僕のコミックアカデミア

イェイ イェイ ヒロアカ最高 ヒロアカ最高 オマエもヒロアカ最高と叫びなさい!!

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 『ヒーローズ:ライジング』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。

 

これにて今年の感想記事書き納めです。 f:id:s_g_hrak:20191229025021j:plain

【CONTENTS】

 

Part1.デクと爆豪

ハイ、今回の最大の見どころは何といってもこの2人ですね!普段からかっちゃんをデクに救われる者としてイジr…推してる僕としては、オールマイトを背に並ぶ2人のキービジュを目にしてからこの5ヶ月間ずっと興奮がヤバかったです。と同時に、最大の不安要素でもあった。

というのも幼馴染、特にかっちゃんに関しては読めば読むほど独特かつ繊細なキャラクターをしてると分かるので、今回の映画で示される彼のデクへの態度を受け入れられるか心配だったんです。実際アニオリなどの原作以外の媒体で描かれる彼の行動に違和感を覚えることも何度かあった。

でも今回の映画で彼がとった行動・言動・選択は、そのすべてがほとんど自分が納得できる範囲内のものでした!やったぜ。一瞬ん?と疑問に感じる描写はいくつかあったものの、すぐに脳内自分会議が開かれて最終的にはセーフ判定が出る感じ。

特にそう感じた箇所は2つありまして、まず1つ目は空中でデクの手をつかんだ後にナインに思いっきりブン投げたところ。最初は正直デク大嫌いなかっちゃんがそんなあっさり直接的接触するかよ!?と動揺しまくりでした。

その動揺が収まったのは終盤「(自分曲げてデクと一緒に戦ってんのに…!!)」って台詞を聴けたときですね。もうね~~~~~~~~~2人に和解とか期待してない僕としてはここでだいぶ救われた!!期末試験でも「折れて 折れて」「自分捻じ曲げてでも選んだ勝ち方で」「それすら敵わねえなんて」「______…嫌だ……!!!」と似たようなことを言ってましたが、そのスタンスは今でも変わってないんだなと。

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もちろんこの一言がなくてもそうだと信じてましたが、やはり本人の口からそれを聴けると安心できる。確信が安心に変わった。

で、その期末試験でもかっちゃんはデクをブン投げてるんですよね、デクに試験クリアの条件である逃走を果たさせるために。

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とすれば今回の爆破式カタパルトもそれと同じ感覚だったんじゃないかと。ゲームで例えるなら今回のデクとの共闘は2Pプレイではなく、彼にとってデクは味方NPC、つまりせいぜい便利なお助けキャラ程度の存在だったんじゃないかなあ。まあそれにしては救けられすぎだけどな!!

そして2つ目のん?ポイントはみなさんお察しの通り例の譲渡シーンです。いやもうん?なんてもんじゃねえよ!!直前までまるでその発想なかったから、それが本当に実現されたときマジで一瞬自分の中の幼馴染像の死を覚悟した…!

原作終盤でかっちゃんがOFAを受け継ぐんじゃないか?って予想は今作の公開発表以前から割と目にしてましたが、そのたびに僕はねーよwwwwwwwww と笑い飛ばしてたんですよ。だから直前のオールマイトの譲渡うんぬんの台詞を聴いてもと、思わせておいて実は別の作戦のパターンでしょ~~~?と割と楽観してたんです。今思うとアホすぎる…。

かっちゃんがデクの提案を悟って切ないような苦しいような顔をしたときに僕も初めてそれを察して、2人がお互いにボロボロの両腕を伸ばしてたその数秒間はヤダヤダヤダヤダ!!!ぼくの中のかっちゃんはンなことしないんだい!!!!と駄々こねっぱなしでした。

でもね…その後の神作画と神聖なBGMによる戦闘シーンを観てたらもう何も言えなくなった。

100%フルカウル状態の幼馴染を見てまず思ったのがお前ら完全に超サイヤ人超サイヤ人ゴッドじゃねーかwwwwwwww かっちゃんとデクの髪色の設定をそう活かしてくるとは思わなんだよ!

