※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.218 異能解放軍」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
あ、作中ではまだ冬に突入してなかったのか。
と言ってもAB対抗戦が収録された21巻のオマケで、12/2が誕生日の希乃子ちゃんが15歳と表記されてたので、対抗戦が行われたのは少なくともそれよりは前だろうと薄々察せてましたが。
単行本購入者は一応事前に突きとめられる情報だった訳か。
冬の日常描写いいっすねー。学園モノだけあってヒロアカは季節の移り変わりを毎度丁寧に描いてくれるのだけど、各キャラの反応がそれぞれの"個性"や性格に基づいてるのがユニークでやはり面白い。
特に寒さでdownしてる梅雨ちゃんは対抗戦の時の頼もしい姿とギャップあってカワエェ…。
切島くんが乾布摩擦しようとしてるのはホント期待通りの反応だなこの子!きっとこの後鉄哲と我慢比べする流れになるのは確定的に明らかでしょう。
んで、峰田も外に向かってるのはナンデ…?まさか女子も裸で乾布摩擦するのを期待して目に焼き付けるため…?し、執念深すぎる…。
「轟たち」と聞いてるってことは、瀬呂くんに漫画を貸したのは轟くんなんでしょうか。かっちゃんはNo.163でJC所持してましたが、轟くんってあんま積極的に漫画読むイメージねーなー。
だってエンデパッパが「漫画じゃない!俺を見ろ焦凍ォ!!」とか言ってその手の娯楽禁止してそうだし…。
「爆豪くんも最近感じ良いし!悪いけど!」はトゥワイスみたいな言い方だなお前な。これ言ってるのは葉隠ちゃんでしょうか。
彼女は以前は「爆豪」と呼び捨てにしてたから誰の台詞かちょっと迷ったな…。
いやまあそこまで違和感ある台詞じゃないけど、ファンとしては少し気になった。
峰田も2トップが仮免落ちた時「ヒエラルキー崩れたり!」とか言ってたしキミら案外その差意識してるのね。
つっても上鳴くんはさほど気にしておらず、弟たちの帰りを待つお兄ちゃんみたいな態度なのが微笑ましいですが。そんでサラッとフォロー入れられる障子くんはマジイケメンやな…。
"個性"の発現によって世界が混乱に陥ったのは初代とAFOの回想でも描かれたことなので、その変化に対応できる技術を持ったデトネラット社が業績を伸ばせてきたのは納得です。
現実でも身体的な障がいを持った人には専用の用具や衣服が作られてるし、その延長と言えるんじゃないかな。
そんな話題性のある企業がヒーロー業界に進出するとなれば様々な声が上がるのは当然でしょう。が、肯定的な意見も0ではないんじゃないかなー。
他のサポート会社の反応が芳しくないのは自分たちの利益が奪われるのを懸念してると思われる。競争相手として脅威と見做してるのでしょう。
四ツ橋社長、親しみ易いキャラで部下とも良い関係築けてると思ったらいきなりハグからの圧殺キメてきてヒェッ…。
やーここ実にヒロアカらしい恐怖の煽り方です。華やかなCMから一転、凄惨な殺人現場を見せつけてきたのがヒロアカの光と闇のギャップを象徴するかのような落差だ。
殺した後涙を流してた辺り宮下さんのことは本気で評価してたんでしょうねー。イカレてるけどここでもう強くは憎めなくなりました。
彼にとっては父(もしくは祖父?)であるデストロが全てだったんでしょうし、それを信頼してた部下に踏み躙られた時の悲痛な気持ちは想像に難くない。
勿論身勝手で無慈悲な行為であることに変わりはないんですけどね。
だが身内を侮辱する宮下さんの言葉を聞いて怒り狂うのではなく、彼への優秀な部下って評価はそのままに、悲しみに暮れながら殺害を実行したところにある種の器の大きさ、そして人間臭さが感じられたんですよ。
思想には賛同できないけど、自分の信じるそれを否定された時の気持ち自体は分かるというか。
そもそもまだ明かされてないだけでデストロが実は同情できる動機で異能解放運動を行ってたって可能性もある訳だし、少なくとも今はまだ社長のことをあまり強く否定する気にはなれないです。
デトネラットという社名の由来は恐らくdetonation(爆発)+rat(ネズミ)でしょう。
ヒロアカ世界ではネズミから"個性"が世界に拡がったという説があり、デストロはそれを支持するようなエンブレムをつけてたので社長もその意志を継いでると思われる。
