじゃなくて新たに描かれてますね。
良いシーンだけど谷間の線足されてるのはちょっと笑ってしまうよ!
「それは"個性"に依るものではない!」は本質を突いた台詞!ステインが憧れたのはオールマイトの強さではなく、
ヒーローとしての信念そのものなので納得しかない言葉です。それは今の無個性の「八木俊典」にも偉大な「オールマイト」と同じ事ができると肯定する内容でもある。
「埋火」から「大火」へ…聖火に例えられてたOFAの継承ですが、その信念はデクだけでなく多くのヒーローに受け継がれてると。
A組の中でデク・爆豪・轟が特に大きく描かれてるのはオールマイトに憧れたトリオだからか。かつて贋物扱いされた飯田くんも描かれてるのが泣ける…!
「神が地に伏せ」はNo.317で離れるデクを止められず絶望するオールマイトの姿でしょう。
思えばステインに血を舐められた者も"個性"で無理やり地に伏せられるんだよな…。
彼にとってあれが憧れのオールマイト≠弟子を止められない八木俊典と痛感した瞬間だったのかもしれない。
「人のか弱き心をも得たなら或いは───」に続く言葉は「己が為にも存在を許される」?その前の「英雄の心は他が為にのみ存在を許される」と対になりますし。
だとしたら文化祭前に青山くんが言ってた「誰が為を考えると結局己が為に行き着く」をまさに体現することになるな。
タルタロスでの情報が記された紙を渡してくれたステ様粋すぎィ!しかし彼も囚人として拘束されてた筈なのに何の情報をどうやって得たんだ…?
AFOが刺客に選んだダツゴクのデータとか?でもその程度ならステインから渡されるまでもないし…AFOの動向を掴める内容なんだろうか。
"ヒーロー40名殺傷犯(ステイン)"は己を許されざるヴィランとして意識した呼び方。
ああ、もう成すべきことを成したら裁かれる覚悟なんだな…まあ初登場の時点で「俺を殺っていいのは ハア〜…」「オールマイトだけだ」と言ってましたが。
果たして彼はその本懐を遂げられるのか。
「全ては」「正しき社会の為に」は保須編でツバサくん(仮)からデクを救けた後にも言ってた台詞。
その信念自体は貫いたまま、その正しき社会の為に成すことだけが変わったのね。
この状況自体がヒーローを篩に掛けてる今、わざわざステインが粛清する意味もなくなったもんなあ。
今回のサブタイは「お前は誰だ」。ガチ勢ゆえに目の前の人物を「オールマイト」と認められず何者かを問うステインの言葉が、
逆に今まで尊重されてこなかった「八木俊典」を救うというこの因果…!拗らせてるけどその拗らせっぷりが良い方向に作用した感動が今確かにあります。
前回ラストの「雨未だ止まず───」と打って変わって「雨…止みそう」。
今ずっと雨描写なのは「デク」という名前の由来が宮沢賢治の雨ニモマケズだからと作者コメントで語られましたが、
漸くその終わりが見えてきた…!師匠であるオールマイトまで救われて初めて雨は止むと。
雨が止みかけの神野の空…それはまるでオールマイト像の突き上げた左腕がライジングの幼馴染の如く暗雲を吹き飛ばしたような光景。
この像を希望とした人々によって訪れる明るい未来を今の天気が予兆してるなら、この景色は確かにオールマイト(像)が作り上げたものと言えます。
【作者コメント】
「先週は休んですみませんでした!<耕平>」
…謝るな…!悪い事してねェ奴は謝んなくていいんだよォ…(byトゥワイス)