そして続けて放たれるデゥアル・オーロラ・ウェイブ!!この無理やり天候を変えるWスマッシュはNo.1のオールマイトを彷彿とさせられて熱かったんですけど、今思い返すと正直ちょっと笑ってもいたと思う…w

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その後駆け出してから、一気にナインを追い詰めるシーンはもうヤバかったですね!熱いやら尊いやらで込み上げてくるものがありすぎた…!

前作『2人の英雄』のクライマックスでは勝利確定BGMであるYou Say Runを使って熱さを前面に押し出してましたが、今回流れたMight+Uはそこに切なさや哀しさがプラスされてて、これからOFAの力を全て使い果たしてしまうデクにぴったりの曲だったと思います。Twitterの方で歌詞を日本語訳したツイートを見たんですが、どうもこれから10代目の継承者になる(予定だった)かっちゃんへのデクの心情を歌った曲っぽい?そこ意識してみるとまた泣けるかもなー。

トドメの一撃がデクによる単独のスマッシュだったのも良かったです!前作はオールマイトと同時のスマッシュだったからそこを差別化してくれたのは嬉しかった。かっちゃんはオールマイトと違ってやはりデクとは相容れない存在なんだなーと、そんな事実がこの差異に象徴されてました。後でパンフ読んだら山下さんと岡本さんも同じようなこと言っててガッツポーズとったぜ。

決着後、デクの中のOFAが失われてこれどうすんの…と思ってたら、先代たちの意志の介入で元通りにされてズコー!まあ本編に支障なく話を繋げるにはこうするしかないよね…。ただvol.RによるとかっちゃんにOFAに残らなかったのには理由があるらしいので、そこは今後の伏線として回収されるのを期待しています。これでウワッ、こいつ性格クソだなー!OFAに相応しくないわ!!って菜奈さんたちが判断しただけだったら笑うけど!

OFAを譲渡した瞬間はこの展開を認められるか正直不安でしたが、観終わった今ではしっかりと受け入れられてます。むしろこれを映画でやってくれて良かったとすら思えてる。だって前述の通り僕は原作でこうなるって予想をきいてもねーよwwww と笑ってたんですよ!だから今回この映画でそれをやってくれたことで、逆に原作ではもうこうなることはないと今凄まじく安心している…!

僕はかっちゃんのヒーローとしての本質は良い意味でOFAとは相容れないと思ってるので、最も神聖視してる原作でその可能性がなくなったと分かったのは有難かったです。まさにお祭り要素満載の映画だからこそ受け入れられた展開。

なお僕がこの展開をアリと判断した理由としてはノベライズ版の貢献も大きいです。映像では分からなかった譲渡直前のかっちゃんのデクに対する印象が書き連ねられてるんですよね。

j-books.shueisha.co.jp

何て書かれてるのかは買って確認していただきたいので単語だけ抜粋すると、「気色悪さ」「無謀さ」「愚かさ」。これだけでもうボロクソで笑ってしまうんですが、この心情描写のおかげでOFAを受け継ぐデクを許容するだと解釈できました。アンリ先生にはほんと頭上がらないっすよ!

最後かっちゃんが譲渡後のことを忘れてたのはやっぱり寂しくはあったな~~~~~~その後の反応とか色々見たかった。デクのDNAを摂取したとかいう最大級の地獄の記憶がないのは不幸中の幸いと呼ぶべきか、それともより残酷な状態と捉えるべきか…。どちらにせよこれも今後の本編の展開を違和感なく成立させるためには仕方ないですけど。ただかっちゃんの勘のよさなら自分のけがの状態とかを見て、何があったか察しててもおかしくはなさそうだよな…まあそこはあんまり疑うべきじゃないんだろうけど。

戦闘以外の部分だと自分たちを騙した島乃姉弟に接する態度が印象的でした。かっちゃん、めちゃくちゃ恐かったけど言ってることは間違ってないんだよな…めちゃくちゃ恐かったけど。そして彼にセーブをかけるデク兄ちゃん。本人同士のやり取りは噛み合ってないけどこういうところはバランスとれたコンビだよなー。

 

