※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.238 解放」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。
【本編】
前回の感想でも書きましたが、死柄木は家族への不満が風化するのを防ぐために彼らの手をつけてたので、失ってた記憶が蘇ればそれらが不要になるのは必然なんですよね。
転弧だった頃の記憶とともに当時の家族への苛立ちも取り戻せたので。ある意味死柄木なりの親離れの形とも言える。
100%の負荷塊を放つ四ツ橋社長。
彼のストレスは先代から引き継がれてきた・出力がパーセンテージで表示されるという点でOFAと似た異能だと僕は捉えてるので、フルパワーで放ってきたのはデクの行く末を見せられた気分です。
ここまで到達するまでどれほど努力を重ねたんだろうか。
そんな社長渾身の一撃をも一手で砕く死柄木、反則すぎる…。
触れたら最後、塵にされる崩壊に対して距離をとって放出系の技で攻めるのは正解ですが、こうも攻撃範囲が広いと逆に防がれやすいのが欠点か。
もっとこう、触れられにくい的の小さな投擲物で狙うのが有効なのかもしれない。
あれほどの重量を受け止めたのに全く手を負傷してないのが気になるんですが、ただ壊すだけでなく触れた時点でその衝撃も無効化されるんでしょうか。
イメージとして近いのは幻想殺し。だとしたら攻撃と同時に防御も兼ねてる"個性"だよな…シンプルながら応用の幅が広い。
覚醒した死柄木は悟りを開いたかのようにサッパリしたヴィジュアルになってて草。家族の手が壊された上に髪まで線が少なくなってて、これぜってー堀越先生よろこんでるだろ!!
この話が収録される25巻の空きページには描く手間減ってよかった的なコメントが書かれるに違いない。
四ツ橋社長にとって暴力はあくまで「手段」。一方で今の死柄木にとっては壊すことそのものが生きる目的。
異能="個性"を使って壊す者同士でもここが2人の決定的な違いって訳か。父親の手を壊し、壊すことそのものに意味を見出せた死柄木には解放に囚われる社長が「窮屈」に見えたと。
そしてそれは幼少期からデストロの後継の役目を背負わされてきたからでもあり…。いやこのまだ幼い社長を大人たちが取り囲んでる図、すげー悍ましいよな…。
社長自身は反発してないとはいえ、この人も自分の血に囚われてきたんだな…と。異能云々の前に自分の立場から解放されてない。
クレストロを装着する社長は悪役なのに、まるでロボットものの主人公のような変身のしかただな!
ただの"個性"のぶつかり合いで終わらせず、こういうメカニックな要素を入れてくれるのは面白いです。自分より圧倒的に小さな相手を倒すためにここまでしてるのがシュールと言いますか。
ヒミコちゃんと自分の本体を庇いながら移動するトゥワイス's。No.233では彼らの前に近属とその人形たちが現れてましたが、アイツらはどうしたんでしょうか。
マキア襲来に目を奪われた隙にトゥワイスたちに逃げられた、とか?流石に描写すらされずにくたばってはいないと信じたい。
マキアのヤバさを見て氏子と連絡をとるコンプレスは安定の苦労人ポジっすね…。氏子が連合の転送を断ったのは納得。
vsマキアは死柄木がAFOの後継としての器を示すための試練でもあるんだから、自分たちで呼んだマキアから逃げるのに手を貸したら流石にヌルゲーすぎますからね。
"個性"の複数所持は体への負担がデカいことを思えば、ジョンちゃんが転送の度に扁桃炎になるのも強ち嘘じゃないんじゃないかなー。
まあ仮にジョンちゃんに負担がなくても氏子は手を貸さなかっただろうけど。どちらにしろ死柄木を試す者として静観の姿勢を貫いてくれるのは有難いです。
外典に荼毘の相手を託す社長、思ったより優しい接し方だな…。社長の戦士たちの扱いは駒そのものだけど、少なくとも本人の意識では思い遣りを持って接してるんだなーと。
外典の有用性を把握して適切な指示を出せてるのも評価高いし、指導者として別に横暴ではないのだと再確認できた。
氷をワープスターみたいに足場にして空中移動できる外典の異能、便利だな…。マキアに氷を向けるも一振りで防がれてたのはうん、ですよねーとしか。
彼には勝つにしろ敗けるにしろ荼毘と決着つけてほしかったんで、途中で離脱したのはちと残念かな…。もう少し炎vs氷を見ていたかった。
花畑までマキアの元に向かってて、本格的に敵味方問わず危険視されるお邪魔ギミックと化してんな…。
そして選挙カーに喰らいついて花畑を追うスピナーはタフネスすぎる。こういうフィジカルと意地だけで足掻く姿勢は大好きなので、彼にはますます花畑討伐を果たしてほしくなりました。
再び崩壊を発動させようとする死柄木を見て「全て解放されたかのような____」、ここで社長は自分より死柄木の方が解放の名に相応しく"個性"を使ってると悟ってしまったのか…。
デストロの血に囚われた自分よりも自由に"個性"を使う死柄木の姿は、社長にとっては羨めるものだった訳だ。
解放軍が連合を追い詰める度に逆に彼らの異能="個性"を解放させてしまう構図が皮肉とは言いましたが、そのことをボスである社長が自覚、更には羨むとは思ってなかったなぁ。
ここでグッと死柄木のヴィランとしての格が上がったというか、強敵に評価される主人公として見做せてきたよ。
逆に社長はここで死柄木との差を痛感した時点で、少なくとも精神的には敗北寸前まできてしまったようなものですね…。
実際彼は異能自体は使ってもデストロの子孫という立場からは解放されてない。一方今の死柄木は何にも縛られず"個性"を使う。その点で社長はもう敗けてしまってる。
そういう意味では以前のスピナーの「敵連合は____消滅する」が説得力を持ってきたようにも感じます。
社長の言う通り死柄木が全てから解放されたなら、連合のリーダーという立場からも解放されるんじゃないかと。死柄木自身も前回「その先は連合が好きにすればいい」と言ってますしね。
マキアも死柄木の姿を見てハッとしてたし、ここで彼をAFOの後継として認めることになるんでしょうか。
だとしたらこの後死柄木とマキアは連合の仲間たちとは別行動をとるみたいな√もありそう。堀越先生によると25巻では雄英側に話が戻るらしいので、vs解放軍もそろそろ〆が近そうだ…。
【夏の特別番外編】
ここ最近はヴィラン側の話が続いてたので、久々に雄英の面々の顔が見られたのはよかったです。轟くんの仰々しいポーズで草。
しかし堀越先生、トガvsキュリオスでも宗教画のパロっぽい絵描いてたけど最近ハマってるんだろうか。
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