僕のコミックアカデミア

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僕のヒーローアカデミア No.360 『それでも』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.360 それでも」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。


 頭踏み付けられようと折れてない方の腕で反撃試みるかっちゃん、流石のしぶとさ…!タフって言葉は大・爆・殺・神ダイナマイトの為にある。

 踏まれた状態からの爆撃って点では期末試験のvsオールマイトのセルフパロっぽくもあります。

 言いかけた台詞も「うるっ(せえ)」で一致してるし。

 

 しかし足の指で髪掴まれて持ち上げられ、ストパンからの爆撃は明後日の方向へ_____…ご丁寧にまた籠手壊して掌からの爆破も封じてるのが抜かりない。

 この一連の動作、今のかっちゃんはもう"個性"無しで雑に扱われる程度の存在だ、って負の衝撃がヤバかったすね…直視するのが辛すぎた。

 

 「"個性"が抹消されてて逆に良かった」→「死体が残る」って言い回しもな~…!前回必死に叫んでた相澤先生に対する嫌がらせのような台詞ですよ!!

 別の生徒への煽りに使わせるために生徒を守ってた訳じゃないのに…っていう。よくこんな嫌味な台詞言えたもんだと逆に感心するレベル。

 

 「くし刺しであの怒りようだったからなァからして前回の「緑谷出久と最も仲が良い」はやはり蛇腔戦での共闘からくる発言だったっぽいな。

 まあその認識自体はともかく、かっちゃんの死体見せてキレさせるって発想は間違ってない。正直読者としてもそういうifに興味なくはないんです。

 

 増殖させた名無し柄木の右手に握り潰されるかっちゃんのイメージはうわわわわわ…!背徳感マッハすぎんだろ!!!

 オモチャの人形のように壊されてる人権の無さがちょうヤバい。尊厳破壊という概念の具現化みたいなインパクトの強さ。絶望的すぎて負の芸術性すら感じるクオリティです。

 

 しかし現実のかっちゃんはまだ無事。

 となると名無し柄木には右手を増殖できない何らかの理由があると考えられますが、その答えはやはり"個性"を与奪するための掌の穴でしょうか。

 この部分を失うと手自体の増殖はできても穴の再生は不可能なため、左手の増殖のみで攻撃を行っていると。

 

 「緑谷出久(OFA)の金魚の糞」はなァ~…!無論冒涜的な発言なんですけど、この物語の縦軸がOFAvsAFOである以上、そこに一番近い距離にいた彼がそう揶揄されるのはある種納得でもあるんです。

 だからこそ!かっちゃんにはその印象覆す活躍をしてほしいんですよ!デク不在のこの状況で!!

 

 ネジレちゃんが放ったのは新技「捻れて穿つ槍(グリングパイク)」!

 これかなり速く見えるんですが、先を尖らせることで「ねじれてしまうので速度はない」って"個性"の弱点を補ってる?

 だとしたら合理的な解決法。同時に殺傷力も高められるし、名無し柄木のような対化け物専用の技だ。

 

 それに対してかっちゃん盾にするのはもはや期待通りだな!名無し柄木改めAFOならそりゃこうするって負の安心感が半端ない。

 仲間の命を犠牲にできないヒーローの弱点を忘れることなく突いてきてます。直前で「波動」を曲げて直撃回避させたネジレちゃんのコントロール力に感謝しかない。

 

 続いて名無し柄木を攻撃したのはサンイーター!「オクトパスミラージュ」はタコの擬態能力、「スコルピウストキシン」はサソリの毒か。

 タコ自体は再現したことありますが擬態は今回が初、サソリは再現自体が初めてですね。前回のヒキで何か食ってたっぽいのはこれらだったのか…!

 

 しかしその毒も名無し柄木は即席で作った口から吐き出して対処。これ反則臭ェ~…!手以外も増やせたんかい!!

 この機能を見る限り、「適応」ってのは任意の器官を自由に生やすことっぽい?とだけ書くと障子くんの「複製腕」っぽいですが。彼のように目や耳の複製も可能なんだろうか。

 

 指の群れを「透過」してかっちゃん救出してくれたルミリオンGJ!マジGJ!!名無し柄木に存在認知されてなかったアドバンテージを見事に活かしましたね…!

 加えてこの指の群れが視界を遮ってるっていう説得力もデカい。気付かれずにこの距離まで接近できても全く違和感ないです。

 

 ルミリオンが「伝達と警護」担当なのはなるほどなという感じ。確かに彼の「透過」なら†天空の棺†内部を最短で移動できるから伝達係にはうってつけ。

 そういう役目だったなら最初から外で戦ってなかったのも頷けます。逆にいえば今は彼が出動しなきゃならないほどの事態ということ…。

 

 ルミリオンの「友達がいなかったんだな」は火力高すぎるw

 「僕は世界中に友達がいてね」だの「僕は燈矢くんと違って」「友達が多いんだ」だのイキってたAFOにはクリティカルな煽りですよ!

 短い台詞でちょう痛いトコ突いてる!!今まで散々他人を煽ってた奴が煽られてんの痛快すぎんよ!