Part2.島乃姉弟

ヴィジュアルが発表された時点でこいつら志村姉弟オルタやん!と意識してましたが、いざ観てみたら思ってた以上に志村姉弟オルタだった…!予想してた87105倍はあちらと対比されててめちゃんこ辛かったです。

特に強く対比されてるなーと感じたポイントは3つで、まず1つ目は活真くんも真幌ちゃんもお父さん大好きだったところ。もうこの時点ですんげえしんどいんですけど!!華ちゃんも転弧も弧太朗さんに自分の夢を否定する存在として負の感情を抱えてたのに、こっちの姉弟は2人ともお父さん大好きとかもう反則じゃあないすっか…!わざわざ強調されずとも嫌でも対比要素だと分かっちまうよ。

2つ目は活真くんの"個性"である細胞活性。これもな~~~~転弧に突然発現した崩壊と対比された"個性"だと捉えてしまう…。他者の身体を活性化させて救ける"個性"と他者の身体を悪意を以て壊す"個性"、そんな残酷な対比がなされてるように感じてしまった…。

そして3つ目、最大の対比ポイントが終盤真幌ちゃんが活真くんを庇ってナインに立ち向かったシーン。もうここはエグすぎて観てる間ずっと胸が苦しかった…!華ちゃんは転弧の"個性"を見た瞬間、思わず逃げ出してしまったことを思い出すとね…。

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もちろんそれは幼い子供の行動としては当然で責められるものではありません。けれど、その姿が転弧にとって絶望だったのは間違いないはず。だから今回ナインに向かって行く真幌ちゃんの姿が活真くんにとって希望であると同時に、転弧が得ることのできなかったもののように見えてしまったんだ…!

見た目だけ似せてあとは志村姉弟と正反対の要素を散りばめるとか、この映画ほんとに対比がエグいなあ。作中ではしつこくそれを主張せず、ピンとくる人だけが意識してしまう描写にとどめたのがベストなバランス。なんというかこの映画そのものが志村姉弟がたどり着けなかったifの世界線のように思えてきました。転弧と華ちゃんの時を超えたデクとバクゴーとの邂逅…みたいなシチュ。もしあのとき転弧にも彼らのようなヒーローが現れていたら…とか、そんな夢を見てしまうな…。

…これでもし、もしもだよ?転弧オリジン放送時の2人がそのままCV.寺崎裕香とCV.黒沢ともよになったらどうするよ…。

 

Part3.ナイン一味

●ナイン

ヒロアカのヴィランらしくこの人もまた哀しい過去持ちでしたねー。とはいってもそれを具体的には掘り下げず、A組の皆にとってはあくまで那歩島の平和を脅かす存在でしかないという描き方を貫いたのはべネ。そこを描き始めるとまた尺が必要になっちゃうし、話の勢いを削ぐのを避けるためにも彼の思想やら背景やらは視聴者に示すだけで充分でしょう。

この世界は強者が弱者に支配されている」「あるべき姿に戻す」は正直解放軍と似たり寄ったりな思想ではあったな…。まあ個人的には映画の話の中で退場するヴィランにそこまで強烈なキャラは求めてないので別に構わないですけど。これまでにないほど独特な思想を持ったヴィランならむしろ原作に登場させてくれた方が有難いし。

一応「おまえを化け物と罵り、敵(ヴィラン)などと呼称する社会を破壊する……」とキメラに言ってたのは敵連合との思想の差別化なのかなと受け取れました。まあその連合もこの話の時点ではすでに超常解放戦線と名を改めてはいますが。

ナインが作中で持ってた"個性"とそのルーツはそれぞれ、

気象操作:元々自分が持ってた

空気の壁爪弾衝撃波サメラ:それぞれ襲ったモブヒーロー4人から1つずつ奪った

細胞活性(A型):島乃父から奪った

サーチ:AFOがラグドールから奪ったものを与えた

って理解でいいんですかね?OFAを奪おうとしてたから当初の目的であった細胞活性(B型)の分と合わせて少なくとも空きストックは2つあったと最初考えてたんですが、ただ"個性"を奪うのも"個性"の一つとカウントできそうなんですよね。となるとOFAを奪った時点でストックは9つ全部埋まってしまう…ってことは、ナインは"個性"を奪うだけでなくその消去もできるのかな。そうすれば細胞活性(B型)を奪う分のストックがまた空きますし。

