僕のコミックアカデミア

イェイ イェイ ヒロアカ最高 ヒロアカ最高 オマエもヒロアカ最高と叫びなさい!!

僕のヒーローアカデミア No.289 『アケスケちゃんとしまっとくちゃん』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.289 アケスケちゃんとしまっとくちゃん」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 マキア阻止と伝令に別れた避難誘導組。"個性"で浮けるねじれ先輩や浮いたサーフボードに乗るモブたちに交じってるのは____我らが飯田くん!

 地を伝う「崩壊」を恐れず、ただ一人愚直に駆ける姿は本当委員長の鑑だな!殺伐とした状況の今、このブレないまっすぐさに救われる…!

 

 クラスメイト、特にvsステインで自分を救ってくれた緑谷・轟を救けたいって動機が本当に素敵でねー…!

 「規律を乱した罰ならいくらでも受けます!」とその勝手さは自覚してるし、ならもう走れと!と。何の異論もない。独断だけどその迷いのなさに拍手を贈ってあげたくなる。

 

 帰還し、地に落ちるデク____を背中で受け止め、衝撃を相殺してくれた轟くん!両手が贖罪コンビで塞がる中、最善の選択…!

 負傷した彼らを見事一人で救けてくれて感謝が尽きないです。その無事に安堵する姿に激しく共感を寄せられる。今最も読者の心の拠り所と言える存在だ…!

 

 一方の死柄木は____「あんた…の…言っ 言」「言いっ〜…なり…には……」ハイここ加点ポイント!

 僕は死柄木にはAFOの傀儡になり果てず、強く自我を保ってほしいのでこの抵抗は高評価です!例えその判断自体は間違ってても、己なりにリベンジする意志を見せた事は評価したい。

 

 両手、そして背中から生えてるのはやはり「個性強制発動」でしょうか。単に武器として放つだけでなく、その一本一本を脚代わりとして地に着けた姿はまるで虫のよう…。

 定着率100%に至った死柄木のイメージは羽が生えた蝶のような姿でしたが、これはその前段階なんだろうか。

 

 再起寸前の死柄木をねじれる波動で阻んでくれたねじれ先輩!続けて飯田くんも到着・伝達!

 「……全くどおりで帰ってこないわけだよ!!」と若干呆れたようなセリフが今はこんなにも頼もしい…!彼には実際の戦力以上の心強さがある気がします、これぞ委員長に相応しい安心感…!

 

 すぐ近くには負傷したリューキュウとマニュアルの姿も。そうか、ここでお世話になったプロの為に戦うって個人的な動機が彼らにも生まれるのか…!

 特に頬膨らませるねじれ先輩が可愛いながらも確かな怒りが伝わってきて、これは応援したくなる…!ここの表情の変わり様が絶妙。

 

 「僕は……死柄木と…いなきゃ…!!」は正論だけど、ボロボロのこの状態でまだその意識が働くのはもはや常軌を逸してるぜ…!]まさに合理性の塊。

 OFAを持つ重みを充分に感じてるからこそ出る言葉です。そしてその存在を知らない飯田くんからすればそりゃ「!?」って感じだよな…。

 

 轟くんによると再生能力が低下してるとのこと。No.284の時点で「傷の再生が遅くなってる!」と言われてたしさらに攻撃喰らえばこうなるのも当然か。

 この戦いでは倒すまではいかないでしょうけど、弱った姿を一応確認できたのは安心しましたね…無尽蔵のHPじゃないんだなと。

 

 宙で構えを取り「個性強制発動」を展開し始める死柄木。その姿は若干ライジング終盤のナインを彷彿とさせるものでもあります。

f:id:s_g_hrak:20201102000425j:plain

f:id:s_g_hrak:20201101020653j:plain

 何となく全体的に覚醒ナインの背から噴出されてたエネルギーを象ってるようにも見えますし。真正面からの構図といい意識して描かれてるんだろうか。

 

 場面移ってお茶子vsトガ。お茶子の言う「あの時」とは合宿編のことでしょう、確かにヒミコちゃんを押し退けて即立て直す姿はさながら武人のよう…!

