僕のコミックアカデミア

イェイ イェイ ヒロアカ最高 ヒロアカ最高 オマエもヒロアカ最高と叫びなさい!!

僕のヒーローアカデミア No.366 『桃』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.366 桃」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 前回突然生えてきた志村一家の肉塊、この局面で一体どんな戦力になるんだ…と思ったら、まさか一人一人が一本ずつ死柄木の巨大な指と化すとは思わなんだよ!

 いやあこれは良い意味で斜め上の展開です、ちょうど志村家が転弧除いて父母祖父母姉の5人で五本指に収まるのが奇跡的な一致…!

 

 2015年46号のWJ表紙の指人形を思い出した読者は多いんじゃないでしょうか、かくいう僕もその一人です。

 ググったらこのデザインの指人形ってまだグッズ化されてないんすね、じゃあこの際この志村一家の指とセットで商品化しちゃえばいいじゃ~ん!…ってのは人の心がない発想ですけど!

 

 配置は親指が真子(祖母)、人差し指が直(母)、中指が弧太朗(父)、薬指が千津夫(祖父)、小指が華(姉)?法則としては背の高さ順でしょうか。

 最も背の高い弧太朗さんが最も長い中指、最も背の低い華ちゃんが最も短い小指といった具合に、実際の五本指の長さと順番が揃うように並んでると。

 

 こんなギャグみたいな姿ですけど、これが家族に守ってもらいたいって気持ちの反映だとしたら…だいぶ切ないです。

 ただ単に巨大な手を作りたいなら普通の指を形成すればいいんですよ、なのにわざわざ家族の形にしてあるのが…転弧の人格の祈りが反映された結果なのではと考えてしまう。

 

 死柄木の変化の要因にかっちゃんが与えた〝焦り(こころ)が挙げられてるのはデケェ功績だな!

 わざわざ〝蓄積ダメージ(からだ)と別カテゴリーで並べられてるのはその事実を強調する為でしょうし。この表現からして少なくとも今あの特攻が爆豪ageとして描かれてるのは確定的に明らか。

 

 ミルコの「いい加減に」「しろよゴラァ!!!」は読者の代弁すぎて笑っちゃったよ!鬼滅の無惨戦で甘露寺さんが「もういい加減にしてよぉ!!」「馬鹿ァ!!」って叫んでたの思い出したよ!!

 堀越先生もそろそろ展開的に間延びしてくる頃だと意識してたんだな…と察せてシリアスな笑いだった。

 

 そんなミルコを志村家フィストでブッ飛ばす死柄木の力強さよ…もうやめて!ミルコの四肢はあと一本よと叫びたくなる。

 デカデカとSMASHの文字が描かれてるのがまた冒涜的です、こいつオールマイトの技パクりやがって…!と憤れる。デクがリスペクトで真似するのとは全然印象が違うのよ。

 

 次のターゲットはサンイーター。前回両腕の変形が死柄木と同じっぽく見えたんでもしや指食ったんじゃと思ったんですが、

 今回見る限り違うっぽい?

 「波動砲」撃つ為に食べた食材をまた「再現」してるだけに見える。怖い物見たさで指増殖させる天喰先輩も見たくはあったんですけどね~…

 

 上方から「波動」撃ってきたネジレちゃんも排除。ここ、左腕を振るった風圧ではなく自分の指の肉片を飛ばして攻撃してる?

 それとも単に地面に落ちてた指が風圧で一緒に舞い上げられただけ?どちらにしろこの雑な対処でダメージを与えられる膂力がヤバいです、近付きたくなさがすごい。

 

 「おまえに」「何も無いのはわかってる」はやはりOFAを指した台詞?いやルミリオンが継承者候補だった事実を死柄木は知り得ないはずですが、

 少なくとも読者目線だとデクとの対比を意識させられるよなあと。ミリオ先輩本人はナイトアイが自分を事務所に招いた意図を知ってるんだろうか。

 

 ジーニストの印象では今の死柄木は「拒絶の形」。冒頭の「誰も近寄らせず~」もそうですが、表現がかつてデクの救いを拒んでたかっちゃんと重ねられてる気もしますね。

 他者を遠ざけたい心理は誰もが持ち得るものであり、それが形となった姿がこの身体を手で覆い隠した形態であると。

 

 死柄木の周囲に展開されたジーニストのワイヤー陣も突破され…ルミリオン以外ほぼHP消費しきったヒーロー勢。

 サンイーターの側に落ちてるのは蛸の触手でしょうか。

 これが先ほどまで「再現」してたものだとすれば、やはり死柄木の指を食って増殖しようとしてた説はナシの方向だろうか。

 

 「こんなのが!」「俺の未来なのかよナイトアイ!!!」は悲痛すぎる叫び…!

