※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.293 ヒーロー飽和社会」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
【表紙】
EVEN AS THE SHADOW RISES, OUR HERO WILL STAND FIRM(影が上昇しても、私たちのヒーローは力強く立ち上がる)!!
…そのアオリを象徴するように真っ暗な背景に佇む死柄木、そして紅く塗られたデク。これは燈矢の髪が最初は赤かったことに因んだ着色なのかな。
【人気投票】
爆豪勝己:最早恒例行事だけど1位おめでとおおお!!!5連覇達成と同時にヒーロー名発表、凡ゆる面で恵まれ過ぎてる…!
緑谷出久:またしても憧れの幼馴染を追走する形となったこの結果、堪らねえぜ…!まあ最終回までに1位に返り咲いてほしい気持ちもあるけど!
轟焦凍:映画第3弾の公開が発表されたばかりのこのタイミングで3位維持できてよかった…!オリジン三銃士の牙城はやっぱ揺るぎないな!
飯田天哉:過去最高順位!投票期間中目立った活躍はなかった筈ですが、彼の人徳なら三銃士に次ぐ順位でも不思議ではない。
相澤消太:投票期間中は幼馴染を守ったり守られたりしてたからね…!プロヒーローの中で最高順位なのも納得いく。
切島鋭児郎:人気投票開催した次の号でマキアに麻酔放り込んだ彼もまた相応しい順位!これは票集めるわってタイミングだったからな〜!
ホークス:投票期間中はずっと気を失ってましたが…トゥワイスとのドラマは哀しくも魅入られたんで違和感はないかなあ。TVアニメにも漸く登場したし。
エンデヴァー:憧れられてるホークスの1つ下って順位がまた絶妙だよな!彼ららしい並びと言える。
真堂揺:ナナナンデ!?いやケチつける気はないけど純粋に疑問、もう長いこと出番なかったのに…。一人だけまだカラーで描かれないから白黒でウインクしてるの、正直ジワるな…w
死柄木弔:ギリギリトップ10入り。敵側の主人公としてちゃんと認識されてきてる…!
八百万百:女子の中では最高順位。しかし彼女は男性人気か女性人気か読めないところがあるな…。
麗日お茶子:正ヒロインかつ僕が投票したお茶子がランク外とか許されねえええええ!!!
オールマイト:引退したから仕方ないけどトップ10にはやっぱ入っててほしい。
ミルコ:トップ10入りしてもおかしくないと思ってたから正直意外。この順位を一番悔しがってるのは多分堀越先生。
【本編】
あ、ミリオ先輩も今回の作戦自体には元々参加してたのか。山荘や病院以外にも解放軍のアジトは沢山あって、その内の一つがナイトアイ事務所の担当だったと。
前にセンチビーダーが引き継いだと語られてたけど、事務所名はそのままなのね…亡くなった彼への敬意が伺えて好印象。
先輩の言う「"透過"の移動法」とは地面への落下を利用したものです。発動時には地面を体がすり抜け、その状態で解除すると上方へ弾かれる。
その証拠に前回も地中から姿を現してた。
市街でも建物を無視して移動できるのはやはり便利だな…!神出鬼没だから敵に圧も与えられる。
作戦前日の回想。やはりと言うべきか、デクたちインターン組は「透過」の復活自体は知ってたんだな…まあ病院側に来るのは流石に予想外だったみたいだけど。
「俺も役に立ちたい」と直球に志願できるヒロイズムよ…!その隣で和やかに彼を見つめる天喰先輩の表情に安心できる。
申し訳なさそうな先輩に優しく触れる壊理ちゃんはまさにヒーローの鑑…!
いつものようにただ愛らしいだけじゃない、力強く答えるその表情に確かにヒーローらしい頼もしさが溢れてます。
「利用するような形」なんて印象全くなかったからなあ、そりゃ彼女ならこう答えてくれる。
ここで目を奪われるのが大きくコマを突き抜けてるその角。
翌日、つまり作戦当日にはこの角は再び小さく縮んでました。
この変化は恐らくミリオ先輩への"個性"の使用が原因でしょう。つまりある程度角が伸びてないと「巻き戻し」は発動できない…そんな制限があると推察できる。
物間くんによると「巻き戻し」は「溜め込む」系の"個性"らしいです。
となれば角の長さが溜めるものに当たると思われる。
単に時間の経過に比例して伸びるのか、別の要因があるのかは不明ですが…とりあえず無制限に使用可能で味方全員即回復!とかにはならなさそうで安心した。
翼の生えた個体が飛ばしてきたのは岩?内部に格納してたのか、拾ったものをそのまま投げてきたのか…いずれにせよ「透過」の前ではそんな小細工は意味をなさず。
わざわざ避けるって動作を取らなくていいのはやっぱり強いな〜。ON/OFFの意識のみで対応できるのが万能すぎる。
素の身体能力のミリオ先輩がニア・ハイエンド×4をワンパンできないのはまあ自然。上位以上の脳無なら耐久力はそれなりに高いでしょうし。
とはいえ無双する先輩が見たくなかったと言えば嘘になる…!少なくとも「硬化」した切島くんをワンパンできる程度には怪力だもんなあ。
救けを求めるルミリオンの遠方でチカ…と輝くのは____我らが爆豪勝己!えっもう動けるの!?って心配よりも先にうおおおお!!!って興奮がきてしまった…!
