僕のコミックアカデミア

イェイ イェイ ヒロアカ最高 ヒロアカ最高 オマエもヒロアカ最高と叫びなさい!!

僕のヒーローアカデミア No.225 『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』感想

※この記事は「僕のヒーローアカデミア No.225 インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 ふむふむ、市ぐるみで行ってるリンチだけあってやっぱり隠蔽工作もお手の物か。

 市全体でのルート封鎖とか普通なら怪しまれそうなものですが、普段はごく普通の街を装ってればこのくらいの異変は見過ごされるのかな。

 ここにもプロヒーローの姿があったのが地味にショックデカいっす…。

 

 気になったのは泥花市が解放軍の活動拠点となった時期。

 初代デストロの頃からの拠点を受け継いだ可能性もありますが、「隠れるならこういう町を選ぶといい」という台詞は、社長自身がこの場所を新たな拠点に選んだ経験からくる言葉にも聞こえます。

 ここは更なる情報開示に期待したい。

 

 「こんなオッサンをヒロイン役にしても誰も楽しかねェ」は明らかにツッコミ待ちというか、「「俺らが楽しい!」」と我々に答えさせるための振りでしょうかw

 オッサンのヒロイン役ならすでに劇場版でいたから大丈夫だよ!!とプロ読者の皆さんなら思ったよね。ね!?

 

 まあそれ言い出したらこの漫画、そもそも主人公の最初かつ最多のヒロイン役が例の幼馴染ですからね。そんな老若男女誰もがヒロイン役になり得る本作においては義爛の台詞は野暮ってもんです。

 初めての救出相手がクソ煮込みのデクさんに比べればオッサンなんて寧ろノーマルな部類よ。

 

 連合に今自由に使える脳無はないという社長の推察は見事当たってるんですが、「そう誤認させる為にあえて脳無の使用を控えてた」という可能性も社長視点だとまだ考えられるのに、それを想定せず今回作戦を決行したのは結構度胸あるな…。

 断定するにはあと一歩根拠が足りないというか。

 

 実際福岡襲撃はフードの性能&ホークスの信用テストが目的で、仮にハイエンドのストックがあってもそれら全てを投入する必要はありませんでしたからね。

 回収についても捨て駒にするより再利用を選ぶのは妥当ですし、社長の持つ情報だけじゃ連合の脳無所持の可能性は否定しきれない筈。

 

 とはいえ氏子所有のハイエンドは現状全て稼働不可なのだから、それをほぼ見抜いてるのは見事と言う他ないです。

 うむ、やっぱり連合は脳無なしだと一手で場を制圧できる"個性"が荼毘くらいしかいないのがキツい。皆近接戦向きというか、こういう一対多には向かない"個性"ばかりだ。

 

 今までは脳無に頼りすぎと言われても仕方ないほどの使用率だったので、今回は脳無なしでの連合の実力が試される戦いになるんですかねー。

 マキアの乱入はメタ的にはほぼ確定してるし、がモブ戦士の駆除、幹部級の相手はそれ以外のメンバーが引き受けるって形になりそう。

 

 ブレスに怪力、水の壁と色んな"個性"が入り乱れてあーもうめちゃくちゃだよ。仮免試験の1次の時も確かこんなんでしたね。アシさんたちのご苦労お察しするぜ…。

 ここまでカオスだと何か笑えてくるというか、TVでビックリ人間の博覧ショーを観てる気分になってきたな…。

 

 前回死柄木に瞬殺されてたからモブ戦士単体では雑魚かと思ったら「一人一人が…強ェ…!!」ってマジ?しかも「訓練を積んできた」ってどうやって…?

 集会でも開いて一人一人に異能の扱い方を指導してきたんだろうか。正直コイツらそんな鍛え抜かれた戦士だったんかいと意外な気持ちです。

 

 連合を潰そうとする動機については今までしょべェ…と感じてましたが、長い間身を潜めて力を蓄えてきたのに、ポッと出の奴らが注目集めてたら面白くない気持ちは分からなくはないです。

 尤も先代まで遡れば初代デストロよりAFOの方が先だけどな!そこ含めてやっぱコイツら小物臭い。

 

 気月は連合には無関心、にも関わらずヒミコちゃん個人には興味津々だと何かヤンレズみてーだな…。「あなた今から丸裸よ」って台詞がやらしい意味に聴こえるんですが!