サーチについては発動時に目が黄色く変色することからラグドールのものと判断しました。

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その前提で考えるとAFOは合宿~神野事件のあの短い期間にナインに"個性"を与えたことになるのか…。初めからそうするつもりだったのか、奪ってからナインに与えようと考えを変えたのかどちらだろう。

●スライス

vol.Rのキャラ設定画によると「多くの男に裏切られてきた為誰も信頼せず生きてきた」とのこと。とくれば気になるのはやはりナインに恋愛感情を抱いていたかですねー。個人的には抱いてはいたけど、新世界を実現する一員として余計な感情は抱くべきではないと考えて自覚しないように努めていた…って感じだとCP厨的に好みの関係性。まあそこら辺は全く触れられなかったので完全に妄想ですけど。

あと芦戸ちゃんに酸で髪を溶かされて激怒してましたが、これは過去に付き合ってた男から受けてトラウマになった仕打ちがフラバしたのかと思うと…なんていうか……その…下品なんですが…フフ……ライジング………しちゃいましてね…………。

●キメラ

再現できるいろんな動物の特徴を全部「キメラ」という一つの"個性"としてカウントするのはロマンあるな~!9つの"個性"がそれぞれ別カウントのナインよりもある意味夢がある。轟くんの氷結や瀬呂くんのテープといった拘束力の高い"個性"を平気でブチ破ったり、梅雨ちゃん製の毒によってマヒしても無理やり動いたりしてて、ほんとやりたい放題だったな…。轟くんに凍て尽くされて気絶したときはあれ?これ死んだんじゃね?と焦ったけど、最後の連行時にフツーに生きてたのがその耐久力の高さを物語ってました。

異形型のヴィランらしくやはりその見た目から迫害されてた過去が伺えましたが、本作における異形型の"個性"が不当な扱いを受けるか否かの基準って何なんでしょうね。スピナーは「前時代的価値観の残る田舎で トカゲやろうと蔑まれ育ってきた」と言ってたから、単純な見た目の異質さだけが基準じゃないのは確かだろうけど。

●マミー

生物に効果はないが、おまえが身につけている物質……プロテクターや衣服は、拙者の想いのままとなる」ってそれ、戦ってるのが女子だったらハンタのシズクみたいにコスチューム脱いで脱出するのを期待してたところだよ!実際かっちゃん相手にオールマイト・泡瀬くんに続く3人目の籠手ブレイク達成者となってみせたのは素直にすごい。

他の3人よりも一足先に撃破されちゃったけどこれは相手が悪かったと言うしかないですわ…。

 

Part4.1年A組

●轟くん

原作では現在赫灼を習得中…ということであまりその成果を見せる訳にはいかなかったのか、今回はどちらかというと氷結の使用が目立った印象ですね。単なる炎熱のデメリット解消にとどまらず、攻撃・拘束・防御・滑走と使い道がやっぱり幅広いんだよな氷結。滝全体を凍らせて作った拘束をブチ破られてたけどあれはキメラさんの膂力がおかしい。

氷結メインで戦ったことに単純に炎の勢いでキメラの火炎放射に劣るから、という理由がちゃんとあったのも良かったです。だから火炎放射が放たれる身体の内部を炎熱ではなく氷結で直接凍らせる策を思いついたと。大胆ではあるけど理に適った攻略法だったと思います。

●お茶子

仮免試験では偽物だったお姫様抱っこがついに本物同士で実現されて、何と言ったらいいか…!ありがとうございますありがとうございます。そんなこちら側の興奮など露知らず、本人たちはただひたすらナインを倒すことだけを考えてたのも完璧です、パーフェクト。いつもはちょっとの接触でも赤面しがちなのに、こういうときはちゃんとヒーローしてるのがデク茶のカッコいいところだよな~。瀬呂くんに抱えられてたときと良い意味で反応に差がない。

