僕のコミックアカデミア

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僕のヒーローアカデミア No.193 『面影』 感想

※この記事は 「僕のヒーローアカデミア No.193 面影」のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

 残り2人の継承者の姿がシルエットだったのは、実は今まで出てきたキャラの祖先で見た目が似てて今はまだ明かせなかったから…とかだろうか。

 これだけで特定は難しそうだけどわざわざ隠したってことは何らかの意味があることは確かだし、この2人のエピソードは後々描いてくれそう。

 

 "個性""異能"と呼ばれてるのは新鮮に聞こえるな…。そりゃその力が人々から恐れられていた時代に"個性"なんてポジティヴな意味の言葉で呼ぶことはできないか。

 時代が変わっていくどのタイミングで"異能"から"個性"に呼び名が変わっていったのか気になります。

 

 前から予想してた通りAFOに"個性"を取ってもらったことで救われた人はやっぱりいたのね。

 https://twitter.com/s_g_hrak/status/959294655048310785 "個性"を授かったことで夢を目指せるようになった主人公を見てきた読者としては、正反対の光景にちょっとたじろぐな…。少なくともこの牙の青年にとってはAFOがヒーローだったんだなと。

 

 そして逆に無個性の者にとっては"個性"は報復のための力になり得ると。

 この対象性がモノの価値は人によって全く異なることを象徴してるなあ。ヒロアカではそれを"個性"というファンタジー要素にして分かりやすく描いてるけど、他のことならこれって僕らの住む現実でも通じることだよね。

 

 AFOが自分の私欲のための駒を増やしたのは初代に同意だが、少なくともあの青年たちにはAFOが救いになったのも事実なので複雑な気持ちです。

 もし自分が彼らの立場だったら同じくAFOに縋ってしまうんじゃないかと思わされた。青年たちからすれば寧ろ初代の方が邪魔者だよなあ…。

 

 "個性"持ちのヒャッハー共が無個性の人を襲ってるのは大隆起後のロストグラウンドみたいだな!流石にあそこまで酷くはないが秩序が崩壊というワードを聞くと無条件にそれを思い出す。

 しかもこちらはそれが全世界で行われてるのだからどんなに危険な社会だったかは想像に難くないです。

 

 無個性と"個性"持ちの立場を逆転、空かさずその心の隙を突くやり口は完全に詐欺師のそれだな…。

 だがどちらの立場からしても他に解決する術がない以上、救いの手が差し伸べられれば取ってしまうのは無理のない心理です。恐怖ではなくあくまで救済で支配してるのがミソ。

 

 AFOは自分のことを秩序と称していたけど、本来社会全体で築き上げなきゃいけないものを一個人が握ってる時点でそれは単なる支配なんだよな。それが分かりやすく恐ろしい形をしてるかしてないかの違いだけで。

 それが気付かれない内に行われてるのが巧妙かつ大胆でゾッとする。

 

 だがAFOに救われた当事者からすればそのことに気付けないのも無理はない。いつ自分が傷付けられるか分からない状況で、少なくとも今は自分を傷付けないと分かってる者に身の安全のために縋るのは納得できる心理だ。

 安心を得るために目の前の絶対的な存在に縋る気持ちは理解できます。

 

 そういう意味ではオールマイトもまたAFOと同じと言えるよな…。無論彼は悪戯に他人を傷付けたことはないが、絶対的な存在として1人で人々に安心を与えていたって点では共通してる。

 ヒーローにしろ敵にしろ、自分が人々の中心になり何かを成そうとしたところは同じなのが興味深いです。

 

 AFOと初代がコミックの話をしてたのはその物語通りに2人の因縁も決着することを示唆してるようで、暗い話の最後で唯一これが希望のように感じられました。

 ヒーローという存在自体が架空から生まれたものなら、その結末もまたヒーローが勝つという架空通りのものになるって希望を抱けた。

 

 回想の最後で描かれた場面が例の初代がAFOから力をストックする"個性"を与られたところか。言葉で語られてた以上に壮絶な経緯だった。

 しかし弟を屈服させるために与えた"個性"が、逆に100年以上に渡って自分に刃向かう継承を作り上げてしまったと思うと何とも皮肉だな…。

 

 あと今回初代は痩せ細っているとAFOの口からも言われていて、改めてAFOは死柄木を初代と重ね合わせてるんじゃないかと思いましたね…。

 死柄木を慕わせて反発してた弟を擬似的に屈服させたような気分に浸ってるんじゃないかと。こうして書くと改めてAFOの初代への執着っぷりがヤバい。

 

 初代がいきなり話しかけてきたのはビビるわあ!オールマイトの話と違うのは、オールマイトはこれを本当に知らなかったのかそれとも知ってて嘘をついたのか気になる。

 この現象がデク限定なのであれば一体なぜデクにだけ初代は話しかけてきたのかも知りたいし、より謎が深まった。

 

 「もう少し見せたかったけどまだなんとか20%なんだね」という台詞から察するに、継承者がOFAを扱えるようになればなる程初代は自分の記憶を見せられる?

 だとすれば今後デクのOFAの調整が上達してきたらまた現れて過去を見せてくれるんだろうか。続きが気になるし是非そうなってほしい。

 

 2人の継承者とデクの頭上半分・右手以外の部位に黒い靄がかかっていたのも、OFAをまだ完全に使い熟せていないことからくる制限なんだろうか。

 少なくとも再び初代と邂逅するイベントはありそうだし、その時に2人の継承者の姿が明らかになることを期待してます。

 

 "個性"に苦しんでた人が出てきた回想を見た後だと青山くんの見方も変わるなあ…。強すぎる"個性"を抑える方法が今では見つかってることを喜ばしく思えるし、青山くん自身のギャグっぽい存在感もあってホッとさせられた。

 ここの青山くんはさり気ない登場だったけど良い役目してました。

 

 デクが新たに得たOFAの力はいきなり部屋中の家具を損傷させる程で、何かもう引き返せない場所まで進んでしまったような危機感があります。

 右手に浮き出てる模様はフルカウル発動時のエフェクトっぽくも見えるが、やはり得体の知れないものに変質したように思えて不気味に感じる。

 

 しかし自分でオールマイトのグッズを傷付けてしまったと知ったらデクはすげーショック受けそうだな…w

 自分を認めさせるための試験の時ですらナイトアイの持つグッズを傷付けないようにしてた程のナードだし。その点では初代はやや不親切だったと思わないでもない。

 

 

【デクの分析ノート】
 轟くんが自分の技にやたら厨二な名前付けてたのは意外性ありすぎて草。自分のヒーロー名をそのままショートにするような子だしこういうのには無関心だと思ってた。

 常闇くんも親近感寄せてくれたみたいだし、是非2人でどんな技名がいいかで盛り上がってほしいです。

 

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