 いや過去を隠して生きてるヴィランにとっては、それを知られるのはある意味全裸にされるより羞恥なこととも言えるか。

 

 ここで注目したいのはサブタイの「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」。

 これはNo.69「インタビューウィズ緑谷」のセルフパロであり、1994年公開のアメリカ映画のタイトルでもあります。

f:id:s_g_hrak:20190421204030j:plain

f:id:s_g_hrak:20190421204038j:plain

 そしてここで言うヴァンパイアとは、変身のために他人の血を吸うヒミコちゃんのことでしょう。

 

 内容は記者の男が吸血鬼にその半生をインタビューするというもの。記者の気月が吸血鬼(=ヒミコちゃん)を取材してる今の状況とまさに一致してます。

 その記者は最後吸血鬼に血を吸われてしまうんですが、その筋書き通りの決着になるなら気月もヒミコちゃんに血を吸われて変身される…?

 

 相手の認識から外れるヒミコちゃんのミスディレは仮免試験の潜入時にデクにも見せた技術。

f:id:s_g_hrak:20190421204054j:plain

 彼女曰くこれは"個性"ではないとのことですが、だとしたらやはり相当な身体能力ということになります。

 しかも今回は敵が複数人いる中でやってのけた辺り、前回より高度な身のこなしと言える。

 

 気月に撫でられて穏やかな表情してた子はこの時点で既にヤベー信者臭がすげー…。オカッパに学ランというイマイチ性別の読めない見た目ですが、どちらにしろ気月さまLOVEであることは想像に難くないです。

 腕を盾のようなものに変形して気月をカバーしてたけどどんな異能なんだろうか。

 

 気月の解放コード「キュリオス」は英語で好奇心骨董品という意味の単語。今まさに異常なまでの好奇心を持ってヒミコちゃんを取材してる彼女に相応しいコードネームです。

 調べてみたら同名の舞台がかなり有名のようですが、こちらは特に関係ないのかな。

 

 気月の異能は「地雷」。とりあえず爆豪の「爆破」とさほど被ってなくて安心しました。

 そしてナレで「個性」ではなく、「異能」と説明されてたのは彼女が解放軍であることを強調する演出。こういういつものお約束に一部だけ変化があると今までのキャラとの立場の違いをより実感できます。

 

 複数人ほぼ同時に注射器をHIT、からの変身によるカモフラは判断力もそれ熟せる身体能力もすげーな…と感心してたので次のページの体内爆破は完全に不意打ちでした。

 ヒミコちゃんの行動を予測して的確な対策を立ててたのもヤバいけど、何より思いついても普通こんな策実行しねぇよ…。

 

 これ、血液が爆発したってことは一度各戦士の体から抜いた血に気月が触れて起爆装置にした後、再び戦士たちの体内に戻したって理解でいいのか…?

 戦士の体に残った方の血も爆発してたのは、一度一纏めに起爆装置にしたものはその後分離してもセットで一つの爆弾として扱われるからか。

 

 気月の異能、単体だとさほど恐くないけど数の暴力と合わさると途端に脅威と化す罠だな…。まさに解放軍の強みを活かした作戦と言える。

 個人的には分離しても機能する爆弾という点で番いの破壊者を思い出しました。

f:id:s_g_hrak:20190421204147j:plain

 あちらと違って人形ではなく生きた人間が凸してるのが恐ろしいですが。

 

 気月が晒してるヒミコちゃんの個人情報はマジなんでしょうか。

 本名は警察も掴んでたので信憑性は低くはなさそうですが、両親や元同級生への取材は本当だとしたらこれ良い迷惑なんじゃねぇかな…。

 同級生はともかく、両親がそう易々とインタビューを受けてくれるとは思えないんですが。

 