個人的にはキレたデクの一言が「よくも!」だったのがすごく良かったです。お茶子のために憤ってるのは確かなんだけど荒っぽいと言うほどではない、そこが「返せよ!!」「この野郎!!貰うなよ!」とエゴ剥き出しだったかっちゃんのときと良い具合に差別化されてた。どちらの方が良いとか悪いとかではなく、同じ救けるという行動を起こすときでも救出対象への印象がその反応に反映されてるなーと。

ナインに接近して浮かそうとしてたのは体育祭の爆豪戦っぽくもありましたねー、その後失敗してたのも含めて。ヒミコちゃんがキュリオスたちに触れた後にあっけなく転落死させてたのを思うと、やっぱり敵への接近くらいのハードな条件があってやっとバランスのとれる"個性"と言えよう。もしナインに触れられてたら決着はもう少し早くなってたかもしれない。

●飯田くん

前半は安定のA組のパパン枠、後半はキメラ戦で活躍してくれました。今回の見どころはやはりTVアニメではまだ披露してないレシプロターボの解禁ですねー。凄まじい速度で画面を駆け回ってくれてキメラ撃破に貢献してくれた。

前作の映画ではまだ仮免取得前の時期だったから委員長としてのストッパー的役割が強い印象だったんですが、今回は全員仮免取得済みで精神的にも皆成長してたのでそういった面での彼の負担も減ってたと思います。島にそもそも彼らしかヒーローがいなかったってのもありますが、自分たちだけでヴィランと戦おうと決意する展開は前作よりも断然早く受け入れられました。

●ヤオモモ

ナインたちに向けて撃った砲弾のほかに島民のための必要物資、救難メッセージ用のドローンに常闇くんが使ってた鋼鉄製の爪と今回も創造が大活躍だったなあ。前線に立つタイプじゃないけど必要なものを必要なときに創れる"個性"はやっぱりシンプルに便利。

●切島くん

倒れねーってのは本当にクソつええええええええ!!!!!!!そう叫びたくなるほどカッコよかったです!派手な攻撃を繰り出したりする訳ではなくただ動かず立っているだけ、それでも耐え抜く覚悟と仲間の協力があれば立派にヒーローとして役立てるのだと見せつけられた…!乱波・天蓋戦で見せた盾としての役割を今回も果たしてくれました。

思えば合宿後にかっちゃんを救けに行こうとデクに提案したのは彼と轟くんだったんだよな…。それを踏まえるとあのときは独断で救出を決行した彼らが今回ちゃんと正規の活躍をできたのは感慨深い。轟くんが彼を盾にする策を思いついたのは神野での経験があったからかもなー。

●梅雨ちゃん

派手な活躍はありませんでしたが無重力で浮かせた幼馴染を舌で巻いて避難させたり、キメラをお手製の毒でマヒさせたりとできる仕事を着実に果たしてくれた印象。期末試験でのリカバリーガールの「あの子の冷静さは人々の精神的支柱となりうる」って評価は今回もブレなかったなー。

●峰田

冒頭でナンパされてたモブ女子を救けた後かけてた台詞は声だけだとイケショタっぽく聴こえなくもない。

峰田のもぎもぎもまたその効果を存分に発揮してた"個性"の一つでした。結局当たらなかったけどもし一つでもナインにくっついてたらそれだけで大幅に行動を制限できてたんじゃないかな。無重力とのコンボで大岩の雪崩トラップを張ってたのも脅威的な"個性"の使い方だった…。

●上鳴くん

今回最も適材適所という言葉を体現してた人。いやなんだよあの活かし方爆笑したわwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

単に幼馴染が無事だったってだけでなく、あそこで上鳴くんのアホ面が挟まれたことでクライマックス前に良い具合に肩の力を抜けたんですよね。一瞬でインパクトを残すという点では間違いなく彼が優勝だったと思う。

●耳郎ちゃん

前作はこちらが攻め入る側だったので索敵要員として大活躍でしたが、今作は迎え撃つ側だったから出番は若干控えめだったかな?それでもハートビート・ファズでナインに対抗してくれたのは嬉しかったですが。

