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僕のヒーローアカデミア No.270 『継承』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.270 継承」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 冒頭からもう死柄木が危うすぎてアカンはよ離れろォ!とエクスレスさんに叫びたくなる…!

 いやプロとしては実に立派な仕事ぶりですけど、あの崩壊の脅威を知ってると彼だけに連行を任せるのは荷が重すぎるよ!こういうとき自由を奪える拘束系の"個性"の便利さを実感するよなあ…。

 

 エクスレスさんが発見したのは彼の反応からして死柄木が入ってた培養器とはまた別の装置っぽいですね。チューブで隠すように置かれてた辺り、相当重要な機材なんだろうか。

 見たところ各培養器に電力を送る供給源、脳無製造のコアってイメージだけど…まだハッキリとは断言できないか。

 

 引子さん(41)とデク(16)が25歳差だからそれを一世代間の年齢差と仮定。

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 引子さんは第四世代だから殻木たち第一世代は41+25×3=116歳。

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 これは大まかな仮定に基づいた計算なので若干ズレがあることを踏まえると「120代の大台」は妥当な推測ですね。論文発表当時の殻木は50代か。

 

 マイクに殻木確保という大役を任せたのは「超常特異点」について聞き届けさせる為だったのね。仮免講習で特異点と呼ばれるマセガキたちを目にした彼ならその話を一蹴できないし。

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 だからこそ"個性"の使い方を学ぶ必要があるというか…あのとき轟くんたちが導いてくれてホント良かった。

 

 当時にはもう「荒みきった世を平和に戻さんと足掻く時代」になってたとのこと。となると異能解放軍もこの頃にはもう台頭してたのかな。

 ただでさえそんな面倒な連中の相手で手一杯だったなら殻木の論文が疎まれても無理はないのか…。こういう世知辛さは現実にも通じる部分があるな…。

 

 ただこれ、殻木からしたら当然それで納得できる話じゃないよなあ…。で、そんな時にAFOだけが肯定してくれたなら心酔してしまってもおかしくない。

 無論彼の所業は許されるものではありませんが、不当に扱われてきた者が他者から承認を得られたって点はNo.1のデクと一致してるんですよ。

 

 殻木の"個性"は「摂生」。つまり「デク」「八木」「殻木」といった木に関する名前の者は先天性の無個性って法則はミスリードだったのね。

 もしくは「殻木球大」としては無個性と扱われてきた…と捉えれば一応条件には当てはまるか。逆にいえば本名は木とは全然関係ない可能性が高い?

 

 AFOに捧げる過程はまず予め「摂生」の複製を用意、その後本物を譲渡して複製を己の体内に移植…って感じだろうか。

 本物を捧げたのは単に忠誠を示すためだけじゃなく複製よりも高性能だから?「運動能力と引き替えに」がデカい欠点だけどそこは奪った他の"個性"で補えば何とでもなるか。

 

 殻木の言う「あの時」はヴィジランテで描かれた白雲死亡のことでしょうか。だとすると相澤先生が倒した敵「ガーヴィー」もAFOも差し向けだったのか…?

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 先生は当時白雲と同じ事務所でインターン生として活動してたので可能性はある。確かに抹消なんて相当レアな"個性"だろうしなあ…。

 

 このとき白雲は死んでた筈なのにスピーカーを通して相澤先生を応援してくれてたんですよね。

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 今となってはそれが本人の声だったのか、先生の幻聴だったのか知る術はありませんが…。

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 どちらにせよ本当の狙いは抹消だったと知ると、白雲が先生を守ってくれたように思えてすっごい尊い…!

 

 ページを開けばそこに広がってたのはポケモンのやぶれたせかいと真人の自閉円頓裹をブレンドしたような空間。

 背景はやはり志村邸と家族を殺した後に転弧が彷徨った街だろうか…?それらが手で崩れ去ってるのを見るに、ここは死柄木にとって忌まわしい物が全て崩壊した理想の世界…?

 

 描かれてた手は全部で28本。

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 死柄木が体につけてた手は14本だったのでとりあえず一致はしないですね。

 ちょうど「二倍」の数ってことでトゥワイスを連想しなくもないけど…堀越先生が意識してるかは確信持てない。ひとまず今は知識として本数を覚えておくだけに留めた方がよさそう。

 

 リプレイされる華ちゃんとの記憶。今の転弧の状態は本来なら決して喜ばしくない筈なのになぜだろう、「あー」「いいんだその件はもう」ってセリフがとても清々しく聴こえる…。

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 あのとき声が出ずに返せなかった答えを今気軽に返せた、それがある種の解放感があって心地いいんだ。

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 続いて現れたのは母・直さん。

 「もう大丈夫だよお母さん」も彼女たちからすれば全然大丈夫じゃないんだけど、少なくとも転弧にとっては痒みが止まった=苛立ちから解放されたと思うとその事実を否定したくなくなる…。

 ここで幼い頃の姿に戻って答えるのがまたニクい演出だよなあ…。

 

 ラストは父であり転弧にとって最大の否定者・弧太朗さん。初見ではクッソしんどかった明確な殺意を以って行われたこの殺人も今回は爽快とすら思えたな…。

 ここで再び髪が白くなったのがヴィラン・死柄木弔の誕生を象徴してる。ぜひ歩みを止めずこの破壊の道を邁進してほしくなったよ。

 

 その先にいたのは我らがAFO先生。「黒霧みたい」な状態といえばOFAの面影でも見ましたが…。

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 もしかして初代がデクに語りかけてきたのと同様に、AFOもまた"個性"を通じて死柄木に干渉してきてる?単なるイメージじゃなく実際に2人の間で今やり取りが行われてるんだろうか。

 

 この「黒霧みたい」なモヤってOFAの面影でデクの口から下、2・3代目継承者の体全体も覆ってたけど何か法則があるんですかね。

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 OFAと似た現象が起きてる辺り、やはりこの空間はAFOの面影と捉えるべきだろうか。少なくともここを死柄木の単なる精神世界と断ずるのはまだ早いよなあ。

 

 「本物(オリジナル)を死柄木弔に渡すことにしたんじゃ」え、待って。AFOって奪った他人の"個性"だけじゃなく、自分の「オール・フォー・ワン」って"個性"そのものも授けられるの!?