 ヒミコちゃんの衣服が浮いてるのはその際に肉球で触れられたからですね、直接体を触ろうとするお茶子の手を咄嗟に防いだ訳か。

 

 ヒミコちゃんの語る「普通」。性的嗜好が他人とは違う____吸血、変身願望…例えそれそのものではなくとも、その苦悩自体は現実にも存在する問題です。

 他人を傷つける癖ではあるけど、その違いに苦しむ彼女の言葉を一蹴する事は…僕にはできない。それほど切実に聴こえてくる。

 

 自分の"個性"を殺人に使われた____これはショックすぎる事実…!例えお茶子自身に罪はなくともです。

 「無重力」の危険性を充分に知り、ヒーローとして常にその力を慎重に扱ってきた彼女だからこそ、この事実に深く傷ついたでしょう。元の持ち主に対するただの冒涜でしかない。

 

 「『好きな人の血』だと"個性"もその人になれた」ん?もしかしてただ血を吸うだけじゃなく、対象への好感度も条件なのか?

 大して好きじゃない相手の血を吸っても"個性"までは使えない?だとしたら乙女なヒミコちゃんに相応しい条件だな…少しアンデラの否定者っぽくもある。

 

 「私は…人を落として幸せを感じたりしない」よう言うた!それでこそヒーローや!ここで凄惨な事実に心を乱さず、当然のことを毅然とした態度で主張できるお茶子は立派ですよ…偉い!

 ヒミコちゃんのペースに呑まれず、しっかり自己を保てる強さに確かなヒーロー性を感じる…!

 

 お茶子に放った吸血用の器具のワイヤーを切ってるのは…肉球で触れられた、若しくはその恐れがあるからか。

 触られてたら浮かされて使い物にならないからその前に切り離したと。こういうところ案外抜け目ないよねヒミコちゃん…さすが今まで捕まらずに生き延びてきただけある。

 

 お茶子の懐から落ち、ヒミコちゃんが手にしたのは____クリパでデクから貰ったオールマイト根付!

f:id:s_g_hrak:20201101020737j:plain

 それはお茶子の「しまっとく」証、他人が触るべからず。

f:id:s_g_hrak:20201101020754j:plain

 …の筈なんですが、拾ってハシャぐヒミコちゃんの反応が可愛くてあまり憎めねえ…!少なくともその顔から悪意は伺えない。

 

 「仁くん 大事なお兄ちゃんでした」は萌える発言…!歳の差的にはおじさんでもおかしくないのに「お兄ちゃん」だったのが滅茶苦茶推せるぜ…!

 実年齢より言動が幼く、けれどヒミコちゃんにとっては大人として自分と仲良くしてくれた存在。そんなトゥワイスにピッタリの表現…!

 

 お茶子の好きな人がデクと確信するヒミコちゃん。その共通点はまるでオールマイトという同じヒーローに憧れた幼馴染のよう…!

 そう考えるとこの戦いはあの私闘の再演にも感じます。一方的とはいえ読者視点では唾棄できない苦しみを相手にブツけてる…そんな共通性を見出せる。

 

 意を決して新技「ゼロ・サテライツ」!自分から離れて浮く物体をサテライト、即ち衛星に例えた名前が何ともオサレ…!

 狭い屋内において複数のオブジェでゴリ押すのはシンプルながら有効な策でしょう。ここにきて「黒鞭」から得た発想が活きるという…紛う事なきデク茶要素だ。

 

 今回のサブタイは「アケスケちゃんとしまっとくちゃん」。言うまでもなくヒミコちゃんとお茶子の対称性を表したものでしょう。

 恋心をしまっておけるお茶子としまっておけないヒミコちゃん。「しまっとくと大きくなる」…それこそが彼女たちをヒーローとヴィランに分ける一因。

 

 「好きに生きて他人を脅かすなら……その責任は受け入れなきゃいけない」はド正論!そもお茶子には対話する義務すらないのに、こうして正論で応えてくれる事自体が有難すぎる…!