いつもの荒々しい爆破とはまた違う、バチッバチッと瞬く光が儚くも鮮烈…!思わずその神々しさに見惚れてしまう。
かっちゃんが獲得したのは「粒立った…速く強い」爆破。そのキッカケは「鋲突」に刺される直前のデク____なるほど、精神面だけでなく技術面でもライジングした訳か…!
まるで救けるヒロイズムに目醒めた彼へのプレゼントのような…そんな祝福に感じちゃうな!盛大に祝いたい!
力の凝縮、即ち「最大出力を瞬時に引き出す」「力を点で放出する」事がかっちゃんの課題でした。
それをこの土壇場で成し遂げた…ってことなのかな。
デク曰く「徹甲弾(A・P・ショット)と同じ要領」らしいけど「本当に距離を取れ」と避けた彼に近づくのがキッカケになるとは…w
具体的にこれまでの「爆破」との差異は何だろう、ただ単に速度と威力が高いだけ?光ってたけど閃光弾(スタングレネード)に近い原理なのかな?
だとしたらまたもや黒影泣かせな技だけど…w 回数や時間に制限はあるんですかね、それともこれが今後彼の通常技になるんだろうか。
身動き取れないベストジーニストに迫るニア・ハイエンド×4。その攻撃手段は伸ばした尻尾だったり、巨大な両手だったり、謎の音波(?)だったりと様々。
多勢に無勢、マキア捕縛に集中するジーニストに抗う術がある筈もなく、無慈悲に倒され…る直前!彼を救ったのは____
爆豪飯田波動!脳無の群れを駆け抜けるこの見開きは疾走感の塊!連なる「爆破」の煌めきもあってか、流星のような美しさを感じるぞ…!
ここ情報量が多くてあまり自信ないんですが、ミリオ先輩も入れて4人でそれぞれ1体ずつニア・ハイエンドを撃破したって理解でいいのかな…?
「助けなきゃ」は誰の独白なんだろう、もし飯田&波動だけじゃなくかっちゃんも思ってたらギャップで悶えまくるんだけど!
普段荒っぽい彼がこんな素朴で切ない言葉を意識してるなんてさ〜!これをCV.岡本信彦で聴けるのが有難すぎる…!もう今からアニメの放送が待ち遠しいぜ!
こんな状況でも級友を案じられる飯田くんはマジで委員長の鑑だな〜!まあかっちゃんの活躍に興奮はしつつも、その怪我の悪化はフツーに心配だからね…。
読者の心境を代弁してくれた彼は有難い存在と言える。その上で一緒にジーニスト援護に参加してくれたのが嬉しかったです!
一年生2人に負けじとねじれ先輩も戦線復帰!髪は左側の大半が焼けちゃったけど、顔の火傷は想像してたよりもだいぶ軽い…っぽい?
リカ婆の「癒し」で治せるかなあ、これ。エンデヴァーの罪だと主張させないためにも完治してほしいぜ…これ以上荼毘を調子に乗らせないでほしい。
まあせっかく復帰してくれたんだし、髪型チェンジの機会とポジティブに捉えよう。今のまま右側だけ長すぎたらアンバランスだし、たぶんこの戦いの後髪型変えてくれるよね!?
ねじれ先輩なら絶対ショートも似合うだろうしな〜!堀越先生ならそこを外しはしないって信頼がある。
「波動」を後方に放った勢いでここまで移動したんですかね?だとしたら舌舐めずりしてる好戦的な表情といい、今回の彼女にはかっちゃんっぽさを感じるぞ…!
