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僕のコミックアカデミア

僕のヒーローアカデミアという少年漫画を中心にその他漫画やアニメについて語る予定です。

【緑谷考察】仮免試験以降、緑谷出久が身体破壊という方法をやめられた理由

※この記事は 僕のヒーローアカデミア No.105 『這い寄る士傑高校』までのネタバレを含みます。ご注意ください。

 

     仮免試験の前の必殺技を編み出すための訓練の中で、緑谷出久は腕を壊し続けた自分の新たな戦う手段として、脚を使うシュートスタイルを考案します。

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    そのシュートスタイルを自分の戦う手段として選択した理由について、仮免試験の中で彼は独白で以下のように語りました。

「あの時 僕は戦うことを 選択し 腕を壊した」 

「壊さなければ かっちゃんを奪い返せて いたかもしれない」

「奪い返せていれば オールマイトは オールフォーワンと 戦っていなかったかも しれない」

「あの時 洸太くんを保護し 相沢先生の元へ 敵よりも速く 駆けられていれば!」 

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    これは敵連合による雄英合宿襲撃という過去の経験について、自分がどのように行動していたら事態を良い結果に導くことができていたか、というシミュレートだと言えます。

    そしてそのシミュレートの結果、彼は以下の結論に至ります。

「人を救けるには まず自分が 無事でいなきゃ!」

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「体が 追いつくまで 100%は使わない」

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    この「人を救けるには まず自分が 無事でいなきゃ!」という台詞から、緑谷出久にとっての最優先事項は、人を"救ける"ということであると分かります。つまり、この一連の『自分の身体が無事だったら合宿襲撃による被害をより少なくできていた→100%を使わなかったら自分の身体は無事だった→これからは脚を中心にしてかつ100%は使わないようにする』というシミュレートは、"救ける"という自分にとっての憧れを実行することを1番の目的としていると言えます。

    そしてこれは逆に言えば、緑谷出久にとって自分の身体を無事な状態に保つことはあくまで人を"救ける"ための過程であって、それ自体が目的ではないということを示しています。つまり、緑谷出久は"救ける"という行為を実行することに最も自分の身体の価値を見出しており、それに比べると自分の生命そのものの大切さを重んじるという意識は彼の中では未だ薄いのではないでしょうか。"救ける"という自分にとっての目標を達成するために有効だと考えた手段が、結果的に自分の生命を大切にすることに繋がっている、というのが現時点での緑谷出久だと思われます。

    もちろん、雄英全寮化の際に行われた家庭訪問の際に、それを断るほど母親が自分の身体を深刻に心配していると知ったことで、自分の生命そのものを大切にしなくてはいけないという意識も、彼の中に芽生えたという可能性もあります。

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    しかし、仮にそうだとしても、その意識が現時点で彼の言葉として作中で明確に示されていないことから、やはり現在の緑谷出久にとって自分が無事でいなくてはいけない最大の理由は、"救ける"という目標を達成するためであると考えられます。

    また、神野事件後の海浜公園でオールマイトの言葉に涙を流したのも、自分の身体を心配されたことよりも、自分が無事でいればこれからも"救ける"という行為を実行し続けられると、自分の目標を肯定されたことが嬉しかったから泣いたのだと思われます。

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    そして、その"救ける"という行為を実行にするために必要な身体を、無事に保つために有効な手段こそがシュートスタイルでした。このことを踏まえると、彼が仮免試験以前に自分の身体を壊すという手段を取っていたのは、①人を"救ける"ための方法としてそれ以外に有効な手段を思いつかなかったことと、②思いついてもそれを行えるほどの技術がなかったことが原因として挙げられます。これは逆に言えば、身体破壊以外に有効な手段を思いつくきっかけさえあれば、そのための技術を身につけようとしていたということになります。つまり、緑谷出久がシュートスタイルを思いついたきっかけは、敵連合の雄英合宿襲撃によって、自分の身体が無事でないと"救ける"という目標を達成できないということを、痛感したことだと言えます。

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    他者から自分の身体を心配されたことではなく、"救ける"という目標を達成できなかったことが、緑谷出久にとって自分がシュートスタイルを思いつく1番のきっかけとなった。このことから、緑谷出久は過去の経験を基に自分の目標を達成できる方法を考えた結果、身体破壊という手段を止めたのであり、他者の心配を知って自己犠牲をやめようという意識で、身体破壊を止めたわけではないと考えられます。

    つまり、彼が仮免試験以前に身体破壊という手段を取っていたのは、あくまで自分の"救ける"という目標を達成するためであり、それが結果として客観的な視点からだと自己犠牲をしているような形に視えていただけで、緑谷出久自身が自己犠牲的な精神で身体を壊していたわけではない、と筆者は結論付けます。

 

ここまでご付き合いくださりありがとうございました。