●常闇くん

今回もいつもの厨二っぷり全開で安心しました。この子もまた出番に恵まれてた一人だよなー。結果だけ見ればヴィランを倒したのはそれぞれナインはデク、マミーはかっちゃん、キメラは轟くん、そしてスライスは彼とオリジン三銃士に並ぶ役割だもん。え?細谷さんのコメント?それはもう忘れて差しあげろ。

ここは俺の世界だ」はかっけえええええええええええ!!!ちょっとDIO様みある!と興奮してたのに、その後スライスに鼻で笑われてて草。ここ追い詰められてピンチになったのとはまた別の居たたまれなさがありましたね!!見てるこっちが顔真っ赤になりそうな小っ恥ずかしさがあった。でも最終的には倒してみせたのだし決して口だけとは言えないと思います。

芦戸ちゃんを傷つけられて黒影を暴走させてた辺り、暗闇での完全な制御にはまだ至ってないみたいでしたね。ノベライズ版に「とても倒せる相手ではない」とスライスが判断する様子が描かれてたことからもそのヤバさが伝わる。いつか原作ではフルパワー状態の黒影を意のままに操る彼の姿を拝めるんだろうか…。

●芦戸ちゃん

依頼者の声……すっごくかわいかったなぁ……(CV.喜多村英梨)」で声可愛いのはおまえじゃい!!とツッコんだのは僕だけじゃないはず。

殺傷力高いだけにいつもは威力を抑えて使われがちな酸ですが、今回の相手は髪を刃物に変える"個性"だったから出し惜しみなく発射できてたのが良かったですね。ヤオモモの砲弾で鍾乳洞へと落とすために予め足場を崩れやすくしておいたのも上手い使い方。

気絶した後に常闇くんに庇われるように倒れ込まれる光景はヒロインのオーラが凄まじかったです。常闇×芦戸とか新しい組み合わせだけど妄想のネタの一つとしては案外アリじゃね?

●青山くん

ここで漏らさなきゃ人生終わるナリ…→ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!というPlus Ultraが素晴らしかったです。そこで終わらずお茶子たちがピンチのときに追撃してきたのも含めて。

というか彼を抱えてきたヤオモモはその間ずっと異臭に耐えてたのか…それもすごい。

●瀬呂くん

テープと無重力のコンボはやっぱり凶悪だな~!仮免試験では他の受験生に当たらないように機を見計らってテープを貼った岩を落としてましたが、そんな配慮する必要のない相手であればガンガンと物量で押せるんだなと。お茶子が浮かせて瀬呂くんが指向性持たせてターゲットに投擲という攻め方がシンプルに強い。

テープを目的地に射出→テープ巻き取りで移動という使い方もナインの攻撃を避ける上で大いに役立ってくれました。お茶子や峰田は機動力あるタイプじゃないから彼はヒット&アウェイのアウェイを担うのに向いてる。

そして今回彼にとっての一番の報酬はやはりかっちゃんの「瀬呂!!」ですね!今までA組でかっちゃんに名前で呼ばれたのは切島・麗日・轟・常闇の4人のみでしたが、まさか彼もそこにリストインされるとは…!非常時のとっさの台詞だったとはいえ、これは遠慮せず誇っていい成果でしょう。原作では未だに呼ばれてないので先の4人に並ぶ立場と言えるかは微妙ですが、かっちゃんの中で彼らに次ぐランクに位置するとは言ってもいいんじゃないかな。

●尾白くん

普段何かと不憫な扱いを受けてるから峰田の代わりにモブ女子にモテても全然憎めねーぜ…これも日頃の行いのよさゆえか。

最初の襲撃時にキメラ相手に飯田くんたちが駆けつけるまでほぼ一人で持ち堪えたり、終盤耳郎ちゃんと一緒にナイン相手に粘ったりと今回も繋ぎとしての仕事が多かった印象ですねー。と言うと影が薄いという意味に聞こえるかもしれませんが、それだって立派な活躍よ。