前回ねじれ先輩はオリジン三銃士でいう轟ポジだと予想しましたが、もしかしたら本当は爆豪ポジだったのかもしれない。
「通形来たら平気不思議!」から察せる通り、ミリオ先輩の存在感はオールマイトと同じ見る人に安心感を与えるものなんだな…ここは手脚ボロボロの今のデクと対照的。
前回までその姿に不安を覚える読者も少なくなかったからね…だからこそルミリオン登場がいっそう鮮烈だった。
「バクゴー」は仮のヒーロー名と訂正するかっちゃん。職場体験でジーニストにその大切さを説かれてましたが、以前言ってた「先に教える奴」はやはり彼だったか…!
まあそこは元々ほぼ確定でしたが、本人から「あんたに聞かせようと思ってた!」と聴けるとやっぱ歓喜できるな!
かっちゃんが願いを込めて考えたそのヒーロー名は____「大・爆・殺・神ダイナマイトだ!!」うおおおおお!!!!
おおおぉぉ……な、何か思ってたよりも慌ただしい発表!もっとこう、読者の期待をじっくり高めた上で発表されるかと…いやこれはこれで味わい深くて好きですけど!
爆殺王や爆殺卿に比べればフツーにカッコいいと思うんですが、作中で「ダッセ」「ダセェ」と散々な言われ様なのはしゃーないかなあ。
むしろ彼らが客観的に評価を述べてくれるからこちらは盛り上がれるとも言える。堀越先生もそういう印象を持たれるのは想定済みなんだなーと。
「マイト」の部分をオールマイトから受け継いでくれたのはシンプルに嬉しいな!デクもリスペクト全開な名前考えてたしキミらその辺割と似た者同士だよね。
その上で「ダイナマイト」と爆破要素も入ってる。小二センスだけどかっちゃんの背景を知ってれば完成度は普通に高くね?
デクとの違いは「自分との差が凄すぎて僕にはとても名乗れない」とならないことかな。
それはOFA継承者じゃない(一時的に受け取ったけど)からでもあるし、彼自身の不遜さからくる姿勢でもある。だからこそお茶子に意味を変えられた「デク」をヒーロー名にした尊さも際立つ訳で。
「ダイナマイト」にはギリシャ語で「力」という意味もあります。前に千空先生が教えてくれた( ・∇・)。
オールマイトのようになりたい、力強く在りたい…まさに「名は願い」を体現する名前。うん、やっぱりかっちゃんのヒーロー名としてしっくりくるぞ…!割とすぐ馴染めそう。
それはそれとして初期設定にあった「爆心地」がボツったのは惜しいな〜!
いや勿論公式には従うまでですが、あれはあれで完成度高かったからね。
神野事件の跡地に同じ意味の「グラウンドゼロ」が名付けられてた時はその確信を深めましたが、あれは結局ミスリードだったのかな。
ところでジーニスト、なんか眼から血が垂れてるor皮膚に亀裂が入ってる?
もし後者の場合、荼毘が見たのはジーニストの皮を被せた別人の死体だった…とか?
で、今は再び皮を自分に縫合した状態だから破けやすい?完全な空想ですが、彼の"個性"ならそんな芸当も可能な気がする。
ドッちゃんへの「ユーモアがある!」は嬉しい一言!「"百万"を救う人間になれるよう」に…そう願いを込めて名付けたルミリオンが言うと心からの称賛だと伝わる。
まあダイナマイト本人は不服そうでしたが!ここで「失敬した!」とすぐ謝れる辺り、人徳に差がありすぎる…!
爆豪&ミリオって新鮮な組み合わせだなあ。思えばかっちゃんはミリオvsA組の時は謹慎中でいなかったから、作中で言葉を交わすのは今回が初めてなのか。
いやあこのコンビは推せますよ…!No.1に最も近い男ってことで対抗心燃やしてほしいし、先輩はユーモラスに対応してほしい。
荼毘vs焦凍。不意に弟を優しく抱きしめられると不覚にも絆されてしまう…!
いや轟父子に仇なす存在なのは重々承知してますけど、最近の優しいお兄ちゃんムーヴする荼毘は正直憎めない。
もし敵堕ちしなければ燈矢としてこうして接してくれた…そんなifを想像してしまうんだ。
「てめェ…こそ…!体が……!!焦げて…!」は父親以上の火力と母親と同じ体質を持つ荼毘なら当然の帰結。
この事実は以前外典にも指摘されてました。
前々回赫灼を放とうとしたことといい、もう自分の命もどうでもいいと思ってるのかもな…父親と弟さえ殺せればそれでいいと。
業火の中で顔を歪ませる荼毘は悍ましい…!
死柄木の「全部」「オールマイトだ」といい、斎藤くんの血を吸うヒミコちゃんといい、堀越先生の描く愉悦に浸るヴィランの表情はマジで一級品だな!