 ここで「未来」という単語が出てくる辺り、ミリオ先輩にとっていかにナイトアイの最期の言葉が支えとなってたか察せますね…

 デクにとって「君はヒーローになれる」を否定されるようなものだろうなと想像できる。

 

 マンダレイからの電磁バリア二秒間解除の伝令。この時点であっ…と察せて2828できたんですが、そういやあんま意識してなかったなバリア通過問題!

 いや全く意識しなかった訳じゃないけどここまで重大問題として扱われるとは思わなかったというか。あっそこ丁寧に描くんだ!?っていう。

 

 今回のサブタイは「」。冒頭1P目でこの単語を目にした時点で「桃が生ってるよ!」とヤオモモくらいしか思い浮かばなかった訳ですが、

 まさかマジでこの局面で披露するとは予想できなんだよ!!集中線で強調されたケツの圧が凄まじくてこれは意識奪われるわって説得力がすごかった…!

 

 「桃が生ってるよ!」って作中でまだ2回(壊理ちゃんの雄英訪問時とねじれ先輩との初交流時)しか描かれてなかったんですが、

 それでもミリオ先輩の持ちネタとしてちゃんと擦り込まれてたからすげえな。ナイトアイじゃなくてもプロになってもこれ持ちネタにしてる未来が見えましたよ今!!

 

 こんなギャグみてーな流れですが、ナイトアイに初披露した時のミリオ先輩視点の回想はちゃんとエモく感じられたからズルいです。

 この人元々こんな無邪気に笑ったりできたんだ…って意外性がすごかった。これはデクが来る前のインターン時代のやり取りをもっと拝みたくなりますね~…!

 

 ナイトアイが死の間際に視た未来って結局不明のままですが、ふと今回の「桃が生ってるよ!」のシーンだった説が浮かびました。

 いやだとしたら面白すぎるのは分かってますが、ある意味最もヒーローやってる瞬間じゃあないですか今回。強くは推さないけど想像してみる楽しさは割とある。

 

 しかし一方で肝心の死柄木にはこのネタウケるのか…?って緊張感が凄まじかった訳です。で、恐る恐るページをめくったら…

 デクくんもういるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?!?!!?いるぅぅぅぅぅぅぅぅぅッゥゥ!!!!!!志村後ろうしろー!じゃなくて左斜め上ー!!

 

 この見開きすっげえ天才的な構図だな!?死柄木を前方に配置してあえてデクは背景にちっさく描くことで、逆にその存在感が増しとる…!

 全く想定してなかったパターンの登場で見た瞬間鳥肌立ちました、あと数秒後にデク自身が弾として射出される瞬間を切り取ったこの臨場感が半端ない。

 

 デクの最後の登場は30号(6/27発売)掲載のNo.357のラスト。

 まだ三ヶ月も経ってなかった訳ですが、かっちゃん死亡回からがとにかく長く感じましたね~…!

 荼毘は復活するわAFOは巻き戻るわエッジショットは爆豪救けるの意味不明と叩かれるわで、マジでストレス溜まりっ放しだったからね…。

 

 背後に広がってるフルカウルじゃない方のエフェクトはここに来るまでに「発勁」で蓄積した運動エネルギー?それともまさか、未だ不明の2代目の"個性"だったり…?