 つーかまだ両親生きてるって時点で驚きなんだけど!てっきり過去の自分を知る関係者は全員殺したものかと…。いや殺したつもりだったけど殺し損ねてたって可能性もまだありますが。

 けどこの事実を前向きに捉えるなら、ヒミコちゃんにまだ帰る場所が残されてるとも言えるのかな。

 

 いやーでも今の時点ですでに何人もの命を奪ってるしなぁ。その罪の重さを考えると彼女に円満な結末が訪れるとはちょっと考えにくいです。

 そもそも両親がヒミコちゃんにとって快い人物ではなかった可能性もありますし。一読者としては僅かでもいいから救いがほしいんですけどねー。

 

 ヒミコちゃんの誕生日は8/7、加えて12月時点で17歳ってことはデクたちより一学年上か。

 まだ確定した訳ではないですが、実はJKに変身してるオッサン説とかの可能性も今まで否定しきれなかったので、とりあえず彼女が「渡我被身子」として見た目通りの女の子っぽいのは安心しました。

 

 確認したところ既存のネームドで誕生日が8/7のキャラはなし。つまり少なくとも今誕生日が判明してるキャラとの同一人物説は消えたことになる。

 現実では月遅れ七夕、花の日など様々な記念になってる日らしいですが、ヒミコちゃんに関連しそうな事項はちょっと見当たらなかったです。

 

 ヒミコちゃんは「中学卒業式出席後失踪」したとのこと。となると時期としてはデクがオールマイトと出会う大体1ヶ月前の出来事か。

 この卒業式で何かがあったと思われますが、真実を知りたいような知りたくないような、そんな恐ろしいものに一歩近づいてしまった実感があります。

 

 あと「ご覧になられましたか!?」は最初なにいってだこいつと思ったんですが、もしかしてヒミコちゃんのこの個人情報って連合が山籠りしてる間にメディアで垂れ流されたりしたんですかね…?

 だとしたら読者の僕らもまだ知らないネームドの秘密を、モブが先に知ったのは正直悔しいな…。

 

 中学時代のヒミコちゃんはこれをヒミコちゃんと呼ぶことすら躊躇われる姿っすね…。アイコンみたいな笑顔は周りに素顔を見せておらず、自分を失ったことの表現のようにも見える。

 周りで晴れやかな笑顔を浮かべてるモブたちとのギャップで余計に悍ましく感じます。もうこの時点で闇深い。

 

 そして目を奪われたのが同じ制服を着たデクの姿。いやこのデクさん、マジで何…?ヒミコちゃんの妄想か似た外見の別人か、或いはマジで本物のデクさんなのか。

 折寺中学の制服は学ランでこの人物の着てるものとは違うし、髪が若干短めなことからしてもやっぱり別人、なんだろうか…?

 

 回想の中の気月は少なくともこの頃は記者としてまともだった様子。

 この上司の「記録や伝聞だけでは人の心は動かない 取材をしなさい」という言葉を真に受けすぎた結果、今のような取材キチになってしまったパターンだろうか。

 その取材力を買われて解放軍に入ったのかな。

 

 いやあでも今行われてるこれはインタビューとは名ばかりの人権侵害だよなぁ…。

 いや思いっきりボコボコにしてるしそれは一目瞭然なんですが、それ抜きにしても相手の過去をほじくり返して苦しみを理解した気になってる時点で記者失格だよなと。

 というかそれ以前に人として最低だよ。

 

 気月へのヘイトが限界まで高まったところで、いきなりヒミコちゃんが虚ろな表情を向けてきたのは本気でビビりました。

 キレてもおかしくないのに、逆に笑ってるのが何考えてるか分からなくてクッソこえぇ…。ここであ、もう超えちゃいけない一線超えちゃったなと確信させられた。

 

 アイコンが割れた過去の自分とシンクロするように妖しい笑みを浮かべるヒミコちゃん。これはこの時に彼女が今のような人格に至ったことを示す演出でしょうか。

 右手のカッターが物騒ですが、次回この刺した相手が明かされるとしたらいつも以上に心して読む必要がありそうだな…。

 

 

↓他の週刊少年ジャンプ2019年21号掲載作品の感想はこちら

togetter.com