破滅に向かってるのに本人は幸せそう…そんな哀愁塗れの歪んだ幸福が伝わってくる。
と同時に、見方を変えれば微笑ましい気もします。いやだって「お父さんは」「どんな顔を見せてくれるかなァ!?」ってただの父親に構ってほしい子供じゃん!
歪んでるし憎んでるし方法も間違えてるけど、根幹の感情はそれじゃん!本当はお父さんに期待されたかっただけなんだろ!
そんな轟兄弟に割り込んだのは我らが主人公・デク!口から「黒鞭」を放つフロッピースタイル!なり振り構わない狂気は変わらずだけど、ここはその絵面の微笑ましさに少し癒されましたね…!
"個性"の扱いを教えてくれた梅雨ちゃんへの敬意を忘れない、ナードのデクらしい反映。
「他所の家に首突っ込むなよ!」に対して「突っ込む!」と即返せるデクのタフさよ…!
もはやそこは否定しない、体育祭の時と同様、他所の家に首突っ込んででも轟くんを救けたいってヒロイズムに溢れてる…!身勝手なヴィランに返す言葉などこれで充分ってことを物語る一言だ。
「だから頑張ってる今のエンデヴァーを僕は"見てる"!」は「俺を見ていてくれ」に対するアンサー!
と同時に、幼馴染に対する姿勢でもありそうだよなあ…これ。
過去は消えない、だからノート爆破や自殺教唆は許せないけど、協力してくれてる今のかっちゃんを僕は"見てる"…と。
「おまえはエンデヴァーじゃない!」は「轟くんも」「あなたじゃない」のリフレイン!
あのときデクに否定された彼が今度は肯定される側になるとは…!
これはまさしくエンデヴァー自身の変化によって得られた言葉です。自分の炎を父親と同一視する荼毘にはクリティカルな一言!
「悪が栄えるんじゃねェ!」「正義が瓦解するだけ!」は責任をヒーロー側に押しつける言い回し。けれど悲しいかな、デクの真っ直ぐな主張の後だともう憐れみしか感じない…。
正当性の有無はまた別として、本人の言うように「かわいそうな人間」としか思えなくなってしまった。
「この感じ さっきも───…」は単にエンデヴァーの気配を察知したことを示すセリフ?ただ直前のコマのデクの体に何かが起こったような描写がちょっと気になるんだよな…。
「さっき」ってのがいつなのかも不明だし…もしかして新たな継承者の"個性"が発現する前触れだったり?
「キレイ事など吹けば飛んでく混沌」は「ヒーローは!!」「命を賭して」「キレイ事実践するお仕事だ!」が信条のデクは当然見過ごせないセリフだよな〜!
そんな未来を訪れさせない為にヒーローがいる。エンデヴァーの罪は軽視できませんが…その仕事を嘲笑していい訳じゃない。
デクの言葉を受けてやっっっっっと動いてくれたエンデヴァー…!その行動でNo.1ヒーローを動かした…って点ではヘドロ事件のリフレインとも言えるかな。
一時休戦となる前に復帰してくれて安心した…!精神的な傷はまだ深いでしょうけど、この飛翔で再起への希望は見出せたよ!
今回のサブタイは「ヒーロー飽和社会」。No.3やNo.1に最も近い男が帰還し、負傷してた有精卵たちも次々と復帰、最後にNo.1も再始動…まさにその内容に相応しいタイトル。
ヒーローが多すぎる事実への揶揄を含んだ単語でもありましたが、今回はポジティブ100%で受け取ったよ…!
そして漸く効いてきたヤオモモ特製の麻酔!よし!よしよしよし!僕は雄英生たちの決意が無に帰す筈がないと信じてたので、遂に効果が表れたのは期待通り…!
やっぱりマキアが化け物すぎて効くのに時間がかかったんだな…!マジェスティックの言った事は間違ってなかったんだ!
最後のコマにいるのは作戦立案したヤオモモ、マキアに特攻した芦戸ちゃん、彼女の麻酔を受け取った切島くん…!
介抱されてるっぽい瀬呂くんはどこか負傷してるんだろうか…心配すぎる。呆然とせず再び誰かのために動いてる彼らの姿が拝めてよかったです、それでこそヒーロー!
正直前回までは連合全員に逃げられて仕切り直しになると思ってたんですが、今回読んだら数人くらいは捕まえられるんじゃないかと思えてきました。特に荼毘。
あとは今ここにいないヒミコちゃんがどう動くかだな…「変身」で上手いことヒーロー側の隙を突いてくるかもしれない。