 この場でヴィランからの問いに答えを返せるのがもうすごいです、この偉大さに感服するしかない。

 

 対してヒミコちゃん側はその言葉に「うん そうだね」と意外な返答、そして意外な表情…!

 これはお茶子の誠実な対応が引き出した反応と評すべきか、ここまで真正面から正論言われちゃもうそう返すしかないよな…。まさか彼女が自分に対する否定にこんな切ない顔を見せるとは…。

 

 きっとヒミコちゃんにとってお茶子は最後の砦で、そんな相手に真摯に否定されたからこそ、自分の罪深さを思い知らされたんだと思う。

 同じ男の子を好きと共感を寄せてた相手だから見せた反応。ここで逆上したりせず、素直に同意しただけまだ話の通じる子だった…そう思いたい。

 

 そんな彼女にお茶子が見せたのは____…私闘編でデクがかっちゃんに見せたものとほぼ同じ表情。

f:id:s_g_hrak:20201102000448j:plain

f:id:s_g_hrak:20201101020818j:plain

 これは即ち目の前の相手の意外な反応を「救けを求める顔」と見做した…そう捉えていいでしょう。この戦いが深夜の私闘の再演だとすれば、そういう見方をしてもきっと許されるはず。

 

 やはり茶トガは幼馴染と重ねられた関係なのかなあ。同じ相手(デク/オールマイト)に憧れ、一方(トガ/爆豪)がもう一方(お茶子/デク)に救けを求め…。

 Vol.13のカバー裏も表紙の幼馴染と重ねた構図だったし、可能性は高いと思う。

f:id:s_g_hrak:20201101020837j:plain

f:id:s_g_hrak:20201101020853j:plain

 唯一異なるのは救けられる側がヴィランってこと…。

 

 ヒミコちゃんが取り出した得物を弾き飛ばしてくれたのは____梅雨ちゃん!この伸びる舌はシンプルに便利だなあ、射程が長すぎる。

 私闘はオールマイトが決着後に現れてましたが、これはヒーローとヴィランの戦闘、最中に割り込むのが当然であり…中断。彼女のお陰で救かった…!

 

 マキアの侵攻、その衝撃による崩落の隙にヒミコちゃんは逃走。TVから流れるニュースによれば「大型の敵は─…増々大きくなって……」とのこと。

 進んでるだけじゃなくてさらに体がデカくなってるのか…。アレ以上の大きさってそろそろ想像が追いつかない域に入ってきてるぞ…。

 

 ヒミコちゃんが遺したオールマイト根付は単に落として拾う暇がなかっただけか、それとも意図的に置いてお茶子に返したか…。

 直前まで殺そうとしてたし前者に見えますが、お茶子のデクへの想いを尊重したなら後者もなくはないよなあ。まあだいぶ願望の入った見方ではあるけど。

 

 お茶子vsトガは結局解り合えずに終結。ヒーローとヴィランとして対峙した以上、当然の結末ではあるけど…やはり辛いものがある。

 望みを見出すならお茶子がヒミコちゃんの涙を気にかけてくれたことか。これはいずれ彼女がヒミコちゃんを何かしらの形で救うフラグ…と捉えたい。

 

 再び病院サイド。轟くんが生成した大量の氷に全方位に展開された「個性強制発動」、そして後ろから迫るマキアとますますカオスな状況に…。

 まだOFAを奪ってないデクにもヒビが及ぶ恐れがあるから氷は「崩壊」させられないのね。浮けない飯田くんはデクの存在に救われたな…。

 

 そして迫るマキアの上で高みの見物を決めてるのはもはやお馴染み、荼毘!この嫌味ったらしい顔、ポーズ…絶対何かやらかす気満々じゃねーか!

 皮肉にも轟父子が両方揃ってるし、やっぱり彼ら一家に関する事実を暴露する気なのか…!?荼毘=燈矢説の真偽もそろそろ判明する…?

 

 

↓他の週刊少年ジャンプ2020年48号掲載作品の感想はこちら

togetter.com