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僕のヒーローアカデミア No.239 『後継』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.239 後継」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

【本編】

 久々に聞くスピナーの語り、何かすっごい安心感あるな…。最近は死柄木のオリジン回が続いて独白もずっと彼のものだったから、この章の本来の語り部はスピナーだったと思い出せた。

 緊迫した状況と「よう俺だ 伊口秀一ことスピナーだ!」って軽快な挨拶のギャップにホッとできます。

 

 建物やモブ戦士のいる地面にまで亀裂が走ってるのに、花畑のバンには崩壊が伝ってないのはなんで…?

 崩壊の伝わらない物質があるとか、高速で動いてるものには影響が及ばない、みたいな例外もあるんだろうか。ここは気になるのでできれば詳しいアンサーを求めたいっすねー。

 

 「人の生命も進歩も努力も一切が自分の手中にある」はまさにAFOイズムの極みというか…。

 死柄木に自由を与えるかの様な口振りですが、その実AFOにとっては死柄木もその言葉通り奴自身の手中にあると思うと、やはり胡散臭い台詞です。 ニヤけ面でこれを言ってるのが容易に想像できる。

 

 ただこの台詞を聞いても今はあまり死柄木を一方的な被害者とは見做せなくなってきました。

 それは彼自身が己のオリジンを悲劇とは断じず、心ゆくまで崩壊を愉しむ姿を見せつけられたからだろうか。AFOの「君は自由だ」という言葉も強ち嘘とは決めつけられなくなってきた。

 

 今の絶対壊すマンと化した姿がAFOによって誘導されたものでも、死柄木自身が今の自分を肯定できたのならそれでいい…そう思えたんですよね。

 倒すべきヴィランかそれとも救うべき被害者か、死柄木はどちらなのかを判断するのは彼の今後を見届けてからでも遅くないと思えた。

 

 なので今回死柄木が思う存分に"個性"を振るう姿は清々しいものとして見られました。四ツ橋社長の言葉を借りるならまさに解放的な気持ちで見届けられた。

 作画の圧が凄まじくてねー、見てるこっちまでハイな気分になれたもん。社長が自分より解放の名に相応しいと認めたのも納得ですよ。

 

 唯一悔やまれるのはクレストロが登場してたった2話で破壊されてしまったことですね…!せっかく個性的で良いデザインしてるんだからもっとグリグリと動き回る姿が見たかった。

 まーあの崩壊の嵐の中でそれを求めるのは酷ではありますが。アニメではもうちょい動かしてくんねーかなー。

 

 けれども崩壊にひっかかれば即脚を切断、花畑を制止して敗けを認めた社長の潔さは素直にカッコよかったです。

 死柄木の解放っぷりに屈しはしたものの、11万人を超える戦士を率いてきたリーダーとしての格は最後まで保ってくれた。ここは今までの健闘を讃えてやりたいと思えたよ。

 

 死柄木の悍ましい笑顔の前では戦士たちを扇動しても効果はない様子。

 つまり花畑の扇動は対象が元々持つ闘志をバフするためのものだから、対象にハナから闘志がない場合には扇動しても無意味なのね。

 まあ自分たちのリーダーが完全敗北してる光景を見せつけられたなら無理もない。

 

 そして遂に社長から「異能解放軍はお前の後についていく」という言葉が…!

 ふーむ、つまり以前のスピナーの「敵連合は____消滅する」は、解放軍を傘下に置くのを機に組織名を改めるって意味だった…ってことでいいのかな。

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 今の時点ではどんな名前になるか全く予想つきませんが。

 

 んーでもこれ、社長はよくても他の戦士たちは連合の下につくことに納得してくれるんですかね…?

 連合は死亡者0なのに対し解放軍はモブ戦士が多数死亡、更には幹部のキュリオスまで殺されてるし、彼らが綺麗さっぱりその件を全て水に流してくれるとはちょっと思えないんだよなぁ…。

 

 あと社長は自分と違って指導者の立場に囚われない死柄木の姿に惹かれたのに、彼に解放軍を託すのは自分のその窮屈な立場を押しつけることになるんじゃ…とも思うんですよね。

 となると死柄木が解放軍を率いるというよりは、解放軍の戦士たちが勝手に連合についていく形になるのかな。

 

 ただこれで死柄木が矛を収めてくれるなら、連合に喧嘩売ったにしては安い代償で済んだ方かな。両腕捥がれた上に壊理弾まで奪われてムショにぶちこまれたオバホに比べたらまだマシよ。

 解放軍の幹部勢は良いキャラしてると思ってたのでここで退場しないでくれるのは嬉しい誤算です。

 

 氏子に向けて言った「あんたは世にも美しい地平線を見られるよ」もここで回収。

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 比喩とかではなくマジに実現させてみせるとは…これはヴィランの王のUTSUWAですわ。

 「ガタガタで歪な地平線」って部分が好きですねー、死柄木自身の歪さがそのまま反映されてるようでグッとくる。

 

 「後継…!」とか言いながら感極まって泣いてるマキアで草ァ!!

 いや四ツ橋社長に膝をつかせてる死柄木の姿がかつてのAFOと重なったのは理解できるんだけども、あまりのオチる速度の急激さに笑いを禁じ得ない。

 何だコイツ、ツンとデレの落差が凄まじすぎるぞ…!?

 

 つっても社長の前に立つ死柄木の姿は確かに王の風格を感じさせるものだったので、マキアがここで認めるのは不自然ではないですけどねー。

 以前語ってた「王とは」「畏怖され 求められる者 強い者だ」を今回の死柄木から見出したのは想像に難くない。

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 語られずとも容易に察せる理由です。

 

 途中連合の何人かの暗い過去が明かされたりしたけども、最後は当初予想したより大分爽やかな決着になったなぁ。

 死柄木の「おまえ社長だから金あるよな!」も陽のオーラに満ち溢れてて、まるで生まれ変わったかの様な表情だった。ルフィとか悟空に近い快活さが感じられたよ。

 

 OFAに歴代継承者たちの"個性"が発現すると告げられた時は死柄木にデクの相手が務まるのかと思いましたが、今度は逆にデクで相手になるのかってくらい死柄木が強化されましたね…。

 クライマックスに向けていよいよインフレが加速し始めてきて、デクvs死柄木への期待が高まってきた…!

 

 あと気になるのは恐らく今こちらに向かってるホークスかなぁ。すでに決着のついた泥花という戦場に彼がどう関わってくるのか…死柄木とはここで内通者として邂逅を果たすんだろうか。

 だとすると必然的に解放軍とも関わる必要が生まれて、ますますホークスの手が穢れることになるな…。

 

【作者コメント】

「髪切りたいけど時間がもったいない気がして気付けば肩甲骨下辺りまで伸びてました<耕平>」

 死柄木も初期と比べると大分髪伸びたしやっぱり堀越せんせー=死柄木じゃないか。

 

 

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