 

 ネジレちゃんの「波動」でルミリオンの攻撃力不足を補うのは良いコンボ。これを纏った腕は「透過」できないものの、このエネルギー自体が防御になるんで攻防に長けた作戦といえます。

 しかしこれって他人が身体に纏えるものだったのか…いや彼女自身が腕に纏う描写はありましたけど。

 

 ジーニスト、「縫合」とかそんな技術あったの!?ば、万能…!いや糸で折れた骨固定して支えるのってバトル漫画の糸使いあるあるではありますが。

 まあデクは初期の時点で腕ブッ壊しまくっても動き回ってたんで、必要な処置さえすればかっちゃんもまだ動けるって説得力は充分あります。

 

 かっちゃんの手の甲に落ちたのは、頬を伝った涙_____…!ああぁぁァ…くっそ切ねええぇぇ……!いつも喧しい彼が静かに涙を落とすのが、もうね…

 今本当に悲しみに満ちてるんだなって。胸が締めつけられる。この子の心のずっと奥の方にある純粋な少年の部分が全て曝け出された感じだ。

 

 で、その様子にしんどくなってたら、「」「指…」「フェイント……」ってこれデクじゃん!!ブツブツ声に出して分析してるの、完全にデクと同じじゃん……!

 かっちゃん自身が意識的に行ってるかは不明ですが、これも一種の「〝同じ〟になろうとする事が心を充たす」って心理じゃね?

 

 さらにいえばこの状態、デクが「〝救けなきゃ〟って気持ちより〝勝たなきゃ〟って気持ちの方が強い時僕は」「うっかり口が悪くなってしまうんだ」と語ってたように、

 かっちゃんの方も〝救けなきゃ〟って気持ちの方が強い時、デクのようにブツブツ分析しちゃうってことなんじゃね…!?

 

 僕はデクだけがかっちゃんの口調だったり動きだったりをマネてるのが一方的に感じてたので、今回のブツブツは感無量っすね~…!

 漸くかっちゃんの方もデクからの影響受けてくれたなと。双方向に影響の矢印が伸びてる事実が嬉しすぎる。今回主人公不在なのにデクの存在感デカすぎんよ!

 

 同じブツブツでもデクの方は長文で語るように喋るのに対し、かっちゃんは単語を一つ一つ漏らすように簡潔に言ってるのが対照的です。

 まあ単に心と身体に大ダメージ負って長々と語る余裕ないだけかもしれませんが、こういうところに性格出るよなと。こういうズレが幼馴染は趣深いんだ。

 

 これかっちゃん自身の自覚はどうなんだろうな~!後から振り返ってクソナードと同じとかキメェゾワムカッ!!と悶えてもいい。

 デクの方も「これはさすがにキモチわるいから君には言えないままだけど」と前置きしてたし、

 かっちゃんが自分の変化に気色悪くなっても責められないです。

 

 今回のサブタイは「それでも」。ジーニストが向けてたその言葉通り、涙を溢れさせながら血走ったかっちゃんの目は「それでも」「まだ」死んでいない…!

 ここ画の説得力がハンパないです、生命力の表現がすごい。消耗しながらも極限下で研ぎ澄まされた彼の力強さが伝わってくるんです。

 

 何より頬を伝ってクラスターの光と同じように輝く汗がね…!真っ当に希望を見出せる眩さなんですよ!!

 若者の汗って元々青春の輝きを象徴するような物質ですけど、それが喩えじゃなくマジで光ってるのが表現として秀逸すぎる。今のかっちゃんは間違いなく光属性って確信があるんです。

 

 かっちゃんのこの汗の輝きと「サーチ」で視た時の"個性"の輝きが同じ形なのが気になるんですが、何か意味あるんですかね~。

もしかして「爆破」をさらに進化させた時、輝きがOFAと同じ形になるとか?それがOFAの金魚の糞からデクに並ぶヒーローになったことの証明になるんだろうか 。

 

 刺々しく不安定に揺れる左目の瞳も注目ポイント。何が気になるってコレ、ライジングでOFAを継承した時の状態に似てるんですよ。

 これが意図的な一致ならナイン戦終盤のマグマの如く岩を溶かす神業を見せてくれるんじゃないかと。そうじゃなくとも何らかの覚醒を期待できる状態に見える。

 

 一方で心配なのは前回爆撃失敗してからずっと瞳が描かれてない右目の方です。もしかしてこれ、失明してんじゃね…?と。

 自分と同じ方の目失ったとか相澤先生からすれば洒落にならない。或いは名無し柄木と重ねた描写にも見えます、こちらも爆撃以降ずっと右目に瞳が浮かんでないので。

 

 いやあコレ、ついに来ちゃうんですかね…「最大の見せ場」。前回まだだと確信した時はむしろ歓喜したんですけど、いざ訪れるとなると…コエ~!良い意味でコエ~!!

 作者直々に宣告されたかっちゃんの見せ場とか生きた心地しないっすよ!全く未知の領域に足を踏み入れる緊張がある。