 それはOFAの特権だと思ってたんだけど…!?いや確かに今まで不可能とは一言も言われなかったけどさ!

 

 奪った他人の"個性"を死柄木に託した…って意味ではないですよね、たぶん。だったら「ワシ(=殻木)といっしょじゃ…」って表現はそぐわないし。

 まあOFAが継承者たちの"個性"を扱えるなら、逆にAFOがOFAみたいな事を出来てもおかしくはないのか…。正直かなり衝撃的な事実だけど。

 

 AFOがオールマイトに負傷させられたのはNo.1から5年前。「敗北を予期した彼は後継に全てを託した」ってことはその前後に死柄木への継承は済ませてたのか。

 演出的には今回継承が果たされたようにも見えるけど…ただその場合、継承未完了なのになぜ面影(仮)に来られたか説明つかないか。

 

 やはり「オール・フォー・ワン」の継承自体はNo.1から5年前の時点で済まされてて、それが殻木による強化実験(+AFOによる面影での干渉?)によって今回覚醒したと見るべきなのかな。

 つまり神野では複製された己の"個性"でオールマイトと戦ってて、本物はすでに死柄木へ移されてたと。

 

 複製された「オール・フォー・ワン」を使ってたナインの奪える"個性"が最大8つだった辺り、自分→他人への複製の場合は本物より性能で劣るっぽいんですよね。

 自分→自分の場合も同様なら神野では劣化版AFOで戦ってた訳で…オールマイト側も衰えてたとはいえますますAFOの格が上がる。

 

 AFOの元へ向かう死柄木を止めようとする志村一家。掴んだ部位はそれぞれ直(母)が首、千津夫(祖父)が上腕、真子(祖母)が肘、華(姉)が手首。

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 これってNo.237で示された手の位置と一致してるんですよね…。

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 つまり彼らの手は死柄木にとって死んだ今も自分を抑圧する者の象徴でしかない。

 

 さらに死柄木の顔面を弧太朗さん、後頭部を菜奈さんが掴む形に。

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 …ってことはつまり、壊した弧太朗さんの片手を補うもう一本はやっぱ菜奈さんの手じゃねーか!!

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 菜奈さんを殺した後もその遺体を保管してたってことなのか…!?だとしたらマジで許されざる所業ですよ、悪役の鑑。

 

 菜奈さんの写真を見て目を輝かせてた頃を思い出してた辺り、ヒーローへの未練が全くない訳ではなさそうだけど…。

 ただこうして家族の制止を振り切って進んでるともう引き返せない感がすごい…。やるせないけどここまで来た以上、やっぱりヴィランとしての覇道を歩んでほしいなあ。

 

 あああ…恐れていた事態がついに…!ついに魔王・死柄木が目醒めてしまった…!エクスレスさん逃げてちょう逃げて!!

 いやメタ的にもエクスレスさん生かしておく意味ないしもうほぼ死亡確定じゃん!トゥワイスに刺されたヒーローが死んだ件もあってか、生き残る未来が全然見えない…!

 

 直前に切れたチューブの断面からピリッっと培養液に電流が走ってたことから、死柄木が目醒めた直接の原因はこれっぽい?

 あの壊されてなかった謎の装置はやっぱり電力の供給源だったのかな。ただこの一瞬で定着が完了したとは思えないし、定着率自体は未だ75%に留まってると信じたい。

 

 もう今の時点で無制限に他人の"個性"を奪えたらヤベェよな〜…。プロヒーロー勢揃いで優秀な"個性"奪いたい放題だもん。

 特に抹消なんてレアかつ厄介な"個性"真っ先に狙われそう。逆にここから死柄木を倒すなら相澤先生が視て"個性"を消してるわずかな間に抑えるしかなさそう。

 

 場面移ってデクたち避難誘導組。オラとっとと歩けやババア!えぇ…。みたいな会話してそうなかっちゃんとモブのお婆さんで草。

 まさか今回唯一の癒しがキミになるとはな!このブレなさにはもはや安心感すら覚える。仮免試験の時からこのクソ煮込みな救助スタイルは一貫されてるな…!

 

 「来る!」「来るよ!」は初代もしくは菜奈さんの声?黒鞭の暴走前にAFOが異変を察知してたように、OFA側もまたAFOの異変を察知できるようになったと考えてよさそう。

 もしデクvs死柄木に発展した場合、地面を伝う崩壊のメタ"個性"である「浮遊」を今どの程度習得してるかが鍵か。

 

 未だに描写のない山荘サイドも気になるところです。あちらと連絡が取れたらその声でマキアを起こされかねないしな〜…。

 そうなったら病院・山荘ともに一気に形成を逆転される。それ以前に荼毘と対峙した常闇くんとホークスも心配だし、暫く本作らしい心臓に悪い展開が続きそうだ…。

 

 

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