●障子くん

今回の影のMVPは彼だな~!ナインと戦っている間、幼馴染は島乃姉弟から離れていなければなりませんでしたが、その代わりに姉弟を守るという役目を見事に果たしてくれてた…!口田くんがカラスの弾幕を張った隙に颯爽と2人を抱えて逃げたところも、終盤自分を盾にしてナインの爪弾から庇ってたところも、どちらもカッコよかったです!浜辺でもモブの子どもを抱えて避難させてたし、今回の障子くんは何かと子どもと触れ合う機会が多かった印象。

キメラには「そのなり、おまえ、相当イジメられたクチだろ。……両親を恨まなかったかぁ!?あ!?」と同情されてましたが、俺はお前とは違うと主張するが如き活躍でしたねー。もしキメラに言われてたような過去を障子くんが持ってた場合、それもいずれ原作で描かれるんだろうか。

葉隠ちゃん

活躍ほとんどなかったな…やはり内通者……!

●砂藤くん

浜辺での戦いでキメラにシュガーラッシュを浴びせようと上空にいた常闇くんの手元から急降下した際、キメラがテープと氷結の拘束から逃れたのを見てとっさにガードに転じた判断力の高さが印象的でした。

最終決戦ではほぼ出番なかったけど、隠れ場所の洞窟で怯える島民たちに寄り添って安心感を与えるのも立派なヒーローの仕事と言えよう。

●口田くん

活真くんたちに近づくナインをカラスの弾幕で阻んでたのがとても鮮やかでした!こうして鳥を操ってるとなんか一つのイリュージョンを観てるような感覚になるなー、手品師っぽい。

 

Part5.プロヒーロー

オールマイト

(元)No.1ヒーローにして作中一のメインヒロインとも評されがちなオールマイトですが、こうしてお留守番して出番少なめでもそれはそれで空気ヒロインのような存在感があるな!禁書でいうインさん的な存在と言いますか。

最後OFAの奇跡とかいう言葉で譲渡の不成立をまとめたときはいやざっくりしすぎでしょ!とツッコみましたが、この人は同じ継承者でもデクに比べてOFAをより神聖視してるところがあるから都合よく解釈しちゃってもまあしゃーない。前述の通りこの疑問の真の回答はこれから先の原作で示されそうなので気長に待つ所存です。

デクの今回の決断を肯定してくれたのは有難かったです、それはつまりデクがOFAを託すと決めたかっちゃんへの肯定にも繋がる。惜しむらくはそれを当のかっちゃん自身が知り得ないということですが…これもまあ仕方ないかなー。

●相澤先生

映画のキービジュが発表されたヒロフェスで、CVを担当してる諏訪部さんが前作出演できなかったのを寂しがってたのが印象深かったんですが、今作でもあんまり出番なかったな…(´・ω・`)。まあメタなこと言うと異形型の"個性"を持たないナイン相手に抹消を発動するとだいぶ攻略が楽になっちゃうからね、しょうがないね。

ただデクたちのインターン中止をわざわざ提案しようとしてた彼が今回のプロジェクトを受け入れてたのはちょっと違和感を覚えなくもないです。まあそれだけ公安の圧力が強いと補完できなくもないけど。

●エンデヴァー

のっけからTVアニメではまだ見せてない赫灼熱拳をお披露目してくれて早速滾りました!開幕数分で彼が原作でしか見られない要素を示してくれたことであ、この映画マジで出し惜しみなしだと悟れた。

そして最後の安定の親バカで草。エンディング戦後にもかっちゃんを抱きしめて嫌がられてましたが、それよりも先に息子に同じ反応をされるノルマを達成してたんだな…。

●ホークス

思ったよりもただの中村悠一だった…!いやーすげえ自然に溶け込んでたなあホークス、あたかもすでにTVシリーズに登場してるかのような馴染み具合だった。

本州における捜査という退屈になりがちなパートを彼に担わせたのは正解ですね、今回初めてアニメに登場したキャラだから動いて喋ってるだけで新鮮だもん。デクたちの視点じゃできない情報整理を上手く行ってくれた。これは良いカードの切り方だったと思います、TVシリーズに先んじて登場するとかまさに速すぎる男。

あと彼が普通に公安の面々と話してたってことは今回の話は少なくとも近属にマイクロデバイスをつけられる前、つまりやっぱりNo.243よりも前の出来事で確定かな。ただノベライズ版に書かれてた「一か月分の荷物を携え」「期日満了の日を迎えた」って情報を踏まえると、どうやっても下記のスケジュールに収まらなくない…?