ネズミが異能解放の象徴って訳だ。
製品開発で培った生産技術、解放を求める者たちの意志…。前回までOFAという"個性"の蓄積を強調して描いた後に、"個性"以外の蓄積を持った敵をお出ししてきたのが憎い構成です。
能力バトルものにおいて能力以外の武器を持った敵が相手なのが新鮮だし、一筋縄じゃいかない予感がする。
異能の解放を主張する社長の思想は、異能="個性"を封じる弾丸を作ってたオバホの対極にあるとも言える。
超常によって没落した組織の一員と、超常によって社会的地位を得た成功者。その立ち場の違いがそれぞれの目的に表れてます。堀越先生はここ意識的に対比させてるんだろうか。
死柄木たちを敵と見做してるってことは、解放軍の目的はあくまで異能の解放だけで秩序を壊すつもりはないのかな。
それは連合の方がまだ現実的と思える目的なのだけど、今の地位まで上り詰めたほどの男が無策とは考えにくいし、何かそれを実現可能にする算段があるんだろうか。
何にせよ社長は今までの敵とは違ったアプローチでヒーロー社会に疑問を投げかけてくれそうですね。
ヒロアカは"個性"というファンタジーに対する社会のリアルな変化を描いてるので、ならヴィランって立ち場ではなく表社会の成功者って地位から悪事に手を染める者がいても当然だよなと。
場面は変わってヴィランの集団が暴れてるどこかの商店街。気になるのはやはりリーダー格の男がこれ見よがしに口元に着けてるマスクです。
社長の言う「解放を求める者」に彼らも当てはまるなら、彼が着けてる器具はデトネラット社製で秘密裏に社長が横流ししたものなんだろうか。
つまり社長はヒーロー業界に自社の製品を売り込む一方で、ヴィラン側にもそれをバラ撒くっていう、かつてオバホが目論んだのと同じことを行おうとしてる?
いや目的が"個性"の無力化ではなく解放であり、更に社会的な信用も得てる分社長の方がよりその実現に近い立ち場にいると言えるか。
使いたくてしょうがなかったとばかりに"個性"ブチかました2トップはストレートにカッケー!!
冒頭でこれから最終試験と思わせて、そこすっ飛ばしていきなり"個性"を解禁させたのはインパクト抜群な演出です。今の2人なら合格するのは最早確定事項だったしキンクリしても何ら問題ない。
かっちゃんが電柱にぶら下がってるのは恐らく逃げてる一般人に爆撃が当たるのを避けるためでしょう。地面と平行に放つとこちらに向かってくる人々に当たってしまう危険があるため、上から斜めに狙い撃ったと。
構図としてカッコいいだけでなくちゃんと意味ある配置なのが丁寧で良い。
そして何よりあの籠手ですよ!他はいつもの制服なのに右手だけ例の籠手を装着してたのが最高に興奮した…!
元々一部分だけ戦闘用の装備で戦うシチュが大好きで、かっちゃんもいつかやってくれねーかなと思ってたんですが、今回遂にそれを拝むことができた。そう思うだろ?アンタも!
一方の轟くんは赫灼熱拳をどの程度使えるようになってるかが気になるところ。
前回修得を誓ったばかりだし、道端のモブヴィラン程度の敵との戦いでお披露目するのは勿体ない気もするけど、ある程度なら使い熟せてても問題ないんじゃないでしょうか。
かっちゃんとの共闘にも期待。
しかし異能の行使は人として当然の権利と主張する四ツ橋社長が登場した後に、資格によって異能="個性"の使用を許可されたばかりの2トップが駆け付けたのがまた何とも皮肉な対比だなぁ。
"個性"の使用は規制されるべきか否か、それを問う章の幕開けに相応しい開戦と言えよう。
実際ここでもし2トップが資格を持ってなかったら2人は飛び出さなかったのか、本当にそれで正解なのかって疑問は浮かんでくる訳ですよ。
そしてそんな場面はこれまでも何度もあった(ステイン戦、I・アイランド…etc)。その問題に四ツ橋社長は切り込んでくれそうで心待ちにできるんです。
異能解放軍編、導入から早速盛り上がって参りました。
A組全員の"個性"解禁による自由度up、敵に対抗してこちら側もサポートアイテムによる大幅な強化、そしてその開発のための発目ちゃんを始めとするサポート科の出番など、期待が膨らむ要素がありすぎて今から全力で待機できます。
↓他の週刊少年ジャンプ2019年14号掲載作品の感想はこちら