 いやでも2ndにまでエフェクトあったらエフェクト大渋滞で見辛くなっちゃうんで、やっぱり「発勁」のエネルギーだろうか。

 

 後続の戦闘機のチームは形状からしてやはりスターを支援してたお兄ちゃん達(ブロス)でしょうか。

 アグパー司令の指示かは不明ですが、彼が大統領を説得してた時点でもう動いてたと思うとセリフに重みが増すな…言葉に行動が伴ってる。

 彼らもまた子供を救けるヒーローと呼ぶに値します。

 

 Vol.34掲載のプロフでは彼らのリーダーであるイーサンについて「作者がとても気に入ってる」と語られてたんですよね。

 なので元々再登場の可能性はあった。欲いえば送り届けるだけじゃなくデクと共闘してほしい…!無論連携のレベルは長年組んでたスターと比べれば落ちるでしょうけど。

 

 「は?」プッって笑ってる死柄木は癒し度超たけえな!?これで動き止められるか不安だったから求めてた通りの反応で安心感超パない!

 あ、死柄木にもまだこんな下らないギャグで笑えるユーモアが残ってたんやな…って。こういう感性があるならこちらもまだ人間味感じられる訳ですよ。

 

 この「は?」プッは転弧でもAFOでもなく死柄木弔としての反応と捉えていいでしょうか。

 幼い転弧ならもっと無邪気かつストレートに笑いそうだし、AFOにここで笑いが出る人間味があるとは考え難い。ここはいつもシニカルな死柄木が見せた純粋な一面と捉えた方が意外性強いんですよ。

 

 さらにページめくればデクさんのご尊顔ドアップで描かれてて堪んねえ~!!この真っすぐで決意の宿った瞳が主人公力高すぎる。

 多分これ、敵としてだけじゃなく救済対象としても死柄木を見てるよね…?無言だけどこの目が全てを物語ってる。これは丸々1P費やして描く価値ありますよ!

 

 何となく今のデクはかっちゃんの死(仮)にブチギレない気もしますね。無論怒り自体は生じるでしょうが、万縄さんに「肝心なのは心を制する事さ」と言われてる以上、

 エッジショットによる蘇生を信じて待つんじゃないかと。蛇腔と同じ事繰り返すより静かに怒りを燃やしてほしいんですよ。

 

 デクを見上げる死柄木の目もすっげえ印象的です。例えるなら夜が明ける瞬間の太陽のような、そんな眩しいものを不意に目にしたような反応。

 もうこんな手に塗れたお化けなのにこの瞳だけは人間らしい純真さが感じられるんですよ。確かにその目でデクの姿を捉えたのが伝わってくる。

 

 この見開き2Pちょう芸術的です。神秘的といってもいい。宿敵同士なのに通じ合ってるというか惹かれ合ってるというか、

 まるで世界にこの2人だけになったような神聖さなんですよ。巡り会うべくして巡り会ったって実感が今すごい。OFAとAFOの運命的な繋がりの強さを改めて思い知らされた。

 

 で、次のページに進めば渾身のSMASHH!!お見舞いしてて期待通り!この〝静〟から〝動〟へ切り替わった一瞬の衝撃がたまんないっすね!!

 直線的なアクションが実に気持ちいい。何よりSMASHと擬音出してミルコ殴った死柄木に本家のスマッシュ見せつけるような流れが鮮烈すぎるんですよ!

 

 死柄木に喰らわせた攻撃のエフェクトが丸い面として表現されてるのが少し気になるんですが、これって何か意味あるんですかね?単に凄まじい速さで通過したことの表現?

 それとも実は2代目の"個性"が何らかの形で作用してたり…?2ndの詳細気になりすぎてすぐ勘繰っちゃってんな自分。

 

 防御形態に移行しても未だに死柄木が右手から指増殖しないのも気になります。僕は掌の"個性"奪うための穴を塞がないためと予想してるんですが、

 かっちゃんがそれに気付いてたならデクも気付く可能性はあるよなあと。いつものブツブツ披露して本家の観察力見せつけてほしいっすよ!

 

 何度も予想書いてる2nd、そして2代目の素性判明にも期待したいです。2代目が両腕に装着してた籠手、加速への応用が可能なことから「爆破」と似た"個性"だと予想されてますが、

 やはり僕はかっちゃんとの血の繋がりはナシ派なんですよね。とりあえずまずはそのお披露目を神妙に待ちたい。