①No.240:死柄木が氏子からナイン輸送の依頼を受ける(泥花事件から一週間後)

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②No.241:12月下旬(泥花事件から9日後)

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③No.242:根津校長が相澤に今回のプロジェクトの話する(クリスマスより数日前)

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④No.242:クリスマス当日

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⑤No.243:大晦日~正月(この時点でホークスにデバイスが取り付けられてる)

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本編でも今回の映画に繋がる要素が示されてる以上、少なくともパラレルではないのは確かだけど…。

●ロックロック

すごく強いヒーローってわけじゃないけど上映開始して即彼の姿が目に入ったときはなんか安心できました。なんとなく馴染みのある存在と言いますか。

あと彼が運転を担当してたのも不思議と納得できたなー。大きな運転ミスはしないだろうって謎の信頼感があった。

 

Part6.敵連合

●死柄木

出番自体は多くはありませんでしたがヴィランサイドの主人公は俺だ!という主張は確と伝わってきました。やっぱりナインはこの後マスターピースとして誕生する死柄木の前座でしかなかったんだな…。9代目OFA継承者に「君は、ヒーローになれる!」と言われた活真と、ナインを殺した弔という対比もそれを物語ってた。

あくまで予想の一つですが、原作終盤でデクは死柄木にOFAを託すという可能性を今回の映画を観てより強く意識するようになりました。本名に(10)と継承順の数字も入ってますし。ただそれだけじゃ今回の二番煎じになっちゃうから、堀越先生ならもう一つプラスαでド肝を抜く要素をブチ込んできそう。

あと島乃父が襲われた現場やナインの元に黒いワープで訪れてたけど、これもやっぱり例のジョンちゃんの下水ワープで…?ただ「≪アレ≫に触れてはならない……忘れるんだ……」と言ってナインから遠ざけてた氏子が死柄木に手を貸すのは不自然だよな…。とするとこの"個性"もまた今後の原作で詳細が明かされるパターンなのかな。

●ヒミコちゃん

彼女だけ連合で唯一"個性"の使用も序盤のカーチェイスの参加もなくて少し不憫だったな…。まあでも自分の指をほっぺに押し当ててた姿が愛らしかったのでオッケーです!僕も押し付けたい気分になった、何をとは言わんが。

●荼毘

原作でなされると思ってたエンデヴァーとの再会が早くも実現、だけにとどまらずなんと初の火力勝負まで…!純粋な炎の勢いならまだプロミネンスバーンの方が上なのね、そこは安心した。

●トゥワイス

覚醒して制限なくなった二倍やっぱつえーよ~~!!いくらでも分身作れるなら今回みたいに尖兵出し放題じゃん…。

●スピナー

相変わらずグラセフで鍛えたとは思えないドライビングテクで草。いや多分本物の車で練習した経験もちゃんとあるだろうけど。

●Mr.コンプレス

vs解放軍編では出番少なかったから今回活躍できてよかったのう。

 

Part7.まとめ

デクとかっちゃんをメインに据えつつ、他の1-Aの生徒にもほぼ全員に見せ場を与え、さらにホークスや敵連合といった学生以外のキャラも活躍させるという、まさに全方位にサービス精神に溢れた映画でした。

そして何より原作の最新話に近い時期の話だから、本誌を読んでるときとほぼ同じ感覚で観られたのが毎週アホみたいに感想書いてる身としてひっじょ~~うに有難かった。この時期に今回の話を挿し込んでしまった以上、劇場版第3弾は制作するにしても原作の時間がある程度進む必要があるから相当先になりそうだな…。

いやでも!やっぱりまた作ってもらえませんかね!?できれば今度は幼馴染の殴り合いで!!